古本屋にて

20時過ぎの古本屋は照明に煌々と照らされ賑わっていた。古本屋と呼ぶには似つかわしくない程あらゆる中古品が揃い、所狭しと並んでいる。私は時間潰しに好きな作家の本を探すともなく探すが、最新の著書は見つけられなかった。ここではまだ売りに来た人がいないのか？それは喜ぶべきことなのかもしれない。私は付き合いで来たので、連れ合いが目的の書籍を選び会計を終えると店を出た。つい先ごろ酒を飲んだ小さな居酒屋を横目に家路についた。

玄関ドアのガラス窓には2匹の猫が帰宅を待ち構えているのが見える。外へ飛び出されては厄介なので、少し脅かしながら中へ入る。キャットタワーとソファーで各々リラックスしていると1匹の猫が突然吐いた。猫は日常的に嘔吐するものなので驚きはしないが、その中に輪ゴムが含まれていたのには衝撃が走った。この猫は子猫の頃からゴムが好きで、一度誤飲で手術まで受けた過去があるのだ。気をつけていたのにまたゴムを食べさせてしまった。吐き出したので胸を撫で下ろす。
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