指す将順位戦6回戦 イカロスさん戦

とうとう指す将順位戦7thは名人戦と入れ替え戦だけになったところでも私の自戦記は6局目。今回はイカロスさんとの対局の振り返りです。
イカロスさんは僕が初めて指す将に参加した時からずっとA1に居る方で、これまで何度も当たっていますが、前期は私がスヤスヤで不戦敗してしまいました。そのため今期はまず寝坊しないで対局するのが目標でした。(?)
将棋の方は独特な振り飛車を指される方で、序中盤の構想から受けや厚みを重視されているというイメージです。こういう人とは正直やってみないとどういう陣形が飛んでくるか分からないので特に具体的な対策はしていませんが、まあ序盤で位取られて抑え込まれて完敗…のような展開だけは避けたいと思っていました。

そんなこんなで対局開始。


何がやねん

戦型はイカロスさんのノーマル中飛車+穴熊にこちらは53と43に銀を並べて受け重視の構え。
…のはずが、なぜか上図では既にこちらの飛車か桂馬、またはその両方が助からない形。しかも相手は穴熊で、金銀2枚で堅さはそこまでとはいえひたすら遠い。この時点であまりの序盤力の差に大粒の涙を零さずにはいられませんが、ここで諦めるわけにもいきません。
ここから勝負手気味に△3五歩と突いて3六の地点に空間を作り、そこに桂や香を打って少しでも敵玉に迫れるよう味をつけてから捌き合いに出ました。まあ局面自信なしなりに玉頭に味をつける発想に至ったのはえらいですね。

一応狙い通り香は打たせてもらえました

(ちなみに)ソフト的にはこのあたりは互角〜やや振り飛車持ちといった感じみたいです。ソフトは振り飛車に厳しいのでそう言いそうなところかもしれませんが、少なくとも私は苦しいと思っていました。

この後も読みがまとまらないまま中〜終盤を指し進めてしまい、持ち時間も無くなり、少しずつ振り穴の「堅い・攻めてる・切れない」に近づいて実際の形勢も苦しくなっていきました。

振り穴が遠すぎる

こちらが微妙に急所を外し続けた結果、3筋の突き捨てまで逆用されてしまいました。一応こちらの玉も43の銀を適当に移動させて43玉〜55歩みたいな感じで見た目よりは耐えるのでまだド大差ではありませんが、それでも振り穴が遠すぎますね。こういうの、業界では「敵玉が盤上に無い」って言うらしいです。
しかもこの後私は持ち駒の金銀を使って39の飛車を取りに行ったのですが、馬が67から動くと48の角が66に出てきて捌かれてしまうことや、相手の持ち駒に香があることなどの理由で取り切れませんでした。冴えんなぁ…。


決め手がある

ここでイカロスさんは▲46角として来ましたが、▲73角成なら先手が明快に勝ちでした。どちらも35の金取りで「何がそんな違うの?」と言われそうですが、62の金を消せば91の龍を働かせることができるのが大きいようです。本譜はまだ苦しいながらも少しだけ助かりました。

2筋は受からないが…

上図は2筋が受からず大ピンチ…のようですが、ここで△34銀!が飛車に当てつつ43に玉が逃げる空間を作る好手。△47歩成や△56馬が攻防に大きな手になるため、ここでやや好転したように感じました。以下▲21飛成△43玉で上部が開けて信じられないほど安全度が増しています。劇的ビフォーアフターすぎる。

最後に実戦詰将棋。志の高い人はここで手を止めて詰ましてみてください。


最後は実戦詰将棋。別に成銀寄るくらいでも勝ちですけどね。
答えは△28桂成▲同玉△39角▲同玉△48成銀▲28玉(同玉は△47歩成〜)△38成銀▲同玉△47歩成▲28玉△38と▲19玉△29とまでが一例。成銀を押し売る手さえ見えれば簡単だと思います。

冴えない手を連発してしまって苦しい時間が長い本局でしたが、なんとか逆転勝ちすることができ、リーグ的にも直接ライバルに黒星をつけて大きな一勝になりました。

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