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「直感」文学 *ただ、それだけ*
花を渡したかっただけ。雪の降るその日、暖かいネオンの下で僕は君を待っていた。
僕はただ、君に花を渡したかっただけなんだ。
だけど君は来なかった。だから花は死んだ。うな垂れた首が示すのは、悲しみよりも絶望に近い。
君は来なかった。あの日、待ち合わせをしたあの場所に。
ずっと一緒にいて欲しいとも言いたかった。だけどそれは傲慢過ぎる。だから、ただ花を渡したかっただけ。
だけど君は来なかった。
……来られなかった。
君がその日、横断歩道を渡ろうとしたから、君がその日、あの道を通ったから。
痛かっただろう?胸が焼けるように締め付けられる。
君はあの日、来れなかった。僕はその日、君に花を渡したかっただけ。
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