「直感」文学 *10月の憂鬱*
10月は、私の中で一番気分が落ち込む月だった。
月の流れがどうだとか、肌寒くなる季節だからとか、人肌恋しくなる季節だからとか、そんなことはどうでもよくて、
ただなんとなしに、……そう、理由もなしに、
ただ寂しさをひしひしと感じてしまう月なのだ。
「10月はいつだって滑稽だからよ」
母の言葉は何の説得力もなく私に投げかけられて、そしてそこにどういった意味があるのかも分からないままに、私はただその言葉に首を縦に振るしかなかったのだ。
滑稽、そんな言葉が10月に当てはまるのだろうか。
私はそれについて少しの間だけ考えてみたけれど、やっぱりそこに共通点なんて見つけられはしなかった。
所詮、母の言葉なんてその程度に過ぎないって話なのだろう。
私はただ、この意味不明な寂しさを抱えながら、今年も10月を迎えた。
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