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三略講釈【中略-7】

皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。
今回の内容は少し長めですが、中略で一番重要なことが書かれている部分ですのでしっかり学びましょう。

本文現代語訳

「聖人は天の法則を体現して物事を進め、賢人は大地の法則を基にし、智恵のある者は歴史を手本とした。そこでこの三略が、世の中が衰えた今の時代を救うために、書き記されたのである。
 上略には礼節の大切さと、腹黒い者達を遠ざけて成敗することの必要性が述べられている。中略ではそれぞれの時代の徳について解説し、臨機応変な対応について述べられている。下略では道徳の必要性と、国家の興亡の原理についてと、人材を失うことの損失について述べられている。だからこそ、君主が上略の内容を深く理解すれば、優秀な人材を登用して、敵を打ち破ることが出来る。中略を深く理解すれば、将軍を上手く使い、兵士を統制することが出来る。下略を深く理解すれば、国が栄えては滅ぶ道理を知ることができ、国を治める方法を知ることが出来る。
 同じように、臣下である者が中略を深く理解すれば、立派な功績を立てて、その身を安全に保つことが出来る」

解説

最初の部分が三略が著された理由です。
今の世の中には聖人も賢人も居ないから、せめてもの参考として三略が著されたと書かれています。
次に上略・中略・下略それぞれの主題が上げられ、君主たるものが三略を余すことなく学べば、人の扱い方や敵を打ち破る方法や国を治める手法など全てに通ずることができ、大過なく国を治められると述べられています。
そして家臣であっても、中略を学べば功績を立てて平穏無事に過ごすことができると書かれています。
これは人徳や人の扱い方を理解することで自分の分と言うものを知り、それに見合った働きをするからです。
不相応の野心を持たず、自分の為すべきこと過不足なく行えば、妬まれもせず侮られもせずに過ごすことがでるのです。

今回の講釈はここまでとなります。
立場に関わらず物事の道理を学ぶということが重要だと理解出来れば、この節を学んだ意味があったと言えるでしょう。
それではまた、次回お会い致しましょう。

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