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肋骨を折ってから復活するまで

日曜の朝、ちょっと体操をしながら歯磨きをしていた。ただそれだけなのに。

なんの前触れもなく、右脇の下あたりがよじれたようになり、壊れたロボットのように動けなくなってしまった。

う、う、動けないというか、一ミリでも動いたら激痛が走る。

これが、噂のギックリ腰じゃないかと、その時は思った。

はたから見れば、とても面白い光景だったようで家族はゲラゲラ笑った。(責めているわけじゃないです、私も笑痛かった。誤変換・・でも合ってる)

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以下、治るまでの記録を書きました。

正直、痛い話を読んでも楽しくないと思うのですが、当時わけわからない痛みが不安でネット検索しまくっていたので、今まさに肋骨を痛めてネットに救いを求めている方へ、少しでも参考になればと思います。

個々によって状態が違うと思うので、事例の一つとして読んでやっていただけたら幸いです。

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長ーい1日目:「ゔー・・」

肋骨から背中にかけて、何をどうやっても激痛。

横になるのも痛いが、とりあえずなるべく動かないために横になる。

ネットで検索すると、「肋間神経痛」と出てきた。痛み止めを処方されるとのこと。タイレノールを飲んでみたが、効いた感がない。

何をするにも撃沈。振り向く、着替える、横になる、座る、何気ない動作のたびに雷のような激痛が走る。

わかったのは「動かないと痛くない」。でも人はただ動かないということがとっても難しいんだなあ!

次に「ぎっくり背中」じゃないかという情報を入手し、検索するとYou tubeで「ぎっくり背中を自分で治す方法」を紹介している!

早速試す。

(だって肋骨が折れてるなんて思わなかったから!!)

筋を指で圧迫したり、肩を回したり・・、その場は気持ち楽になった気がした。が・・

(注意※ぎっくり背中には効くらしいです!まずは整形外科で確認の元、行うことをオススメします。折れていたら固定が一番だそうなので、骨折1日目には、まあ、ダメと思う・・)

その夜、眠れない。寝れば治るっていうのは痛みが激しいと無理なんだなあ。どの体勢で寝ればいいのか一番いいのかわからず、のたうちまわりたいけど、動くたびに深夜には許されない声量のうめき声を上げる・・

このままでは近所迷惑なので、一番楽な直立不動で一晩明かすことを試みる。

深夜、ちょうど伊達公子とグラフの伝説の試合を放送していたので、直立不動で見る。伊達さんだって、たった一人で頑張ってる・・頑張れ私。

明け方、立ち修行もしんどくなり、ベッドへ向かう。色々試してうつ伏せでやっと眠れる。

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2日目:すり足で歩くのは痛くないので、整形外科へ行く。

(弓道と能楽同好会ですり足は練習したから得意だぞ!)

『歯を磨いてただけなんですが、なんか痛くて』と伝える。

痛みを人に伝えるのは難しい。大したことなかったら恥ずかしいからお茶を濁した言い方になってしまう。

念の為レントゲンを撮ってもらう。

先生「予想的中、見事に折れとるわ」

私は「えーー!」と言いながら、内心ホッとした。最悪の場合、内臓の病気かもしれないと思っていた。外傷なら日に日に良くなる。

固定するためのテーピング、湿布、コルセット(以前に咳喘息で肋骨にヒビが入った時もらったものを持参)してもらう。

先生「二、三週間仕事は休んでね。仕事何してんの?」※以下、自分の中の大阪弁が合ってるか不明

私『金属やら木を削ったり、磨いたり、などです』

先生「え?それや!労災おりるんちゃうの?!どこの会社?」

私『個人なので・・』

先生「あー・・、自分が社長さん?ほな、自分で管理せな」

(苦笑い)

・・・


原因ははっきりしない。

原因はその週にしてしまった全部が怪しい。

1.ユニクロのブラトップ。ゴムが息苦しい程きつかったが、我慢してつけてた(ポキッ!?)

2.木(やたら硬い木だった)や真鍮を糸のこで切ったり、ヤスリで削ったりを屈んだ姿勢で、数時間×3日間し続けた(バキッ!)

3.肉塊30キロを屈んで持ち上げ、三階まで運んだ(バッキバキ!)

いやいや、そんなことで骨折れてたら、生きていけないし!


ちなみに・・

数年前、父が椅子から落ちた骨折の怖い話。

最初に救急車で運ばれた整形外科のおじいちゃん先生に「肋骨3本折れてる。ただの骨折、何もする必要ない」と言われたそうです。

帰宅後も痛みが耐え難く、次の日に息も苦しくなって、見かねた母が再度、救急車を呼んで大きな病院に行ったところ、肺まで損傷し水が溜まっていたことがわかったのです。

ほっといたら危なかったと言われたそうです。

肋骨の骨折、侮れません。

そのことを医者に伝えると、『あなたのは1本、こうポキっと折れてんの。(指で内側に折り曲げる仕草、オエー)

お父さんのはそりゃバッキバキのエライ複雑骨折やわ。』

肋骨といっても、外からの圧力の具合で重度軽度があるのですね。

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3日目:テーピングをした部分がかぶれ出す。

痛みは初日から50%ほど。

今日も整形外科に来るよう言われていたので、痒い旨を伝えると、固定していたテーピングは外して、湿布とコルセットだけになる。

母が骨粗鬆症を疑っていたので、お願いして検査してもらう。が。

先生『これだけの密度がある骨、なかなかないよ、運動やってた?』

私「全然です」

先生『へー遺伝やねー』

というわけで実年齢より若いとのこと。一体なぜ・・

これまたネットで調べると、骨にはカルシウムと同じぐらい「コラーゲン」が必要なんだそうな。鉄筋コンクリートに例えると、コンクリートがカルシウム、鉄筋がコラーゲン、これがないと簡単に折れてしまうとのことなんですって。

要するに・・歳かい?

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4日目:痛み止めのせいか胃が痛い

痛みにビクビクする生活。胃に優しいはずのカロナール(アセトアミノフェン系鎮痛剤)を服用してても、胃が痛い。そして家族に家事をあれこれお願いするのも心苦しくて余計胃が痛い。

この日の朝、子供が忘れ物をしたので、思わず自転車で届けた。振動で肋骨が痛い。

家事は、いまだ辛い。洗濯、食事を夫にお願いする。しかし夫、この日は帰宅時間が不明確。スーパーの買い物までお願いしたら夕飯が9時をすぎてしまいそう。私はいいが、子供達は「お腹すいたー死ぬー!」と絶叫。

痛みに耐えながら、冷凍チャーハンと冷凍餃子とスープを作る。

冷凍だからって無理でした。しかもホットクックとかだって全然無理です。

前回、ホットクックをオススメしたような投稿、まったくお恥ずかしい・・。

包丁で材料が切れない。調味料だって取れない。

いや、できるよ、やればできるけど痛いのよ。痛いってことは、くっついた骨がまた離れるよね。

しかし・・こんな状態で炭次郎は鬼退治してたのか、頑張れ自分。長女なんだからきっと頑張れる。

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5日目:腰や背骨の痛み

重いものを持ったり、手を伸ばさなければ、肋骨の痛みは、ほぼなくなる。

でも怖いので洗濯物を干すなどはまだできず。

PC作業など、力をかけない仕事を試みるも、腰や背骨がしんどくなるので、1時間以上は座れず。くたびれてすぐ横になる。

さあ、今日は夕飯どうしようか。

そしてふと、世の中にはネットスーパーというものがあることに気づく!

正解!便利!文明の利器!最高!

近所のライフがお惣菜などなど運んでくれました。玄関まで。

ありがたやー。

そして、冷蔵庫まで子供が運んでくださった。ありがたやー。

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6日目:子供、病気になる

子供達はずっと頑張ってきた。お手伝いも気遣いもしてくれて。

ただ私が動けないせいか、情緒不安定になりよく泣いた。

シクシクと。ワーワーと。やっぱり母は元気でないといけない。反省。

そして夜に泣きすぎたのか、喉が痛いとのことで念のため学校を休む。

結果、流行りの病気ではないとのこと。

小児科と整形外科のはしご、自分が思っているより体力がなくなっていて、ひどく疲れる。

子供は元気。つい申し訳ないが、内心、咳うつったらヤバイな、と思う。

肋骨ヒビの経験上、

咳×肋骨骨折=悶絶

くしゃみ×肋骨骨折=気絶

ひい。

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7日目:リハビリする

子供への申し訳なさもあり、リハビリがてら公園へカブトムシを取りに行く。

弱っていると、感覚が研ぎ澄まされるのか、私だけ2匹見つける。

しかし、歩くのがしんどい。歩幅が開かない。そうか、腕を振れないと足が開かないのか・・勉強になるなあ。

そして夜、子供に肋骨部分をキックされる。事故だけど泣いた。

数日前の痛さに逆戻り。

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8日〜1ヶ月後・・

日に日に痛みはなくなった。

1週間で家事はなんとなくできるようになり、発送作業もできた。

2週間は力作業は自粛した。

ただ、違和感はある感じが1ヶ月は続く。

2ヶ月くらい整形外科でリハビリに通う。温めたり、電流をあてたり。

効いてるかわからないけど、温泉に入っているみたいで心地が良かった。

(どうでもいいけど、そこで電流の線をくっつけたまま、ケン玉してる青年がいた。すごい激しい技をビュンビュン繰り広げていたので、看護婦さんに怒られてた。怒られてもケン玉やり続けてた。世の中、いろんな人がいて面白いなあ。)

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まとめ、勉強になったこと。

人によって肋骨骨折は全然痛くなかったとか聞くので、折れた箇所にもよるのかもしれません。ちなみに私は右脇の一番下あたり。腕を動かす、体をよじると痛かったです。

咳ぜんそくで肋骨に数カ所ヒビが入った時は、普通に生活ができていたので、ヒビと骨折では痛みが違うんですねえ。

勉強になったことは、体が不自由な方の大変さが少ーしわかったのと、何かある前に、事前に家族が何でもできるようにしておくことが大事だと思いました。

例えば、ベッドで「喉が渇いた」とだけ伝えても伝わらないのです。コップにお茶を入れて渡してくれても、いや、ごめんだけど、持てない、かがめない。

ストローが欲しい。。でも家族の一人もストローがどこになるか知らないんです。私は指さすこともできない。仕方なく起き上がって(激痛)、こぼしそうなのでコップからタンブラーに入れ替えて(涙)、ストローのある上の棚を開け・・(叫)

・・ふう。ちょうどALSの方の本を読んでいた時だったので、自分の希望を伝えるって大変なことだなと考えさせられました。

それ以外にも、フリーランスの方だったら、仕事でご迷惑をかけないように諸々のアカウントとパスワード、メールアドレスとかも教えておくと良いかもしれないですね。

今回は大丈夫でしたが、例えばショップを止めてもらったり、発送の手配の作業を伝えておくとか。

あと、便利だったのはネットスーパーです!

テイクアウト弁当の店はあっても、荷物を持てそうにないですし、ネット宅配を検索しましたが、ピザや胃に重そうなものばかりで・・

栄養を考えているような宅配サービスは契約しないといけなくて、当日突然宅配できるような所が見つからず。

そして昔ながらの配達してくれる定食屋さんはネットで展開していない!(ここ、なんかいいビジネスになりそうなんだけどなあ。)

なので、スーパーのネットサービス、本当に助かりました!

配送料もほぼ無料(初回無料で、次回無料クーポン付いてくるなど)でしたので、これは骨折関係なく、お忙しい方にも、おすすめです!

以上、長文にお付き合いいだき、ありがとうございました!


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