陣形の話(前編)
皆さまこんばんは、弓削彼方です。
今回からは具体的な兵法の話として、まずは陣形についてのお話をしようと思います。
長くなるので前編と後編に分け、今回は基本的な陣形である八陣の内の六陣を解説したいと思います。
動画の方が理解しやすいかもしれませんので、参考にしてください。
■魚鱗の陣(ぎょりん)
これは攻めの陣形で、密集して前へ前へと進んで行きます。
密集しているので部隊間の連絡が取りやすいのですが、後方から襲われると一気に崩れてしまうと言う欠点があります。
■鶴翼の陣(かくよく)
敵を中央に誘い込み、中央の部隊が耐えている間に両翼(両側)の部隊が敵を包囲して完全に殲滅する陣形です。
中央突破されると脆いと言う欠点がありますが、成功すればその戦役における決定打を放つことができます。
(戦役 ~ 数個の戦場・戦闘をまとめた一連の戦いのこと)
■鋒矢の陣(ほうし)
中央突破を狙う攻めの陣形です。
矢印の様な形になって中央に兵力を集中し、敵陣を突破して敵の分断を図ります。
側面からの攻撃の弱く、一度突撃の足が止まってしまうとどうにもならなくなります。
■方円の陣(ほうえん)
円形になって全方位に警戒する防御型の陣形です。
警戒には適していますが、このままでは円の反対側の部隊が遊兵になるので、敵を見つけたら素早い配置転換が必要になります。
■長蛇の陣(ちょうだ)
蛇のように長い一列になります。
移動に適した陣形と言われていますが、実際は移動していると自然とこの形になると言うのが正しいでしょう。
このままの形で戦う事は滅多になく、敵を発見した時点で別の陣形に組み替えるのが一般的です。
■衡軛の陣(こうやく)
部隊が段違いの二列になったような陣形です。
図では前列の二部隊が遭遇した敵を引き付け、二段目以降の部隊が左右から回り込んで包囲殲滅しています。
味方が状況に合わせて動きやすい陣形と理解しておけば十分でしょう。
以上、本日は基本八陣の内の六陣を紹介しました。
図で陣形の「形」を説明しましたが、実際にはそれぞれの部隊の規模は違いますし、この様な綺麗な形に並べる地形ばかりではありません。
陣形の形をイメージしつつ、どういう趣旨でその陣形を組むのかを考えるようにすれば、陣形を使いこなすことができると思います。
それでは、また次回の講義でお会い致しましょう。
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