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兵士の人心を得る心得

皆さまこんばんは、弓削彼方です。
今回は、戦場に赴く兵士達の人心を得る心得についてです。
時間がある方は、動画の方の解説をご覧ください。

今回解説した部分の、原文と現代語訳は次のようになります。

原文
「夫れ兵を用うるの要は、礼を崇くして禄を重くするに在り。礼、崇ければ則ち智士は至り、禄、重ければ則ち義士は死を軽んず。
 故に賢を禄するに財を愛しまず、功を賞するに時を踰えざれば、則ち下は力併せて、敵国は削らる」

現代語訳
兵士達を働かせるための要点は、普段から礼を尽くし、高い給料を与えることである。普段から礼を尽くせば智謀に優れた者が集まり、給料が高ければ義理堅い者は死を恐れなくなる。
 だから、賢者を欲するならば金を惜しむようなことはせず、功績のある者はすぐに褒美を与えるようにする。そうすれば、兵士達は力を合わせて戦い、敵を打ち破るであろう」

兵士は一般の民衆とは違い、命の危険がある戦場に一緒について来てくれます。
兵士達も命を懸けて働いてくれるのですから、君主や将軍の側も、礼を尽くして十分な給料を用意しなければいけません。
礼を尽くして高い給料を用意することで、その待遇に納得した智恵のある人材や、命を捨てる覚悟を持った勇敢な人材が集まるのです。

高い給料を用意すると言うと、なんと無く金の力にものを言わせるように感じるかもしれませんが、それは違います。
兵士には養うべき家族が居て、万が一自分が死んだ後の家族の事も考えなければいけません。
そこで十分な給料を与えて、兵士として働いている間はもちろんのこと、仮に戦死しても家族が生活していけるだけの蓄えを用意できるようにしてあげなければいけません。
そこで、普通よりも高い給料を用意することで、「今は当然、万が一の時の家族の事も考えて居るぞ」と言う事を示しているのです。
そうすることで兵士達は、君主や将軍を信頼してくれるようになるのです。
こう言う心配りこそが、兵士の人心を得るための方針と言えるでしょう。


今回の解説はここまでとします。
それではまた、次回の講義でお会い致しましょう。

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