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【コラム】雨の日に思うこと

 

 何度か書いているのだけど、僕は〝雨〟が好きだ。「雨と小説」というものを書いてしまうくらいなのだから、この愛情は留まることを知らない。
 
 今日の東京。雨。
 数日前にゲリラ豪雨みたいなことがあったけれど、今日の雨はなんだか久しぶりの雨のような感じがする。
 朝からシトシト(といっても大分激しくなってきたけど)降る雨の音は、晴天の日よりも目覚めがいい朝だ。変わっているだろうか?

 雨は、これだけ好きな僕にとっても面倒くさい。
 大体濡れるのはあまり好きじゃない。だから一日中家に居られる日の雨というものが一番好きなのだけど、普通に生きているとなかなかそういう訳にもいかない。

 「傘」をさす訳だ。

 で、この「傘」だ。

 この「傘」っていうのは、どうにも長い間進化していないのではないかと思う。
 骨が増えたり、よく分からないが折れない素材を使ったりと内面的な進化はあるのかもしれないが、詰まるところ万能ではない。歩けば足が濡れる。横風が吹けば体も濡れる。
 得てして「傘」はどうにも進化しない。

 これだけ進化した世の中なのに、「傘」の雨を凌ぐ力というのは進化していないのではないだろうか。

 とは言いつつも、昔は「傘」が高級品だった時代もあるようです。今では至るところにビニール傘が捨てられてしまっていたりするけれど、以前は一家に1本、みたいな時代もあったよう。
 それにファッションという部分でも大きな力を持っていたみたいで、ステッキとして欧米人には好まれたそうな。
 
 そんな時代を経て、今も尚変わらぬ姿で現存する「傘」
 そんな話を聞いていると、なんだかこの万能ではない「傘」にも、少しだけ愛着が湧いてきたりする。

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