なぜか不思議と涙が溢れるのに、どうしてか笑えてきてしまうのだった。
「笑いながら泣くなよ。気持ち悪いって」
君はそう言いながら、私をゆっくりと抱き寄せた。
「何か悲しいことでもあったのか?」
彼は私がどうであれ、泣いていたって、笑っていたって、いつだって優しい。
涙に理由なんてなかった。ただ、彼と会えたそれだけが、なんだか嬉しくて私の涙を誘っているだけ。
「泣かないで」
そう言いいながら寄せられた私の顔は、彼の胸の中の匂いに目を瞑る。
***アマゾンkIndle unlimitedなら読み放題!***
読み放題はこちらのページ