スモール・ワールド
「鳥山明のサイン欲しくない?」
昔、マクドナルドでアルバイトしてた頃のことです。
パートのおばちゃんからある日唐突にそう話しかけられました。
どうやら彼女の知り合いが鳥山明との知り合いらしいです。
鳥山明と言ったら、ドラゴンボールやアラレちゃんの作者で有名なあの鳥山先生です。
僕は鳥山先生の絵も参考にイラストを描いていたので、もちろん「欲しい」と答えました。
そして同時に思いました。
「世の中、案外狭いものだなぁ」と。
あの鳥山明先生とのつながりがこんなに近くにあるのですから。
六次の隔たり
ただ、残念なことに、あれから何年たってもサインはもらえず、
結局アルバイトもやめてパートのおばちゃんとも疎遠になってしまいました。
ただ僕は、パートのおばちゃんの知り合いの知り合いが鳥山先生とつながっているという話は
嘘ではないと思っています。
なぜなら、この世界はたった6人のつながりだけで、
世界中の誰とでもつながることができるからです。
1960年代。
アメリカの社会心理学者スタンレー・ミルグラムがある実験を行いました。
カンザス州とネブラスカ州の住人にランダムに手紙を送り付け、
その手紙をボストンにいる株仲買人をしてる私の友人に転送してくれ、と依頼したのです。
ただ手紙には友人の住所は記されていませんでした。
その代わりに、
「転送先は、それぞれ個人的な知り合いで私の友人に近しいと思われる人物にしてほしい」
と書いてありました。
ちょっと迷惑そうな実験ですが、結果的に手紙の大半がボストンの友人宅に届いたそうです。
さらに郵送の経緯をたどると、手紙の多くが6回前後の投函でたどり着いたのでした。
つまり、その手紙は6人の人物を介しただけで、
遠く離れた誰だかわからない人に正確に行き着いたということですね。
そして、ミルグラムのこの発見は「六次の隔たり」と言われ、
その後の実験などから、
世界中どこにいても6人ほどの人を介せば、
どんな国のどんな人物でもつながることができると証明されました。
世界中でたった6人ですよ?
だとしたら、パートのおばちゃんの知り合いの知り合いが鳥山明先生とつながっていても
全然おかしくないですよね。
スモールワールド
世界中の人と人。モノとモノ。
それらは社会というネットワークでつながっています。
ネットワークには時折、無数の線が交錯する「ハブ」と言われるポイントがあります。
ハブの例としては、
東京駅などの大きな駅では様々な路線が集まって、様々な乗り換えが行われています。
インターネットも、グーグルやツイッターなどのサイトを通すことで様々な人とつながることができます。
こういった、人やモノ、情報、お金が集まるポイントがバブにあたります。
こうしたハブを介すことで、人やモノ、情報の流通が円滑になり、
たった六次の隔たりだけで世界をつなぐことになるんですね。
様々なハブとハブとの連携が世界を世界を狭くする。
これが「スモールワールド現象」です。
ハブになる
世界は意外と狭い。
ビジネスをする上で、人と人のつながりは重要ですよね。
スモールワールドを知っていれば、どこに行けばどんな人とつながれるかが分かります。
ツイッターやYouTubeなどはプラットホームと呼ばれるハブの役割を果たしているサイトです。
そういうところで活躍する有名人も、
人と人、情報と情報をつなぐハブの役割を果たしています。
そういった有名人に乗っかって自分も情報発信していけば、
有名人のファン仲間がやがて自分の元へも集まってきます。
こうやって大きなハブと個人をつなぐ役割を自分に課せば、やがて自分自身もハブになっていきます。
そうすれば自分の元に様々な情報や人脈が集まってきます。
これをうまく利用できればビジネスで有効な手段となるでしょう。
参考
独自の世界を作り上げて発信する人を増やしていきたいので、サポートよろしくお願いします。