世界価値観調査

それぞれの国にはそれぞれの価値観があります。
ある国は宗教的な価値が重視されていたり、ある国では家族より個人の自由が尊重されていたり。
そういった世界各国の価値観を調査してまとめているのが世界価値観調査という国際プロジェクトです。

世界価値観調査

世界価値観調査=World Values Survey(WVS)

世界80ヵ国以上を対象に政治や教育、宗教、仕事、家族観などを調査しています。
WVSは各国で1000~3000人を対象に250もの質問を面接形式でアンケートを行っています。

統計データを扱うNationMasterというwebサイトでは、
WVSの調査に基づいて世界の幸福度を発表しています。
これが有名な幸福度ランキングですね。

WVSの調査によって世界で一番特殊な国が明らかになりました。
その国は、なんと「日本」です!

日本の特殊性

特殊性1(2005年のアンケート結果)
質問「もし戦争になったとき、あなたは自国のために戦いますか?」
「はい」と答えた日本人は15.1%
これは世界でワースト1位で、世界平均は71.5%。
質問「あなたは自分の国に誇りを感じますか?」
「感じる」と答えた日本人は57.4%
やや多く見えますが、これはワースト2位
ワースト1位は香港ですが、香港は中国の特別行政区なので国としては日本はワースト1位ですね。
質問「あなたは権力や権威が尊重されるのは良いことだと思いますか?」
「良い」と答えた日本人は3.2%
これもワースト1位
ワースト2位の香港は22.6%なのでこれはかなり世界との開きがありますね。

これをまとめると、
日本人は自国のためには戦わず、自国に誇りを持っておらず、権威を嫌っていることがわかりますね。
日本を代表する侍のイメージとはまるで真逆です。
君主を敬い邦のために誇りを持って戦うのが侍ですが、このアンケートではかなり個人主義的な結果になっています。
(2005年のデータではありますが、日本人の価値観はそんなに大きく変化してないと思います)

特殊性2
イングルハートのヴェルツェル図(価値マップ)
このマップを見ると、日本の価値観が文字通り浮いていることが分かります。

画像1

画像2

(下が日本語訳したものになります…橘玲「(日本人)」より)


ミシガン大学のロナルド・イングルハートは、
WSVの調査から世界の価値観を分かりやすくマッピングしてまとめました。

図の縦軸は、
伝統的な価値観 対 世俗・合理的な価値観
下に行くほど伝統的な価値を重視していて、上に行くほど世俗主義的(=個人主義的)な価値を尊重している国です。
(世俗主義=個人は宗教的な権力からの独立すべきという考えなので、個人主義としました。つまり宗教や風習に従うのではなく、個人は事実や客観的根拠に基づいて自立すきという考えですね)

図の横軸は、
生存的価値観 対 自己表現的価値観
左に行くほど、物質的な豊かさに価値を置いていて、右に行くほど自己表現に価値を置いてる国になります。
つまり、左の国は物質的に貧しく、右の国は自己表現に価値が置かれるほど豊かな国ですね。

この図を見ると、明らかに不自然な国があります。
一つだけ真ん中の方でふわふわ浮いている国=日本です。
図をよく見るとわかりますが、地理的に近い国同士はこの図上でも近くにあります。
日本は地理的には韓国や中国、台湾に近いのですが、この図ではそれらの国とは離れたところにあります。
どちらかというと、スウェーデンなど、ヨーロッパプロテスタント圏に近いですよね。

図の一番上に位置しているということは、
日本は世界で一番世俗的=個人主義的な国ということです。
特殊性1のアンケート結果でも、日本人の個人主義的な価値観が目立ちました。
つまり、日本人は自分たちで思っているよりもはるかに個人主義的だということですね。

これを悪いことだと捉えるのか、良いことだと捉えるかはあなた次第ですが。

参考
WVSデータベース
(日本人) 橘玲
ウィキペディア
日本人の価値観 鈴木賢志

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