杉浦悠太さんのアマチュア優勝で再認識する”プロで成功するため”にするアメリカゴルフ留学のコスパの悪さ
近年頻繁に達成される男子ゴルフ日本ツアーでのアマチュア優勝
ダンロップフェニックストーナメントの記念すべき第50回大会は、日本大学4年生の杉浦悠太さん(22)の日本ツアー史上7人目そして、大会史上初のアマチュア優勝の快挙で幕を閉じました。優勝後プロ転向を宣言し今や”杉浦プロ”は、ロングゲームからパッティングまで穴のないオールラウンダーで172cm74kgと最近の男子ゴルファーの中では小柄な体躯ながら、距離も十分出る。今後海外でも活躍が期待できる逸材がまた登場しましたね。
レギュラーツアーで優勝するだけでも十二分に快挙ですが、ダンロップフェニックスには今回3人のメジャーチャンピオン(松山英樹、ブルックス・ケプカ、ウィンダム・クラーク)が出場していたということも、優勝の価値をより一層高めてくれる要因になったのではないでしょうか。
直近での達成者3人の経歴
最後まで優勝争いを演じたのは蝉川泰果、中島啓太の両名で彼らも以前アマチュア優勝を達成しており、特に去年の日本オープンで史上初のアマチュア優勝を達成した蝉川の活躍は記憶に新しいはずです。
3人の出身大学(杉浦は在学中)は蝉川が東北福祉大学、中島が日本体育大学、そして杉浦が日本大学。3名ともナショナルチームの経験者です。
個人や学校、ナショナルチームで海外遠征や合宿は経験しているとは思いますが、実際のところ彼らは日本で育ち、トッププロになっているのです。
米国ゴルフ留学って費用どれくらいかかるの?💰
僕自身もアメリカのIMGアカデミーに短期ですがゴルフ留学経験があり、3年間ほどゴルフアカデミーの代理店業をしていましたので、実際お金がいくら必要なのかを話しましょう。
まず前提としてこれから話すのは、数あるゴルフアカデミーのほんの1例ですがアメリカの中でもトップクラスにお金のかかる所の話と思ってください。
1ドル≒150円とすると1年間にかかる費用はざっと1500万円!これには寮費、3食の食費、ゴルフレッスン、学費(現地の中学、高校)、制服、ゴルフのユニフォーム等々の費用がすべて含まれています。
ただ日本⇔アメリカの航空券代、夏休み、冬休み中の滞在費、ゴルフの試合のエントリーフィーなどは含まれないので、実質は1700万円くらいになるでしょうか。
青写真
仮に9年生(日本でいう中3の8月~)から入学したとすると、単純計算で1700×4年(アメリカの高校は4年間)=6800万円! 今現在の円のレートで計算するとこのくらいは覚悟しなければなりません。
NCAAの定める高校の単位を取らなければいけないとか、大学のゴルフチームのコーチにスカウトしてもらう必要など、細かい話はまた今度にまわしますが、大学入学時に成績優秀でゴルフの実力もずば抜けていれば、フルスカラシップ(奨学金)で大学4年間を過ごすことも可能です。
NCAAのD1の強豪校にいけば、周りにビクター・ホブラント、コリン・モリカワ、ジョン・ラームのような選手がウジャウジャいる中で練習することになります。
ただ日本人でその環境まで行ける人はここ10年間で約100人ほどの留学生がいる中で1~2人くらいで、その中の1人の選手はオールアメリカンのファーストチームに選ばれるような選手でしたが、その彼でさえ2年間はハーフスカラ(学費の半分は自己負担)だったのです。
プロを目指すなら
プロゴルファーで大成させるために、日本で子供にゴルフの環境を与えたいなら、毎年約3分の1以下の費用で、毎日好きなだけゴルフさせられるでしょう。もし学年やカテゴリーで5本の指に入れば、ナショナルチームも見えてくるだろうし、仮にそれが叶わなくとも、国内名門の大学ゴルフ部に特待生で入学することができるでしょう。ただ基本的には18歳くらいまで、両親の最低でも片方が、その子供に付きっきりで練習や試合に連れていく。そんな生活を365日する覚悟が必要です。もちろん親子関係が破綻したり、最悪のケースだと親と絶縁している、なんて人も先輩プロにいたりします。
ただ、今の話の中には人並みに勉強するとか、同年代の子たちのような青春を送る、、、みたいなことは一切考えないという前提で話してます。この記事の題名の”プロとして成功するために”、海外留学をするのは費用対効果が悪すぎるのです。
アメリカへゴルフ留学することで、勉強もやってほしい(アメリカは本当に勉強しないと、試合に出られない)、いろんな国の友達を作ってほしい。所謂ゴルフバカになってほしくない。そんな風に子供になってほしいとおもうなら、留学には十分な価値があると思います。実際そのような両親がほとんどです。
ブルーハーツの「夢」みたいな家族
そんな中、「あれも欲しい、これも欲しい、もっと欲しい」みたいなある家族と過ごした去年の泥沼の一時期を次回お話しします。
ゆうが
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