実家
年末となり実家に帰ってきた。
この「実家」の安心感は一体何なのだろう。
何をするでもなくだらだらと時間を浪費していくだけ。
一人暮らしの家よりも自由度は低く、制限も多い。
なのにこの安心感。
それを考えた時ひとつの答えにたどり着いた。
愛されているから。
そう、僕は両親に、弟に、家族に愛されているから。
そして、僕が家族を愛しているから。
そういう事なのだろう。
何だか「愛する」って字ズラを見ると「愛だの恋だの」となってしまいがちだが、ここでの「愛する」はそれらとはまた違ったものだろう。
なんというか人間愛に近いものだろうか。
ここにいてもいい。何も気を使わなくていい。
無茶を言ってもいいし、弱音を吐いてもいい。
そしてみんなで酒を飲んで笑い飛ばせばいい。
そんな空間が心底心地良いのだ。
これは実家もしかり、祖父母の家もしかりだ。
しかし、それはある種特別な事でもあるかもしれないと考えるのだ。
世の中では嫁姑問題や介護の問題、更には家庭内DVやネグレクトなど多種多様な環境で生きている人がいる。
幸いうちの家族はこれらとは全くの無縁で生きているのだ。
だからこそ居心地の良い幸せな時間を、毎年年末年始に過ごせるのだ。
その幸せを噛み締めなければいけないと改めて実家に帰ってきて感じた。
自分は幸せ者だ。
おっと、ちょうど今おとんが昼飯を作ったので呼びに来た。
ちょっくら愛を噛み締めてくるとしようか。