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国民を愛する

皆さまこんばんは、弓削彼方です。
本日は内政の根本についてのお話です。
動画も見て頂ければ、より理解が進むことでしょう。


本文が長いので、今回も訳文のみとなります。

現代語訳
文王は太公望に尋ねた。
「君主が国を治める時に、一番大事なことは何かを知りたい
太公望は答えた。
国民を愛することに尽きます。国民の生活を安定させ、国民のやるべき事を成し遂げさせ、国民を生かして殺さず、与えて奪うことなく、楽しませて苦しませず、喜ばせて怒らせないことです」
文王はさらに尋ねる。
「もう少し具体的に聞かせて欲しい」
太公望も続けた。
「国民を失業させないのが、生活の安定です。田植えや収穫などの作業時間を奪わないことが、成し遂げさせると言うことです。罪のない者に罰を与えないことが、生かすということです。税金の負担を軽くすることが、与えると言うことです。不要な宮殿など作らずに税金の無駄遣いをしないことが、楽しませると言うことです。役人が公平で対応が丁寧なのが、喜ばせると言うことです。
 これが国民を愛するということです。この逆をやれば、国内はすぐにでも乱れるでしょう

訳文を読むだけで意味は理解出来ると思います。
なお訳文の途中にある「国民を生かして殺さず」とは、江戸時代の「死なぬように生きぬように」で有名な言葉とは意味が違うので、ご注意下さい。

国民を愛すると言う言葉を言い換えれば、全国民が幸せになるような施策を行うと言うことです。
「税金の負担を軽くすることが、与えると言うことである」とありますが、これが一番分かりやすいと思います。
ですので、君主が何か施策を行う際には、それで国民が幸せになるか否か?これを考えながらやりなさいと言うことになります。

そして前回・前々回にも出てきましたが、国民が仕事を失わないようにすることと、その仕事に集中できるように(徴兵や賦役などで)時間を奪わないことが、国民を愛すると言うことになります。

内政の根本は国民を愛して、国民のために政治を行うことです。
それを具体的な方針にすると、国民が仕事を失わずにその仕事に集中できる環境を作ることとなります。
それを実現するために、税金を軽くして国民の負担を減らすとか、役人が丁寧に対応しながら国民のために働くと言う、具体的な形になって行きます。
この要点を押さえて内政を行えば、少なくとも大失敗をして国を傾けると言うことはないでしょう。

内政についての話はここまでと致しましょう。
内政の話も非常に深いものですので、また中級編で詳しく解説する機会を設けたいと思います。

以上、本日の解説はここまでとなります。
それではまた、次回の講義でお会い致しましょう。

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