神奈川県町村議会議長会「新議員研修会」
議員としての初めてのNOTE。
他のSNSツールには書かない(書ききれない量の)「公務活動のレポート」的に感じたこと、気づいたことを備忘録風に書いてみようと始めた。
まず初回は、5/8(水)の「新議員研修会」のレポート。
新議員研修会という研修
その名の通り2023年度の新人として当選した議員が対象の研修会。内容的には地方議会運営の基礎研修ということで、持ち物は当選後に支給された500ページ近くある「議員必携」。
当然すべてのページを1からというわけではなく要点を抜粋して、ということになることが予想されたので、あらかじめ1/3程度(150ページぐらいまで)は事前に読み込んでおいた。
また、参加者が神奈川県の町村に限る!ということで一体、何人の昨年度の新人がいて参加するのであろうか?ということが事前からシンプルに気になっていた。
公用車で移動
会場は横浜・関内にある神奈川自治会館。馴染みがないので早速、地図を調べると、これまで幾度となく訪れたことのある中華街や馬車道、山下公園の近くではないか、と懐古する。
今回、湯河原町から議員3人(貴田議員、早乙女議員、私)、引率として議会事務局の職員の方1人が参加することもあり、町の6人乗り公用車(以前は”議長車”とよばれていた←※訂正:失礼しました。現在も「議長車」との呼称でした)で行くことに。
道路渋滞も加味し、12:00に町役場集合→14:00に自治会館到着というプランで出発。
道中、議会での質疑や討議のあり方、公用車の必要性など活発な「意見交換」をする。
中でも有意義な交換となったのは(コロナ禍の議会で取り上げられた)「公用車の是非について」。実際に使用させていただき、あらゆる角度から電車移動と比較しながら本来の使用目的を再確認しつつ、現在の使用頻度・状況を伺い、私としての結論は公用車は必要。ただし現在の運用方法で。
この点の詳細については書ききれないので、町民の声や「公用車は不要」などの反対意見があれば是非聞きたい。そして意見交換をしたい。
そして移動自体は幸い渋滞もなく、1時間20分程度で(40分前に)現地へ到着。
研修会スタート
定刻までの余った時間はそれぞれ個人行動で時間を潰した(私はカフェで休憩)。
そして予定通り14:00に研修会が開会。机上には研修会レジュメとサマリー資料が用意されていた。
ところで気になっていた参加者は、寒川町1名、松田町5名、愛川町3名、真鶴町1名、湯河原町3名、合計13名(うち女性は真鶴町議員と早乙女議員の2名)。特に参加者紹介(自己紹介)もなく、研修会は淡々とスタート。
研修1:地方自治制度のあらましと現在の町村議会の実態
まずはじめに、地方自治がどのような形で継がれてきたのか?そして二元代表制(首長と議会議員)の定義など今日に至るまでの雑学を中心に学ぶ。
あわせて神奈川県の町村議会の実態を知る。
各自治体の議会の構成、政務活動費、基本条例、通年会期制、議会中継の状況などを数値比較。
その中で、現在は全国の多くの道府県が制定している「議会基本条例」。地方議会にとって最も重要なこの条例が2006年に北海道栗山町が全国初で制定され、その翌年に全国2番目で湯河原町が制定した。
誇らしく感じるとともにその重い任務・使命をも感じる。
研修2:議員の権限と義務
そしていよいよ具体的に議会をテーマとして講義へ。
まずは「議員の権限、義務について」。
主な権限として
・議会招集請求権
・開議請求権
・議案提出権
・動議提出権
・発言権
・表決権
・侮辱に対する処分要求権
・請願紹介権
など、そして主な義務としては
・会議に出席する義務
・規律を守る義務
・懲罰に服する義務
などの定義、内容などを学ぶ。
湯河原町以外の地方議会でもよく耳にする「懲罰」。イジメ?イジメではない?の声をよく耳にすることもあり、なぜ懲罰を科せられるのか?そして湯河原においては、議会基本条例をもとにどのような流れで懲罰が決まったのか?など町民への正しい情報伝達と理解促進の重要性を感じる。
研修3:議会の権限
次に「議会の権限」。憲法にて保障・整備された地方自治制度によって地方議会の機能が大きく拡充。特に二元代表制による「議員」と「長」の相互作用については改めて、地方議会を動かすための核となる機能だと痛感。
権限は
・議決権
・選挙権
・検査権
・監査の請求権
・意見書提出権
・調査権
・自立権
・同意権
・承認権
・請願、陳情を受理し、処理する権限
・報告、書類の受理権
・議員派遣
など12に大別。
それぞれの権限の内容がさらに細かく説明され、この項目が研修会一番時間をかけた印象。
わが湯河原町議会の事例などを、具体的に(勝手に)イメージしながら理解を深める。
そして研修会はここで休憩が入る。
すでに時間は1時間30分近くとなり残り30分程度で終わるのか?一抹の不安がわくも、中身が充実しているだけに研修時間延長は個人的に喜ばしいと感じる。
研修4:会議の諸原則と、本会議運営の基本と運用
休憩後、後半開始。
ここからは会議についての研修。
・定足数の原則
・過半数議決の原則
・一事不再議の原則
・会期不継続に原則
など、言葉からある程度読み取れる原則の定義・内容を細かく説明。
続いて実際の会議の運営に関わる、本会議運営の基本と運用についての研修。
・発言の自由と責任
・発言の制限
・発言の種類
・発言の取り消し又は訂正
など議員が持つ最大かつ重要な権限の「発言」について学ぶ。
ここの知識が不足や欠けてしまうと「議員としての活動ができていない=議員失格」と自身にプレッシャーをかけながら講師の言葉に集中し、耳を傾ける。
そしてすでに予定時間を過ぎたが、最後に
・除斥
・表決(採決)
について。
事前に議員必携を読み込んでいたこともあり、ここの部分はスムーズに理解した。
質疑応答〜閉会
定刻の閉会時間16:00を大きく過ぎてしまっていたが、質疑応答時間を設けていただく。せっかくなので今後の議会活動で一番重要なテーマになるであろう「予算審議」に関わる質問をした。
ちなみに私自身、研修や勉強会では常に質問をするよう心がけて参加している。学生時代はさほど感じていなかったが、最近では「疑問点を探す」ことが、自身の習得にとても役立っていることに気がついた。
よく巷で言われる「わからないことがわからない」だったり「わからないことが多過ぎてどこから聞いたらわからない」では「その時間は一体何だったのか?」というそもそもの参加意義を感じてしまうからだ。
「新しいことを学ぶ」の性質上、疑問もなくすべてスムーズに吸収できたらそれはそれで良いことなのかもしれない。が、そんな機会はそうそうないだろう。そんな前提で「疑問点を探す」ということをして「理解が深まる」ことを現在は信じている。
もっと時間があればよかった
結果30分以上オーバーして研修会だったが、とても満足できる内容であり、有意義な時間であったことは間違いない。
ゆえに、公務活動の一部、また公費負担をしていただいている立場で恐縮だが、もっと時間をかけての「一日研修会」でもよかったのかもしれない、と感じさせられた内容だった。
そして、とにかく充実感いっぱいで公用車に再び乗り、湯河原への帰路に着いた。