ハバナでiPhoneなくしちゃったの巻
最近は世界のどこでもスマホが使えるので
旅の利便性が大幅アップした。
Googleマップがあれば怖いもの無し。
去年アルバニアでインドカレーをググったらちゃんとでてきましたよ。
その代わり電池が切れたら昔以上に心細い。
キューバは首都ハバナでもほとんどWifiが使えない。でもケータイはみんなもってるので電波は飛んでるはず。
初めに泊まったHotel Nacional de Cubaは珍しくWifiがあり非常に快適。
次のホテルはWifiサービスなし。フロントで問い合わせると数ブロック離れた五つ星ホテルにいけと言う。
4日間はスマホなしの生活だ。
でも電話とカメラを使うから常に携帯。
7/20は米国利益代表部が大使館に格上げされる歴史的な日なので行ってみた。というかそれが旅の目的だ。
各国の報道陣も駆けつけてる。
大事な瞬間なのでスマホでなく、デジカメで写真を撮る。
香港のフェニックステレビ(凤凰卫视)がカメラを回し、利益代表部に並ぶ、米国行きを希望するキューバ人の列を取材してる。
これは面白いので動画で撮ろうと思い立ち、iPhoneを取り出す..
のつもりがポケットにない。????
バッグに入れたかな?
ないよ。ウソでしょ?
どこかで落としたか?
はたまた盗まれたか?
動揺しつつもアタマをめぐらすと可能性が高いのはタクシーの中。
ポケットから滑り落ちたんだろうと。
とはいっても領収書もないし、ドライバーに連絡取れないし、そもそも白タクだし。
やっちゃったよ。
善後策を考える。
保険は入ってる。
でも紛失届を出さないと。
落としただけだと保険おりるのか?
警察行くのはいいけど言葉は不安。
旅行代理店に電話したいけどケータイないし。
翌日帰国なんで今日片付けなければならない。
利益代表部にいて歴史の証人になりたかったし、午後はチャイナタウン見学かインド料理なんて思っていたのだが、最終フリー日は凡ミスの後始末になってしまう。
日本だったらまず「iPhoneを探す」なんてアプリを起動するだろうがそもそもネットが繋がらない。
無力。
で考えついたのは、白タクに乗ったところに戻って現場検証すること。
犯人はかならず現場に戻ってくる。
この場合、自分が落としたんですから、ドライバーは犯人ではないのだが。
流しのタクシーに飛び乗り、カバーニャ要塞を目指す。
「実はスマホで落としたんですよ」
とドライバーに伝える。
「何色の車に乗ったんだい?」
「黒かグレーかな。」
「ダメだよ、黄色に乗らなきゃね。黄色は政府系だから落し物したら全て見つかるよ。」
そりゃダメだよね、白タクなんだから。
でも警備員にタクシー呼んでくれってたのんだのにやってきたのが白タクだったのだ。
なんて心の中でなぐさめをいっても仕方がない。
で要塞の入り口に到着。
ガラーンとしてる。
でもタクシーを呼んでくれた警備員はいた。
彼に尋ねるもつれない返事。
知らないよ。
辺り見回す。
遠くの木陰に車を1台発見。
ピンと来た。
やつに違いない。
やつと呼んだがもちろん悪いのはこちらのほうだ。
そっと近づき車内を見ると
ドライバーがオレのiPhoneのカバーを外し、一心不乱にパスコードと格闘してる。
コンコン。
ウィンドーをたたく。
彼は手を止めてこちらを見る。
iPhoneを指差しジェスチャー
「それオレの。返して。」
チップ5CUCあげました。約5ドル。
でも何やら怒ってる。
どうやら金額が少なすぎだと不満を言ってたみたい。
だってこれオレのだから。
そもそも届けてくれたわけじゃないでしょ。
オレが探し出したのだ。
彼ももしかしたら大きな妄想をしたかもしれない。拾ったiPhoneを転売して大儲け。何せ月給20ドルの国だ。そう考えると申し訳なく思えてきた。
でもよかった。こころの溝が埋められた。
半日無駄にしたけどね。
スマホが通じない世界でなぜだかスマホに振り回された。スマホなしでは無力な現代人のドタバタ劇だ。
以上