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三略講釈【下略-7】

皆さまこんばんは、軍師の弓削彼方です。
三略の講釈を進めていきましょう。

本文現代語訳

「民衆が君主を疑うようになれば国内は不安定となり、民衆がその政治に戸惑うようになれば国内が混乱する。疑いが晴れて戸惑いが無くなれば、国内はまた安泰となる。
 もし一つでも誤った命令を出せば、すぐに百の命令が実行されなくなる。一つの悪事でも見逃せば、すぐに百の悪事が生まれる。そこで善良な民衆には恩賞を与えて、悪事を働く民衆には罰を与えれば、命令は実行されるようになり、君主を怨む者も居なくなる。
 怨まれている君主が、自分を怨んでいる民衆を治めようすることを、天に逆らうと言うのである。敵と思われている君主が、自分を敵だと思っている民衆を治めようとするなら、暴動の火種を残すだけである。民衆を治める時には公平であり、公平であるために清廉であれば、民衆は自分の仕事に励むことができ、天下は安寧となるのである」


解説

この節を前回の続きと考え、善人を大切にして悪人を罰する君主であれば民衆の信頼され、逆を行えば民衆が君主を疑うようになる。
もし民衆が君主を疑えば国内が乱れ、信頼されれば安泰となると読むと理解しやすいと思います。
そして誤った命令を出すことと悪事を見逃すことの害悪について述べられていますが、これは例えであり、君主が判断を間違えれば民衆の怨みを買い、判断が正しければ民衆に受け入れられるということです。
もし多くの判断を誤り民衆の怨みを買って敵と思われているならば、その民衆を治めることは叶いません。
それを避けるためには公平な判断を心掛け、自身が清廉潔白でなければなりません。
君主が清廉潔白であり、判断は公平で民衆が信頼を寄せているならば、民衆は憂い事がないので自分の仕事に励むことができ、民衆が自分の仕事に集中できて良い成果を出せば、それだけでその国は安寧を得ることができます。

今回の解説はここまでにしましょう。
それではまた、次回お会い致しましょう。

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