斉藤和義の飾らなさが沁みる
是非の議論はあるものの、音楽をサブスクで聞くのが主流になりつつあり、私もAmazon musicを利用しております。(今はまだ無料期間ジプシー中。自分の好みのUIのサービスを見つけられるので楽しい。個人的にはSpotifyが好き)そんなサブスクのメリットの1つである、私の好みを分析しておすすめの音楽を再生してくれる機能により、少し前に斉藤和義の曲がセレクトされました。
それ以来、大学生の時に斉藤和義のコピーバンドをしたこともあり、懐かしくなって聞き続けています。当時好きだった伊坂幸太郎の短編小説が歌詞になった「ベリーベリーストロング」がお気に入りで、演奏していて楽しかったのですが、他にもたくさんいい曲があることに気づき、10年ほど経って斉藤和義さんにハマっています。疲れた心を癒してくれるし、ギターリフがかっこいい。ギター始めたくなる。
勝手な偏見ですが、一般的に曲の歌詞とは分かりやすくは書かれないものだと思っています。意図的だったり、語呂やリズムの関係とか、理由は色々あるんでしょうが、1番と2番で話が展開してるのに、サビは共通だったりして、結局どうなったんだよーと思ってしまうことが多いです。でも、斉藤和義さんの曲は、割とちゃんと状況描写がされている歌詞も多く、頭の中で映像化できるくらい分かりやすくて好きです。自然と頭に残るワードチョイスと音楽への歌詞の乗せ方が絶妙なんですよね。。「ベリーベリーストロング」(伊坂さんの歌詞とも言えますが)は最高ですし、「やわらかな日」もあるカップルの日常の一コマをナチュラルに切り取った感じがなんとも癒されます。平凡すぎず奇抜すぎず、でもちょっと心に引っかかったり、じわじわ感動して涙が出そうになる。
一方で、「歩いて帰ろう」とか「やさしくなりたい」とかの代表曲も好きです。物語調でなくても、メッセージがしっかり響く曲が多く、しかも聞き手に寄り添ってさりげなく元気づけてくれる感じが心に沁みるんですよね。多分二十歳の時は、そんな観点なかったな。なんか、昔はかっこいいけど、つまり何言っているか分からない曲とかが好きだったような気がします。抽象的だからどうとでもとれる歌詞というか。それに対して、斎藤さんの曲は「あ、こういう場面あるなぁ」「それ、大切だよね」といった普遍的かつ本質的なことに気づかせて、立ち止まらせてくれたり、落ち着かせてくれる優しさがある。素直で、率直で飾らない楽曲たち。色々周りを気にして、自分を演出するような時代だから、斎藤さんの曲が素敵に感じるんだろうなぁ。という駄文でした。