わたしたちの社会をみずからつくる
「あなたにとってのマスターピースはなんですか。」
この問いを大切にしているのは、その答えがそっくりそのまま“自分が人生で何を成し得たいか”の座標を示すからだ。以下思いつくままに列挙してみる。共通点は「わたしたちの大切にしたいものを大切にできる社会を、みずからつくりあげている」ということに尽きる。
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●注文をまちがえる料理店
●星空を世界遺産に
●赤ちゃん先生
●まちライブラリー
●君の椅子
●グレイテスト・ショーマン
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認知症も、星空も。赤ん坊も、図書館も。椅子も、サーカスも。
はじまりは、たったひとりの切実な願い。その熱量が周囲を動かし、広がって、それぞれの大切にしたいものをきちんと大切にし合える社会が出来上がっていく。そのドラマとアイデアにどうしても感動してしまう。
「社会」というものが概念化し、分かちがたいほどの人とのつながりは消滅してしまった。わたしたちは、“わたし”という個人だけを頼りに戦っている。そんな日々を強いられている感覚。
もっと、IからWeへ。「わたしたち」という、大切にしたいものを共有し合える顔の見える関係を欲している。たくさんの汗とひと匙の工夫で出来上がる、頑丈な社会を求めている。そんな気分がここ数年続いている気がしている。
僕がつくりあげたいのはきっとそういうもので、思い描く社会の真ん中にいるのは子供だ。手段はビジネスである必要はない。ビジネスにすることでうまくいかない予感さえある。そんな頼りない感覚だけを頼りに、欲しい未来を空想する。
としたときに、先日書いた事業モデルではどうも相入れない気がしてしまうのだ。どこにも嘘はないのにハマらない感覚。この差を埋めたくて、埋まらなくて、どうも居心地が悪い。心がジタバタしている。
前に進まなければ、壁にぶつからない。この状況をおもしろがる力が試されている。