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三略講釈【中略-3】

皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。
早速講釈を進めていきましょう。

本文現代語訳

「軍勢には、『軍を出陣させて指揮を執るなら、将軍は自分で考えて決断しなければならない。軍が進むか退くかを君主が国内から決めようとすれば、その作戦は成功しないであろう』と書かれている。
 軍勢にはさらに、『部下を扱う時に、その部下が智恵のある者か勇気のある者か、貪欲な者なのか愚か者であるかを見分ける必要がある。智恵のある者は手柄を立てたいと思っているし、勇気がある者は自分の目標を達成しようとする。貪欲な者は利益があることを期待し、愚か者は死ぬ事を恐れずに行動する。そこで彼らの思っていることを考えて任務を与えるようにする。これが軍で部下を扱う時の微妙なさじ加減である』と書かれている」

解説

軍隊内での注意点の説明をしている節になります。
軍勢とは前に出てきた軍讖と同じく、とても古い時代の兵法書とされているものです。
一つ目の軍隊が出陣したらその指揮は将軍の判断のみで行い、国内から君主があれこれと指示を出してはいけないと言うのは、前に兵法講座で解説した孫子などの他の兵法書にもあった言葉です。
二つ目は、部下の特性と望むことを見極めて適した任務を与えなさいと言う話です。
力が強い者には前衛を任せ、足が早い者には偵察や伝令の任務を与えるなど、本人の特性を活かした任務を与えると軍隊はより効率的に機能します。
また本人が名誉を得たいのか利益を得たいのかを見極め、望む結果を得られるようにしてやれば本人のやる気も上がります。
この人を使う微妙なさじ加減を修得することが重要なのですが、人の考えや心は目に見えないものなので難しいところです。

今回の講釈は以上となります。
それではまた、次回お会い致しましょう。

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