イケメンになった日① 09/19
「ゆうご、ジャニーズに入りなよ!」
この言葉以外にもたくさんの素敵な言葉をかけてくれた、
そんなあの子との、甘くも酸っぱくもない日々。
でもその日常の中で、僕は確かに’イケメン’になることができました。
というか’イケメン’にしてくれました。
正直下ネタしか話した記憶がないけど、
大事な思い出なのでを綴っていこうと思います。
「キーンコーンカーン・・・」
チャイムがなり、心が落ち着かない状況で席に着く。
まだ袖の余った学ランを着ているが、その足りていない長さを超えるぐらいの期待を抱き、前を向く。
「入学おめでとうございます。」
結構ふくよかだが、それを全く引け目と感じていないほどのエネルギッシュな声で話している女性。
これが僕の新しい担任の先生か〜と思いながら眺める。
更に挨拶を続ける。
「新たな学校に、新しい友達ばかりで、まだ不安なこともあるでしょうが、仲良くやっていきましょうね。」
普通に良さげな先生で安心した。
「それでは、一人ひとり自己紹介をお願いします!」
キタキタきたーーー!!!
これだよね、新クラスといえばこれ!
やっと挨拶ができる。僕は自己紹介が大好きマンなのだ。(当時はそこまで好きだったが覚えていないが)
出席番号一番から始まるが、僕は出口(いでぐち)である。
もちろん一桁だし、三番であった。
今、名前を知った前の少年が座る。
僕の番だ!と勢いよく席を立つ。
「☆○小学校から来ました。出口ゆうごです。部活は野球部に入ろうと思っています!好きなご飯はすき焼きです。」
まあ、初手だしこんなもん。
そんな中1の挨拶で、ぶちかませるやつなんてなかなかいない。
「♢○小学校の'I'ですぅ」
ん?なんか凛々しくも何か特徴のある声が聴こえてきた。
後ろを振り返ると、可愛くも派手な顔をした女の子が立っていた。
今思えば、化粧のようなものをしていたのかも。
でも元々綺麗な顔であったから、地の顔だったかもしれない。
今となったら何もわからないが、派手な顔というのは覚えている。
「〜〜〜!〜〜〜〜!!!」
いや、それにしてもよく喋るな〜
と思っていたら流石に空気を察したのか席に着いた。
それが僕と彼女の出会い。
しかし、この出会いが僕を変えたのは間違いない。
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