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「直感」文学 *孤独島*
この島に来る人は皆、「独りでいることが好きな人」ばかりだった。
独りでいることが好きだというのに、その人たちが「集まる」っていうのは何だか可笑しな話だとも思うのだけど、それが前提条件としていると、皆その規律を守るのだった。
・人に話しかけない
この島でなくても社会ではそれは普通にあるのかもしれない。
特に僕がそれ以前にいた東京という街では。
でもこの規律があることによって、僕は変な罪悪感を拭うことが出来るのも事実だった。
人に話しかけた方がいいのかと、わだかまりを感じることもない。
この規律は、この島に来る人にとっての救いの手であることは間違いないだろう。
しかし、そればかりではない。
一部のエリアでは「主に話す」ことが主眼に置かれていたりもする。
そこでは皆が主に話をするのだけど、そんな独りが好きな人であっても、話すことを求めてそのエリアに来るから、話ははずむのである。
求めているもの、求められているもの、必要なもの、不必要なもの。
それらを可視化し、わかりやすく整理した島。
それが孤独島なのである。
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