子どもに料理をさせるのが大事なワケ:STEAM教育の基礎(2)
料理をすることによって、算数のスキルが試されること、そして科学的な概念を日常に結びつけるということについて前記事に書きました。もっと大切なことは何でしょうか。今日は料理をすることで得られる3つのことをご紹介します。
失敗から学ぶ機会となる
料理に失敗はつきものです。前記事では乳化しなかったマヨネーズが登場しましたが、料理をしたことがある人なら誰でも話きれないほどの失敗談があるでしょう。人は失敗からしか学びませんし、再トライすることでレジリエンスが身につきます。こんな失敗集がWeb上にはたくさんあります。もう、大爆笑。笑ってしまうのは、みんな一度や二度は同じような経験があるからではないでしょうか。
11歳のヘレンがケーキをオーブンから取り出したとき、彼女は恥ずかしくて失望し、まな板並みに平らであることに気づきました。父である私は、同年代の頃、生姜パウダーの代わりにガーリックパウダーでクッキーを誤って作った時のことを彼女に話しました。その後、私たちは彼女のケーキはなぜ膨らまなかったのかを把握するために協力しました(カウンターに残った小さじ2杯のベーキングパウダーが手がかりとなりました)。
ポイントは、親子で失敗を楽しみ、失敗談を共有すること。なぜ失敗したのか考えて、再トライしましょう。
人格形成に影響する
実用的なスキルが身につくのはもちろんですが、料理は人格形成にも影響を与えます。トップ画像は6才差である長男と次男が一緒にクッキーを成形しているところです。発達段階が全然違うにもかかわらず、長男はアドバイスしたりフォローしたりして次男が自分でやったように仕向けています。
子どもたちが他の人と協力して上手く行くように努力したり、自分でお弁当を作ったり、休日のおやつを焼いたり、テーブルで夕食を配膳するのを手伝ったりすることで、自己効力感が高まります。
今まで食べられなかったものが食べられるようになることもあります。自分で作った料理は格別ですから!
一番大切なことは?
我が家では、キッチンがぐちゃぐちゃだろうが、リビングが散らかっていようが、子どもたちがやりたいと言えばクッキングタイムに突入します。別にSTEM教育をするために料理をしているわけではないからです。一緒に料理をしたという経験がプライスレスなのです。
いびつでパサパサ。でも子どもたちは自分で作ったおやつが大好きです。一緒に作り、一緒に食べる喜びは忘れることのない思い出になります。
他にもメリットはあります。自分で料理することで、食のリテラシーが高まるのです。私は小麦アレルギー、長男はナッツのアレルギーです。普段から成分表示には気をつけていますが、作ればアレルゲンを取り除けるだけでなく、市販のお菓子よりいい材料を使うことが可能です。
さいごに
どの年代においても、学びと遊びを切り離すことに違和感を覚えます。STEAM教育になるからという理由で料理をするのでは、親も肩に力が入りますし、子どもも息が詰まります。やってみたら、楽しかった!美味しかった!もっとやってみたい!という経験の積み重ねこそ、全ての学びに共通する遊びの心です。
おうちが散らかってる?思いついたが吉日です。まずは簡単な料理から始めてみませんか?