イノベーションマップを作る
これまでの記事ではTech Structureを作成することの有効性やTech Structureの活用方法を多くご紹介してきました。色々な製品事例を交えてお話をしてきましたが、課題の改善策を検討したり新しい製品アイデアを発想したりするためにも、まずは現状を見える化することが重要であるということを感じていただけていれば幸いです。
さて、今後は、これまでのような単発の製品事例分析だけではなく、新しい試みの記事も増やしていきたいなと考えています。その試みの一つが、複数のTech Structureを組み合わせた「イノベーションマップ」を作成しよう、といったものになります。
Co-cSの考えるイノベーションマップ
世の中のモノづくり情報を同じ場所に集約させることができれば、イノベーター同士による共創の機会を増やすことができるはずです。また、情報を整理するための何かしらのルールがあれば、共創の効果や効率を最大化することができるでしょう。
このような共創の実現に向けて、Co-cSではTech Structureというルールに沿って情報を整理・集約することが有効だと考えています。整理された情報が集約された暁には、超巨大なTech Structure、すなわち「イノベーションマップ」が完成します。かなり壮大な話ですが、これを完成させることがCo-cSの目指している世界観でもあったりします。
イノベーションマップの作成
おそらく、イノベーションマップの最上位に設定される市場ニーズには、「QOL(生活の質)を向上させる」や「SDGs(持続可能な開発目標)を達成する」のようなものが来るのではないかと予想しています。
今回は、「QOL(生活の質)を向上させる」を少しだけ分解してみました。
情報の整理にあたっては、日本ホームヘルス機器協会の体調改善機器認定制度についての説明を参考にさせていただきました。
現時点では、「QOL(生活の質)を向上させる」を「快適な生活ができる」と「健康寿命を延ばす」の二つに大きく分けました。そして、「快適な生活ができる」ためには、「心地よく眠れる」「美味しく食事をとれる」「他人と楽しくコミュニケーションをとれる」「恋愛・第二の青春を楽しめる」などを実現することが求められる、としました。これらの課題を解決するのは、最近特に注目を集めているBrain TechやXR技術、生体検知技術などが候補として考えられるでしょう。また、「健康寿命を延ばす」ためには、「筋肉をバランスよく鍛える」ことや「呼吸を整える」ことが求められそうです。
もちろんこれだけの情報では不正確かつ不十分です。これをベースに、世の中の各製品や企業・研究機関の取り組みを調査しながら、上図のTech Structureにおけるニーズの整理方法を最適化したり、ニーズと技術との紐づけを詳細化したりしていこう!というのがイノベーションマップ作成の構想です。
イノベーションマップが完成すると、業界全体のモノづくり動向が浮き彫りになったり、製品・サービスの開発者が自身の抱える課題の最適な解決策に簡単に辿り着いたりできるようになります。このnoteでは、今後、ネタの一つとしてこちらの検討進捗を定期的にご報告していこうと思います。
なお、この取り組みにあたっては、研究会のようなものを立ち上げ、Co-cSのメンバー以外の方もお招きして一緒に検討していくことも想定しています。詳細な座組が決まりましたらまたご案内できればと思いますが、ご興味のある方がいらっしゃれば、いつでもご連絡ください。
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