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三つの宝

皆さまこんばんは、弓削彼方です。
今回も内政に関するお話で、三つの宝についてです。
三つの宝とは何かを詳しく説明していきます。
ぜひ動画の方もご覧ください。


本文が長いので、今回は訳文のみとなります。

現代語訳
ある時、文王が太公望に尋ねた。
「三つの宝と言うのは何のことだろうか?」
太公望は説明した。
三つの宝とは、農業・工業・商業のことです。農民がその町に住みついていれば、穀物が不足することはありません。職人がその町に住みついていれば、道具や家財が不足することはありません。商人がその町に住みついていれば、金銭や品物が不足することはありません。そうなれば、国内で不足する物は無くなります
 この農業・工業・商業の人々が定住して、その仕事に励める環境が整っていれば、彼らは他国に行くことはなく、反乱を起こして治安を乱す事もありません。この三つの宝を大事にすることで、君主の一族も安泰となります

訳文だけでも十分に理解出来ると思いますが、少しだけ補足をします。
農業・工業・商業が上手く機能していれば、国民生活が安定するので重要だと言うのはすぐに理解できるでしょう。
実はこれらは軍事的にも重要であり、農業がしっかりしていれば兵糧が手に入り、工業がしっかりしていれば良い武具が手に入り、商業がしっかりしていれば十分な軍資金を用意できます。
ですので、内政をしっかりとやることで軍事的にも良いことがあるのです。

また軍事的に安定すれば、国民が築いた富を他国に奪われる事も無くなり、国民は安心して仕事に励むことができます。
国民が仕事に励み、その成果の報酬を十分に受けることができれば、国民が不満を抱いて君主に反乱を企てることはありません。
そうすれば、君主の一族もその身を全うできるのです。

三つの宝である農業・工業・商業に従事する人達が働きやすい環境を整えることが、三つの宝を大事にすると言うことであり内政の基本となるのです。
そして基本を押さえればそこから好循環が生まれ、国は富み、軍備は充実し、君主の立場も安泰となります。
だからこそ、内政と言うのは軍事よりも重要度が高いのです。

三つの宝の話によって、内政の大切さは理解出来たと思います。
次回も内政の根本に関わる重要な話になります。

以上、本日の解説はここまでとなります。
それではまた、次回の講義でお会い致しましょう。

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