見出し画像

代表的な兵法書は何?

皆さまこんばん、弓削彼方です。
今日の内容は「代表的な兵法書は何?」の解説です。
今回紹介する書物は基本であり、また奥義でもある有名な七冊の本です。
動画の解説の方が分かりやすいと思うので、併せてご覧ください。

この動画でも紹介した七冊の本は、「武経七書(ぶけいしちしょ)」と呼ばれています。
それぞれについて簡単に説明していきましょう。

■孫子
孫武が書き残した兵法書で、現代においても最高の兵法書と言われる一冊です。
孫子に全ての基本が詰まっており、また孫子を十分に理解すれば奥義を得ることが出来ます。
翻訳本や解説本も多くあるので初心者にもおすすめでき、兵法を学ぶならまずはこれ!と言える一冊です。

■呉子
呉起と言う人が残した兵法書で、こちらも戦いの原則や国の治め方を説いています。
この呉子は孫子に並ぶ名書とされ、中国の戦国時代には「家ごとに孫呉の書を蔵する」と言われるほど人気がありました。

■六韜
周の文王と武王を助けた、太公望が残した書をされています。
文字通り六編に分かれており、非常に事細かに軍の編成や戦い方について書かれています。
書かれている内容が多く、非常に分厚い書ですので読みごたえがあります。
また、武器や道具についての詳しい説明も書かれています。

■三略
こちらも太公望が残した書とされています。
三略は礼節や道徳が重視されており、それによって人心を得て国を治める術が書かれています。
当然、軍事に関する事も書かれていますが、どちらかと言えば内政についての記述が多いのが特徴です。

■司馬法
司馬とは「軍馬を司どる」と言う意味で、当時の軍の役職です。
この司馬に就いた穣苴(じょうしょ)と言う人が、過去に司馬の職に就いた人達の知識を整理し、自分の智恵を加えて今後の国の為にとまとめたものが司馬法です。
国の治め方、軍の制度の整え方、実際の戦い方などを幅広く押さえた一冊です。

■尉繚子
尉繚子が書き残したもので、他の兵法書に比べて法律関係に厳しい内容となっています。
これは軍法を制定し、それを厳格に適用して、法を破れば将軍でも死刑にし、手柄を立てれば雑兵でも褒美を与える。
これを心がけて軍内の規律を整えれば、自然と軍は強くなると言う考え方を中心にしているからです。
具体的な戦い方の説明も数多く書かれています。

■李衛公問対
君主である太宗と、その臣下の李靖が会話すると言う形で進む書です。
この本の特徴は、他の六書に比べて成立した時期が遅く、内容の所々に他の兵法書の話や歴史上の有名人の名前が出て来ることです。
例えば「孫子ではこう書かれているがどういう意味か?」と言う風に話が始まったり、「有名な諸葛亮はこう考えてそうやってました」と言う受け答えがあるのです。
ですので、まずは先に他の六書を読んでから李衛公問対を読むようにすると、より一層理解が深まります。


兵法を学ぶのに決まった順番はありません。
自分で読んでみたいと思ったものから読み進めていく方が、覚えも早いと思います。
どうしても読む順番が決まらない時に私がお勧めするならば、最初は孫子を読み、二冊目は三略を読むことをお勧めします。
孫子で兵法の基礎を学び、三略で礼節や道徳を学んで人心を得る術を身に付ける、その後に他の兵法書を読むと理解が早いと思います。


本日の解説は以上です。
また、来週お会い致しましょう。

次の記事


いいなと思ったら応援しよう!