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ブリッジ・オブ・スパイはカストロも口説いちゃったんだ

映画「ブリッジ・オブ・スパイ」鑑賞。


トム・ハンクス演じる弁護士ジェームス・ドノバンが米ソ間の人質交換交渉において活躍するお話です。彼は組織に属するものの、優先するのは正義であり、組織の利益ではない。それに引き換えCIAやらKGBやら東ドイツの面々は組織の建前だったり、打算だったりするわけです。弁護するのがたとえ敵国のスパイであったとしても、フェアに、そして建国の理念に基づいた法律に基づいて行動するのです。活躍の様子は映画をご覧になっていただくとして、私が気になったのはエンドでさらりとふれられたのはその後のジャームス・ドノバン。

彼はキューバ ピッグス湾事件において彼は人質解放交渉にあたり。見事1000人以上の解放をしたのです。この事件やそれに続くキューバ危機はよく映画のエピソードにでてきます。小さなキューバを舞台に歴史が大転換しそうになったこの事件は帝国アメリカのしこりになっているんですよね。

ケネディ就任直後のCIAの大チョンボのピッグス湾事件は在米キューバ人を指嗾してキューバに攻め入ったのです。それは見事に大失敗してカストロに迎え撃たれて1200人が捕虜になっちゃった。その解決にあたったのがドノバンだったと。

怒り狂ってたであろう若き日のカストロを口説いたのは、映画のように相手を尊敬しつつも、正義にもとづき粘り強く成果をもとめる誠実な人間力なんでしょうね。

そして果実を勝ち取った。

Wikipediaによるとカストロと同意したのは


an agreement to exchange 1,113 prisoners for US $53 million in food and medicines, sourced from private donations and from companies

捕虜1,113人と53億ドルの食料と薬品の交換、この金額は個人と企業の寄付でまかなった

彼が薬との交換を思いついたのは、自分がキューバで使った薬が全然効かなかったからだとのエピソードも載ってます。

その後もキューバを何度か訪れ、カストロと拘留された人々の解放に向けて話し合うのですが、彼の人柄を表しているのは、一度は自分の息子も帯同していったと。暖かい雰囲気作りのために。

一方最悪なのはCIA。カストロにプレゼントを贈るべくドノバンに託します。

the CIA provided Donovan with a diving suit to give to Castro as a gift. After Donovan's death, it came out that some in the CIA had tried to poison it.

CIAはドノバンにカストロへの贈り物としてダイビングスーツを贈るべくドノバンに渡した。ドノバンの死後、CIAの誰かがスーツに毒を仕込んでいたことが発覚した。

幸いそのスーツは贈らず、ドノバンがニューヨークで買ったのを持ってったそうです。

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いつの世も憎悪から成果はえられない。

以上

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