「はじめまして、わたくしこういう者です」
初夏らしい気候の続くGinza Gallery では、ここのところ、名刺入れをお探しのかたが多くご来店くださっています。
新生活に向けて新調、というイメージが強い名刺入れ。実は例年、5月に入り身の回りが落ち着いたころにお求めいただくことも多いアイテムです。
この1年あまりはリモート化がすすみ、「実際にお顔を合わせる機会が減って…」というお話もよく伺います。
働き方の多様化に伴い、身の回りのアイテムを新調されるタイミングも今まで以上に多様化していくのだな、と感じます。
将来的には名刺そのものがデジタル化し、データでのやりとりが大半になっていくのかもしれませんね。
そうなると、紙の名刺は完全になくなるのでしょうか?
そこで思い出されるのは、電子書籍の普及です。
世に初めて「電子書籍」が登場したころは賛否両論あったものですが、その存在は今やすっかり私たちの生活の中に浸透しています。
何冊あっても場所をとらない電子書籍の利点を活かして、持っていた本を整理した方も多いのではないでしょうか。
それでも紙の本がなくならないのは、1冊ずつが「モノ」としての価値を持っているから。
例えば丁寧にデザインされた装幀は、中身を知らない人が思わず本を手に取る理由になりえます。
どんな装幀にするか、どんな紙を使うかには作り手の想いが込められ、カタチとなって人の手に渡ります。
紙の手触り、紙ずれの音、本の重み……。
それら全てが中身を演出する要素となり、単なる物語ではなく自らの体験として、私たちの記憶に残るものとなるのです。
時にはそうした体験が、作品をより輝かせる場合もあるでしょう。
あえてカタチにするからこそ伝わる想いもあるのです。
そう考えると、名刺にも「紙」だからこそ届けられる想いがあるのではないでしょうか。
たとえば紙の種類や形、レイアウトに至るまで趣向が凝らされた、アート作品のような名刺が増えると楽しいなぁと、個人的には思っています。
名刺入れと名刺をセットでプロデュース、なんてことも出てくるかもしれませんね。
そんな風に想いや遊び心を込めた名刺を、保管しながらも引き立てられる名刺入れ。
yuhaku では、デザインから染色まで職人の手仕事光る名刺入れを各種取り揃えています。
今回は、4種類の「マチ」の形からご紹介します。
「マチ」は製品に設けられた奥行きの部分。名刺入れだと、名刺を入れる部分の厚みにあたります。
笹マチ
YVP161(写真左),YFC161(写真右),YEV161 など
横から見たとき底の部分には幅がなく、笹の葉に似た形状。
名刺入れでは定番の形で、初めて名刺入れを持つ方やプレゼントにもおすすめです。
通しマチ
YCA163,YSS163,YLO163, など
上から下まで幅が同じで、たくさんの名刺をまっすぐきれいに収納できます。
名刺をたくさん持ち歩く方に。安定感があり崩れにくい形です。
肉盛り
YVE160,YAC160,YFA160 など
一枚の革を盛り上げ、立体的に形成したかたち。
シンプルな機能性とミニマルなデザインがお好みの方に。
整理の習慣を身につけたい方にも。
風琴マチ
YEV166
収納量によってマチが伸び縮みする、大変機能的な一品です。
全名刺入れの中でも一番の収納力で、アコーディオンのような造りはyuhakuで唯一のデザイン。
複数の名刺を使い分けている方はぜひ!カードケースとしてもご利用いただけます。
名刺入れが取り出されるのは、「初めまして」の場であることがほとんどです。
初対面だからこそ、ちょっとした印象が記憶に大きく残ることもしばしば。
小さなアイテムではありますが、使うかたの魅力をお伝えする、お力になれたら嬉しいです。