社内から生まれた新しい芽(その1)
自分の毎月の仕事の一つに、社内限定公開のYoutube動画作成があります。
コロナによって集まりづらい環境の中、少しでも社員との接点を、と考え、始めました。
先日、その動画の中で商品企画から社内改善まで様々なアイデアを募集をしました。
どんなアイデアでも、会社を良くしようという意思があればOK!
拙くても、思いつきでも、「とにかくたくさん」をお題に募集しました。
自分のポケットマネーから報奨金も付けたところ、50を超えるアイデアが集まりました。
全てを取り上げることは難しいので、今回はこちらをご紹介します。
『銀座店の壁面・スペースを無料貸出。クリエイターにミニ個展を!!』
【目的】
・yuhakuおよび銀座店の周知
・未来の顧客獲得
・アートと人が出会う場の提供
【期待される効果】
・一定のフォロワー数を超えるアカウントによる告知
・アートやクリエイティブに興味関心のあるゾーンへのアプローチ
・入店客数の増加
・クリエイター支援 など
yuhakuの銀座店は正式名称「yuhaku Ginza Gallery」と言い、店舗とギャラリーのハイブリッドショップとなっております。
現在は自分のアート作品を展示していますが、構想段階より様々なクリエイターやアーティストに声を掛け、ミニ個展を行ってもらう計画ではありました。しかし、今回出たアイデアの特筆すべき点は「無料」というポイントです。
一般的に画廊やギャラリーで個展をする場合、開催期間中の場所代に加えて作品の販売手数料などが必要です。
クリエイターは制作コストで精一杯で、展示は合同がやっとという方も多いのが実情です。
若かりし頃、自分もギャラリーから声を掛けられたことがありますが、資金不足で個展開催は出来ませんでした。
そうした実情を踏まえながらも、経営者的な観点から考えると、「yuhaku Ginza Gallery」での展示は一般的な手数料の半額を想定していました。
当然ですが、展示するには店内の準備が必要です。社内でかかる人件費を考慮すると、無料開催は思いつかなかったのです。
理想と現実の間で『どうしたものか……』と、考えていたところ、ひらめきが起きました。
それが、個展を希望するアーティストに、社内で力を入れているプロジェクトに参加していただくことでした。
現在yuhakuでは、サスティナブルな取り組みに着手しており、社内で眠っている革や製品を世に出すべく、試行錯誤しながら前進しています。
この取り組みに、アーティストの方のインスピレーションが加わることで、より良いプロジェクトになるのではないか、と思ったのです。
具体的には、下記の通り。
1)スリーピングストックの活用(スリーピングストック:いわゆるデッドストックやアウトレット品。詳しくは前回のブログで)
眠っている商品を出展クリエイターの手で『作品』へと生まれ変わらせてもらいます。
2)革素材を使った作品の制作
yuhaku製品には使用できなかった革を素材として販売させていただき(orお買い求めいただき)、その革を使用した作品を制作・発表いただく。
さらに重要なことが、もう1点。
3)SNS発信
個展に際し、クリエイターの方にもSNSで発信していただくことで、クリエイター自身のファンの集客に繋がります。
たとえ来店には至らなくともyuhakuを知らなかった人への周知となるため、広告宣伝費として考えられます。
アートやクリエイティブに興味関心のあるゾーンへ、ターゲティングされたアプローチが可能になるのです。
これであれば、発案した社員が考える【目的】と【期待される効果】もしっかり達成できそうです。
そして、早速、1/8(土)より、第一弾がスタートします。
第一弾は「32歳より目覚めたアーティスト松岡智子さん」
インスピレーションをもとに人や対象の意思を即興的に描くことを得意とする彼女ですが、出会いが衝撃的でした。
それは、Facebookメッセンジャーで突然やってきたのです。
たくさんのことが書かれた何スクロール分ものメッセージ。
自己紹介、yuhakuの財布に一目惚れし、半年お金を貯めて購入した経緯、
ブランドやその創業者である仲垣についても興味を持ち、コラボしたいです!!などなど。
しかし、メッセージの内容よりも、最後に添付されていた画像が衝撃的だったのです。
購入したクロコダイルの財布(約30万!!!)に、な、な、なんと、彼女自身でペイントを施していたのです!!!
しかもそれが、なんとも美しく、完成されていたのです。
※ブルーの財布の画像が、実際のものになります。
そこからコンタクトを取り、お会いした際に「コラボ」はいずれ機会が来たときに声を掛けますね。とお伝えしていました。
その後、彼女は凄まじい勢いでアーティストへの道を駆け上がり、パリで作品を展示する機会が突如として到来。
渡航資金を集めるクラウドファンディングでは目標額を軽く超えてしまいました。
もしもの時は資金面での応援をと考えていましたが、その懸念も杞憂に終わったので、自分にしか出来ないお祝いをプレゼントしようと考えていたのです。
そのプレゼントが、yuhakuの新しいプロジェクトのスタートとなり、初めてお話した時のコラボの実現、そして個展としてカタチになりました。
なお、松岡さんとの衝撃的な出会いは、毎週放送のラジオ(Podcast)でご聴取いただけます。(前編の公開は12/31となります)
https://podtail.com/podcast/yuhaku-presents/
ゼロベースのアイデアはたとえ拙くとも「種」であり、育て方次第で「大木」にも成長します。
一生懸命世話をしなければ芽が枯れてしまうように、形になるまで面倒を見なければ、せっかくのアイデアもいつの間にか消えてしまいます。
そのために、できるだけ発案者を担当者とし、段階ごとの期日を設け、根付くまで育ててもらいたいと考えています。
アイデアに愛着を持ち、形になるまで取り組んでもらうことが、yuhakuへの愛着にも繋がるからです。
また、アートにも同じことが言えるでしょう。
アートは自由ですが、自由であるがゆえに、枯れてしまうことも大いにあります。
今もアーティストとしての成功を夢見る自分だからこそ、共感できる立場です。
小さな芽を枯れないように支え、大木になるお手伝いのため、これから芽吹くアーティストの皆さんを全力で応援します!!
そうしてこの取り組みが、社内にいる"アーティスト"のみんなにも良い影響となることを願って。