三略講釈【下略-6】
皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。
そろそろ三略講釈の終わりが見えてきました。
もう一踏ん張りですので、頑張って先に進みましょう。
本文現代語訳
「千里の遠くまで探してやっと賢人と呼べる人物が見つかるので、賢人を登用するのは難しい。凡人はどこにでもいるので、登用するのは容易い。だから名君と呼ばれる者は、近くの凡人を捨てて遠くの賢人を迎えるのである。だからこそ、偉大な功績を上げることができるのである。
このように賢人を尊重すれば、自然と下の者も力を尽くすようになる。一人の善人を見捨てれば、大勢の善人がやる気を無くす。一人の悪人を褒めてしまえば、大勢の悪人が勢いを取り戻して集まって来る。善人が大切にされ、悪人が罰を受けるようになれば、国内は安定して、大勢の善人が集まって来る」
解説
優秀な人材を得るのは非常に手間がかかりますが、その手間を惜しまないからこそ大きな事業をやり遂げることができると述べられています。
そしてその手間を惜しまず賢人を求め重用するからこそ、自分もその様に扱われたいと思い、他の人も全力で自分の役目を果たすようになります。
善行を積む者を見捨てれば、真面目に役目を果たそうとする人は居なくなってしまいます。
また、悪行を行う者を褒めてしまえば、他の悪人も調子に乗って国中が乱れてしまいます。
それを防ぐには善行を積む者を重用し、悪行を行う者を必ず罰するようにします。
そうすることで国内は安定し、より多くの良い人材が集まってきます。
ここでは善人と悪人に分けられていますが、これは一つの例えです。
智恵のある者と浅はかな者、勇敢な者と臆病な者、忠節を尽くす者と義理を軽んじる者など全てが同じです。
君主や国のために尽くす者は重用し、国のためにならない者は遠ざけるという姿勢をはっきり示すことで、どの分野においても良い人材が集まってくるということです。
今回の講釈は以上となります。
それではまた、次回お会い致しましょう。
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