「直感」文学 *ただそこにある意味のないもの*
呼吸が追いつかない。
どうしてこんなにも苦しく、それでも私は走り続けているのだろう。
早朝4時の空の呼吸はとても穏やかなものだった。そして、とても静かだった。
辺りには音のかけらも落ちていない。ここにあるのはただ、私の息を吸う音と吐く音だけだった。
こんな時間に、こんなに息を切らして、どこまで走っていくのだろうか。夢中で、夢中で。
「信用ってきっと、継続出来ないんだよ。本当にちょっとしたことで、こんなにも簡単崩れてしまうんだもの」
親友のマユは私にそう言って、背を向けた。
それから遠くまで行って……。
眠れない夜は嫌いじゃない、だけど、今日はちょっとだけ居心地が悪かった。
だから私は外に出て、ただがむしゃらに走り続ける。何か意味があるのかどうかも分からないけれど、今はただ走ることだけが何かしらの意味を伴うんじゃないかって考えて。
ただ、夢中で、夢中で。
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