イケメンになった日③ 0921
それは部活のみんなで食事に行っていた時のこと。
本当に偶然なのだが、当時’I’が所属していた部活も打ち上げのようなものを開催しており、バッティングした。
僕らは仲はよかったが、その当時は絶賛思春期真っ盛り。
みんなのいるまでぺちゃくちゃ話すような仲でもなかったし、普通に恥ずかしかったから、特に彼女らの部活とは会話をすることなく帰路についていた。
するとどうだろうか。
「おい、なんかついてきてね?」
誰かが声を上げた。
ん?
なんかついてきていないか?
誰だろうと後ろを見ると、’I’を含めた女子数人が一定の距離を空けながら、歩いてきている。
でも明らかにこっちをみているのはわかってしまった。
今思えば自惚れかもしれなかったのかもしれないが、
あの子は僕に好意があったのではないだろうか。
だって、確実に、明確にぼくの名前が呼ばれた。
「おーい!ゆうごー!!」
んんん〜〜
恥ずかしいーーー!!!
流石は’I’とは言わんばかりに堂々と話しかけてくる。
嬉しいけども、迎合することなんて勿論できず、
半分無視をしていた。
そして好意を感じてしまった自分もいた。
この日を境に僕らの関係性はなんとなく変わった。
ほら、特になんともない出来事だったでしょ?
でもさ学生時代なんて、こういう出来事の積み重ねで関係は構築されたり、崩れたりする。
僕らは崩れたりはしていないが、なんとなく変わってしまったのは確かである。
この後の話は野暮なので、一旦’I’とのことはここまで。
でも’I’には心のそこから感謝しているということは変わらない。
それは何か!
そう、彼女は僕をイケメンにしてくれたのである。
毎日のようにめちゃくちゃ褒めてくれた!
「ジャニーズ入った方がいいよ!」とか、「カッコいい!」とか本当に言ってくれていた。
当時の僕は自分の見た目がカッコいいなんて、本当に思ったことなかったし、ルックスで自信があったところなんて脚の長さぐらいであった。
そんな僕が天上天下唯我独尊自分大好き人間になって、「俺ってカッコいい⭐️⭐️⭐️」なんて言うようになったのは、彼女が褒めてくれたのがきっかけである。
は?とか、そんな理由?とか思われるかもしれないが、
結局何が言いたいかというと、
誰か一人でも自分を褒めてくれる人がいたら、その人の前では少なくともイケメン/美女になれるということ。
そして、自分の認識すらも勘違いさせてくれるということだ。
↑自分で自分のことをカッコいいと思うことが一番大事。
だから、そういう人は大事にしなきゃいけないし、自分も同じぐらい相手を褒めるべきなのである。
もし、自分の好みの見た目じゃないとしても、自分を褒めてくれるその心は少なくとも自分にとっては綺麗じゃないですか。
そこに仮に打算的な理由があったとしても、その子は行動や言葉で自分を肯定してくれる。これ以上何を求めると言うのだろうか。
「褒められたら誰だって嬉しいじゃん!」
僕の好きな先輩がこんなことを昔言っていた。
人間関係の構築って、この言葉ぐらい単純だと思っている。
上辺ではない、自分が本当に素敵だと思うところを相手に伝える。
そうしたら、相手は嬉しいし、相手の喜ぶ顔を見て自分も嬉しくなる。
そうしたら、きっと相手も自分の素敵なところを教えてくれる。
そうしたら、自分も嬉しくなるし、もっと相手のことを好きになる。
幸せのループだね!
そこが、ピタッとハマったら親友になれるし、恋人にもなれるはずだ。
やっぱり女の子の方が昔も今も精神年齢高い気がする。
’I’は性知識も豊富だったが、それ以外の
こういうことすらも既にわかっていて言ってくれていたのかな・・・?
それとも俺が本当にカッコよかったのかな・・・?
うん、多分そこそこカッコよかったんだと思う・・・!
結局ね、それ以降あったり、遊んだりというのはないんだけど、
いつかこの感謝の思いは伝えたい。
一番最初に、相手を褒める大切さを教えてくれたキミに。
僕を最初にイケメンにしてくれたキミに。
東京で培った最高で最低な下ネタを添えて。
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