【〝同調〟という名の、これ以上ない安心感】
ある話では、「病院」という場所は病気を治す場所であると同時に、それは同調を得る場所であるというのだ。
この話は面白い。
風邪をひいた時、人間という生き物は弱ると不安に襲われる。その不安を他者と共有することで安心感を得るというのだ。
それが「病院」という場の役割。
病院に行けば、他にも自分と同じ辛い状況の人間がいる。そうやって「他にも自分と同じように苦しんでいる」と思うことで安心し、病気も次第に治っていくということみたいです。
もちろん全部が全部治る訳ではないのだけど、この「他者との同調」効果が全くないとも言えないのではないかと思う。
ボクたち人間は、そうやって「自分と同じ苦境」を抱える人たちを欲していて、それでいてそういった人と自分を比べ、自分自身を勇気付けているのだ。
面白いではないか。
「病は気から」とは言うけれど、それこそ病だけではないのかもしれない。
ボクたちは、そうやって他者との同調を繰り返し、また勇気付けられる。
そしてまた明日も生きる。
SNSが台頭し、充実した(風な?)人と比べ落ち込んでいく人が多い中、「人と比べるのはやめよう。自分は自分。」みたいな風潮が広がっているが、前述のように人と比べることだって必要だと思う。
人と自分を比べることは悪いことじゃない。そこには一片の可能性だって隠されているんじゃないだろうか。