雑兵物語
皆さまこんばんは、弓削彼方です。
本日は皆さまには馴染みの深い、日本の書物である雑兵物語の紹介です。
雑兵物語の内容を少し紹介していますので、ぜひアーカイブもご覧下さい。
この雑兵物語は、文字通り戦国時代の雑兵達を題材に扱った書物です。
戦国時代が終わり、徳川幕府の時代になって戦いが殆ど無くなったことで、実戦経験を持つ武将や兵士が減りました。
そして、このままでは実戦で培った戦場の智恵や緊張感を伝える手段がなくなると危惧され、当時の雑兵達の話を集めて一冊にまとめることでそれを補おうとしました。
これが雑兵物語が生まれた背景です。
ですのでこの雑兵物語は、今まで解説して来た一軍の指揮を目的とした兵法書とは違い、自分一人か仲間の雑兵数名で戦うための戦術書と言った方が正しいでしょう。
この本を読むことで、少しでも戦場での生存率を上げるコツや、戦場生活で不自由しないための知恵、そして戦場の緊張感を知ることができます。
一つだけ具体的な話を抜き出しましょう。
これは鉄砲足軽の頭が雑兵達に聞かせている話です。
「鉄砲をあずかる者として一つ言っておく。鉄砲で騎馬武者を撃つ時は、先に馬を撃ってから人を撃つようにした方がいい。そして間合いが詰まってきたら左右に分かれて、残りの弾も全部撃て。弾も尽きたら刀を使うが、敵の手足を狙うのがいいぞ。下手に鎧に当たれば、雑兵のまなくら刀では折れ曲がってしまうぞ!」
他にも弓足軽や槍足軽、馬の世話係に荷物持ち等と言った立場で、様々な智恵が語られています。
皆さまが実際の戦場に出る機会は無いとは思いますが、戦場での緊張感を知るのに適した本だと思います。
この雑兵物語は一度絶版になったようですが、最近また新しく出版されて、皆さまでも手軽に入手できるようになりました。
兵法はともかく、自分の国の戦国時代に興味があるならば楽しめる一冊だと思います。
本日の解説はここまでとなります。
それではまた、次回の講義でお会い致しましょう。
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