六韜と三略を知る
皆さまこんばんは、弓削彼方です。
今回は一気に、二冊の兵法書について解説しようと思います。
解説するのは六韜と三略になります。
こちらは動画の解説の方が分かりやすいと思います。
この六韜と三略ですが、作者は同一人物の呂尚とされています。
呂尚の名では分からないかもしれませんが、俗に言う太公望のことです。
周の文王と子の武王に仕え、武王と共に殷の紂王を討ちました。
この周が殷を討ったと言う歴史の事実を、面白おかしく書いたものが有名な封神演義です。
太公望が書いた六韜ですが、全部で六十篇に分かれている大作です。
文王や武王の問いに、太公望が答えると言う会話形式で話が進みます。
内容は戦術や兵種ごとの戦い方など直接軍事に関する話が多めで、当時の武具に関する詳細な記載もあります。
文王との会話が主に内政に関すること、武王との会話が主に軍事に関することとなっており、文章量は多いものの会話形式なおかげで読みやすくなっています。
三略は六韜と違い、内政や礼節に関する話が中心になっています。
内政で国力を蓄え、礼節を整えて人材を迎えれば、自然と戦う必要がない強国になると言う考え方です。
また優秀な人材を迎える為には君主に人徳が必要だと説き、君主自身の心構えについても述べられています。
ここまで説明しておいてなんですが、実は六韜と三略が間違いなく太公望によって書かれたと言う確証はありません。
太公望より後の時代の話に、劉邦の軍師であった張良が太公望の書で学び、それが六韜と三略であった言う話が残っています。
この話も歴史的に信頼できる文献に明確な記載があるわけではないので、太公望が六韜と三略を書いたと言うのは、実は噂程度の話なのです。
この事については、次回の講義で詳しくお話します。
主に戦術を学びたい場合は六韜を、内政について学びたい場合は三略と使い分ければ、より兵法を学びやすいと思います。
三略は文章量が少なめなので、手軽に読めるのが魅力です。
私は孫子と一緒に三略も常に傍に置いているほど愛用しているので、ぜひ皆さまにも一度読んで頂きたいと思っています。
六韜と三略の解説は以上です。
それではまた、次回の講義でお会い致しましょう。
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