君主の務め
皆さまこんばんは、弓削彼方です。
君主のやるべき事は多々ありますが、その中で一番の務めとは何かというお話です。
お時間がありましたら、動画の解説も併せてご覧下さい。
少し長いので、孫子から必要な部分だけを抜き取った訳文のみとなります。
現代語訳
「聡明な君主はよく考え、有利でなければ行動を起こさず、利益が無ければ軍を動かさず、危険が迫らなければ戦わない。君主は怒りにまかせて軍を興すべきではない。有利であれば行動を起こし、そうでなければやめるのである。そうすれば一度は怒りを覚えても、その怒りは解けて愉快になれるが、一度戦争をしてもし失敗したとなれば、亡んだ国は立て直せず、死んだ者も生き返ることはない。だから聡明な君主は、戦争については慎重になる。
これが国家を安泰にし、軍を保つための方法である」
最初に君主としての行動基準ですが、有利であるか?利益があるか?そう言うことを優先して考えていきます。
訳文にあるように、不利なのに怒りや感情に任せて事を起こしてはいけないと言うのが大事な部分です。
その中で一番重要なのが、戦争についてです。
相手が気に入らないからと言って戦争を起こすと、取り返しのつかない結果になります。
戦争に勝てば良いのですが、負ければ国が滅び次はありません。
仮に国が滅ぶのは避けられたにしても、戦って死んでいった多くの者達が生き返ることは無く、失ったモノの大きさに後悔することになるでしょう。
だからこそ感情ではなく、有利か不利か、利益が有るか無いか、こう言う客観的な視点で物事を見極めなければいけないのです。
結局君主の一番の務めは何かと言えば、感情では無く客観的な基準で物事を判断し、国を存続させることです。
その為に内政に関しては宰相に相談し、軍事に関しては将軍に任せ、そうやって家臣の能力を活用しつつ自分で判断を下せば、国は安泰となります。
ただひたすらに国の存続を望み、その為に判断することが君主の務めと言うことになります。
君主に関わる話はとても深いので、今回はこの辺にしておきましょう。
また別の機会に、君主に関するお話をしたいと思います。
それではまた、次回の講義でお会い致しましょう。
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