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孫子を知る

皆さまこんばんは、弓削彼方です。
本格的に兵法を学ぶためには、兵法書が必要になります。
初級編ですでに武経七書の紹介はしましたが、今回はより詳しく孫子とその作者である孫武について解説して行こうと思います。

動画での解説も併せてご覧下さい。


最初に作者である孫武について解説します。
孫武は今から二千五百年ほど前の、中国春秋時代の人物です。
孫子を書き上げた後、呉の闔閭と言う王様に仕えて将軍になりました。
その数年後には当時の大国であった楚と戦い、大勝利を収めています。
そんな孫武ですが、その最後がどうだったのかは分かっていません。
役目を終えた後に自ら引退したとも、才能を妬んだ者に謀殺されたとも言われています。
孫武は間違いなく歴史上に存在しましたが、謎の多い人物でもあるのです。

その孫武が書いた孫子ですが、全部で十三篇に分かれています。
序盤が戦争計画と戦争の心構え、中盤が実戦の原則について、後半が具体的な実戦についての解説です。
最後に火攻めと間謀(スパイ)の扱いについて、一篇ずつ割かれています。
孫子の文章量はさほど多くはありませんが、兵法の要点のみが詰め込まれた、非常に学び甲斐のある一冊となっています。

普段みなさんが手にする孫子は、孫武が書いた原本とは違うものです。
特に魏武注孫子と呼ばれる、後世で読みやすいように整理されたものです。
この魏武とは三国志で有名な曹操のことで、曹操が注釈を付けて分かりやすく改訂した孫子です。
曹操が当時の配下や子孫に残すために整理し注釈を付けたものが、現代にまで引き継がれているのです
孫子に限りませんが、兵法書と言うものは長い歴史の中で他者の手が入り、ある時に整理されて現代に受け継がれています。

兵法を学ぶ時は、まず孫子で基本を学び、他の兵法書を読んではまた孫子の基本に立ち返り、最後にまた孫子に戻ってその真髄を修得する。
このように兵法を学ぶ時は、最初から最後までずっと孫子を活用することになります。
もし皆さまが兵法を学ぶのであれば、最初の一冊は孫子がお勧めです。
書店ではこまごまと書かれた解説本のようなものもありますが、余分な解説が少ない単なる現代語訳本を読む方が勉強になります。

以上が孫子と、その著者である孫武の解説となります。
それではまた、次回の講義でお会い致しましょう。

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