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上海紀行

人生で初めて中国に訪れた。1/10夜から今夜までの2日間、上海赴任した会社の先輩のもとに遊びにいった。

アリペイさえあれば現金1円もいらなかったこととか、町中の自転車を秒で乗り捨てできることとか、中国版uberとubereatsが発達しすぎて生活の不便が一切ないこととか、驚いたことはいくつもあるけれど、一番印象的だったのは人。中国人は"いい人"が多いなと思う。

初日の夜、空港から宿まで移動したあと満を辞してアリペイを差し出したところ、システムエラーで支払えない。手持ちの現金はなし。困り顔の運転手さんに呈示できる最終手段は「日本円を多めに握らせる」で、なんと快く受け入れてくれた。人懐っこい笑顔がかわいかった。

そんなかたちでスタートした上海紀行だったから、中国人に対する妙な偏見は早めに消し飛んでしまった。確かにブュッフェでは節操ないほど食料を皿に乗せるし、出店には並ぶというよりも我先に押し寄せる感じだし、宝石店の店員でさえスマホをずっといじってた。

でもそれらは彼らにとって普通のことだし、生まれ育った頃から周りもそうしてたら僕らもそうするだろう。心がいやしいのではなく常識と環境が違うに過ぎない。

町の至るところで「文明人たれ(マナーを守ろう」という標識を見かけた。道路の所々にあるカメラはルール違反を見逃さないし、評価スコアが導入されて以降相互監視社会が加速している。何より国が右向けと言えば一斉に向くのだから、その威力は凄まじい。

それでも町中にはほとんどゴミは落ちていなかった。そこかしこに高いビルとスタバはそびえ立ち、ナイキストアはショッキングなほど先進的。当然のようにまだまだ経済成長していく余裕と勢いを感じながら、とっくに日本は負けていたことにまだ無自覚でいたこと、特に民度についてどこか下に見ていたことが、すごく恥ずかしい。

日本にいる中国の人はある意味特殊だし、マナーに対する常識の違いばかりが浮き彫りになる。メディアで報道されるのは政治問題ばかりだ。

それに引っ張られないにしよう、と思ったところでどうしたって影響は受けてしまうから、できるだけ現地に足を運んで自分の見たものを信じる。昨年11月に韓国へ行ったときも同じことを感じたけれど、その大切さをしみじみと感じた。中国も韓国もとても好きな国だ。

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