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湯気 川柳村

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湯気の川柳村
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#湯気

夕闇に 小鈴鳴るよな 虫の声

夕方の散歩。蝉の声はいつのまにか聞かなくなったなと思うと同時に、澄んだ虫の音がする。 意外と高音なのだなとか思いつつ、耳を澄ます。あぁこれは、鈴の音だねとかまた思いつつ、すると、辺りも日が暮れて、すっかりその音の中に包まれて歩いている。 見上げた木の影と空の色の絵。

この夏の プール神話は 終わらない

この夏プールに行ってみたら、首肩の凝りが良くなっている。 夏にバテてきたここ数年だったけど、たまたまなのか、元気だ。 いつの間にやら、「プールに行ってれば大丈夫」という健康神話が己の中に出来上がる。プール後の心身ともにスカッとする感は否めない。 が、左の股関節が痛い。 原因は、平泳ぎしか思い当たらない。 神話もここまでかと思っていたら、泳ぎ方の指導が入り、難なく痛みはなくなった。 ということで、プールの神様、もうしばらくお世話になります。

にぎやかな 網戸のセミと いびきかな

夏の午後、やけにセミの鳴く声が大きいと思えば、 網戸の外にひっついて、鳴いたり止んだりしているのだ。 そこに隣室より、なにやらイビキも聞こえ出した。 ひと息つきながら、音の中に居ると、どちらの音も夏の空気と混ざっていく。

やりたいな こわいなぁでも やりたいな

やりたいことをできる機会に恵まれて、さっと行動に移せるならいいけれど、気持ちが強い分こじらせると言いますか、前に進むことに、もじもじしてしまう。 なんだかわからないけど、怖い。 失敗のイメージが「怖い」のか、実現する興奮感が「怖い」のか、変化の予感から本能的に「怖い」のか。まぁ、どれもあるのです。 ただ、肝心なのは、やりたいに挟まれていることです。

至福かな 湯にほぐされて 唸りでる

湯船に沈んだ時、全身が解きほぐされて、身体の根底から唸り声が出る。 あれは一体、何者の声なんだろう。 お風呂でしか聞けない、己の声もあるよね。

悩みごと 蒸籠に聞けば 蒸しパンのまる

台所でタイマーを眺め、蒸しあがるのを待っていると、ふと、どうしたものかと悩みごとが頭をもたげる。思考しているうちに、タイマーが鳴り、蒸籠をあけると湯気の中に蒸しパンが、丸く丸く膨らんでいる。完璧な丸。答えはここにあったのか。

ニュース見て 夜中に響く カレーせん

カレーせんとは、カレー味のスナックせんべい。かじるとバリッとした音がよく響く。 緊急事態宣言が解除されたニュースを見ながら、無性に食べたくなり、かじる。せんべいの音が室内に虚しく響いた。 虚しいなと思いつつ、今、せんべいをかじり、ここに生きているのかと安堵感もしみじみと湧いた。

湯あがりに アーモンドフィッシュ 大人だな

甘塩コーティングの小魚、カットアーモンドが小袋に入ったお菓子「アーモンドフィッシュ」。幼少期、親に許された数少ないおやつのひとつ。 最近久しぶりに見かけて購入。パッケージそのまま、懐かしの味。 で、今のが美味しく感じる。味覚の変化か、味の進化か。一気に3袋、袋から直食い。 もう、好きな時に、好きなだけ食べられる。

かの人の 心の隙間に アーモンド

アーモンドとはアーモンド型のボールから、ラグビーをさす。(自己解釈強め) 夫が長期の出張中、その心の隙間にラグビーがトライ。

日々つづる 過去の我をば うつくしく

10年日記というものを付けている。 ページを開くと、見開き2ページが一日の日付けで、それが10段に分かれていて、一冊に10年分の日記が書けるようになっている。 日記を書きながら、ちょうど一年前の自分が何していたのか覗く。 これをしたくて書いている。ほぼ忘れていることがつらつらと。 はじめは、偶発的な発見、例:同じ日に偶然同じ人にばったり、とかを楽しみにしていた。最近は、過去の状況と今日を省みて、少しの進歩を褒めてみたりする。 1年の変化はうっすらだ。しかし、2年、3年は結構、