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三略講釈【下略-9】

皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。
今回は非常に理解しやすい内容となっています。

本文現代語訳

「聖王が戦争を起こすのは、決して争いを楽しむためではない。暴君と呼ばれるような者に天誅を与え、世を乱す臣下を討伐するためである。
 正義によって不義を討つのは、大河を決壊させて松明に水を注いで火を消したり、深い谷を覗き込んで落ちそうな者の背中を押すようなものである。つまり必ず勝つと言う結果が見えているのと同じである。それでもゆっくりと兵を進めるのは、敵にも味方にも損害を出すことを恐れるからである。
 そもそも軍隊と言うものは不吉なもので、天道とは相容れないものである。それでも、止むを得ない時に限ってこれを用いることを、天道は認めているのである」

解説

戦争や武力の乱用を諫める節となっています。
戦争や武力の行使は天の道に反することであり、本来であれば行われるべきではありません。
しかし不義を討ち、世を正すためにどうしても必要な場合にのみ、戦争や武力の行使が許されると述べられています。
戦争や武力の行使は、天の道である天道に反することであり、人としての道からも外れる行為です。
世のため人のために止むを得ない場合以外で天道から外れれば、いずれ大きな報いを受けることになります。

今回の講釈は以上となります。
この戦争や武力の乱用を避けると言うのは、他の兵法書にも書かれている非常に重要なお話ですので、必ず肝に銘じておいて下さい。
それではまた、次回お会い致しましょう。

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