見出し画像

IELTS Writing Task2 段落内の構成を徹底解説

0. はじめに

IELTS Writing Task2 のスコアが5.0~6.0で停滞している方でよくあるのが、「なんとなく頭に浮かんだことを文章化してしまう」ということです。つまり、一文一文に目的意識を持たずに段落を執筆してしまっているのです。しかし、これではIELTS Writing Task2で7.0以上を狙うことは難しいです。ハイスコアを狙うには、段落内の各文に明確な役割を持たせることが必要になってきます。そこで今回は、ハイスコアを目指す上で必ず押さえておきたい、段落内構成のうち最も基本的な型を解説していきます。

✅ 結論から言うと、 「トピックセンテンス(主張)→サポートセンテンス(補足説明)→具体例→再主張」 という順番で段落を展開していくと可読性の高い文章となります。

わかりやすく解説するために、以下の質問文を例に解説していきます。

Some schools have restricted the use of mobile phones. Is this a positive development or a negative one?

そして、この質問に対する段落として以下の模範解答を作成しました。

Restricting phone use in the classroom is a positive development because it helps students stay focused on their studies. Being separated from their phones eliminates distractions caused by notifications, significantly reducing interruptions while studying. For example, when I was a high school student, bringing phones to school was prohibited. As a result, I was able to focus better on my studies. Overall, limiting phone usage in educational settings enhances concentration and fosters a more productive learning environment.

ここからは、模範解答ががなぜこの構成になっているのか、1文1文解説していきますね!


1. トピックセンテンス(主張)

1文目はトピックセンテンスと呼ばれるもので、主張のようなものです。

トピックセンテンスには、


  • 質問文のどの部分に解答しようとしているか

  • 段落内でどのようなアイデアを用いようとしているか

の2要素を含めた上で、1文に収めます。

1-1. 質問文のどのような部分に解答しようとしているか

例えば、「教室内で携帯電話の使用の禁止は, positiveなdevelopmentだ」と主張する段落を作成するとします。

まず質問文に対して、「教室内での携帯電話の使用の禁止はpositive developmentである」という立場で解答しようとしていることを示すために, 「X is a positive development」という記述を作成します。


Restricting phone use in classrooms is a positive development

などとしてみましょう。 このように、質問文のどの部分にどのような立場で回答していこうとしているのかをトピックセンテンスに組み込むことで、何について話す段落なのかが明確になります。

1-2. 段落内でどのようなアイデアを用いようとしているか

段落の方向性を定めたら次は段落で用いるアイデアを示します。細かい内容はサポートセンテンスや具体例に入れていくので、できるだけ議論の中心となるキーワードを簡潔に盛り込むようにしましょう。

例えば、

Restricting phone use in classroom is a positive development because it helps students stay focused on their studies.

などとすることができます。このトピックセンテンスでは、stay focused on their studiesというフレーズを使うことによって、この段落では「生徒の集中」を中心アイデアに使っていくことがわかりますね。

2. サポートセンテンス

サポートセンテンスは字を読んでごとくの通り、主張であるトピックセンテンスをサポートする文のことを指します。トピックセンテンスの詳細説明をしていくイメージです。トピックセンテンスは1文に収めることが原則ですが、サポートセンテンスは必ずしも1文に収める必要はありません。2文になることもしばしばあります。

2-1. トピックセンテンスの詳細説明をする

ここで考えておきたいのが、「トピックセンテンスの詳細説明をする」とは具体的にどのような操作を指すのかということです。答えを言うと、「なぜ」「どのように」「つまりどういうことか?」を説明するようにすると良いでしょう。

既出のトピックセンテンス”Restricting phone use in classroom is a positive development because it helps students stay focused on their studies. “ に対応するサポートセンテンスを考えてみましょう。ここでは、「教室での携帯電話の使用を禁止をすることで、生徒が学習に集中できるのはなぜか?どのように集中できるようになるのか?」ということを説明していくとよさそうです。

例えば、

「携帯電話から隔離されていると、通知に意識を取られることがなくなり、学習中に邪魔が入ることが減る」

とすることができます。携帯電話を所持⇨通知が気になって仕方がない⇨ 学習の邪魔になる⇨学習に集中できないという因果関係を説明することができていますね。これを英語にしてみると、以下のようになります。

Being separated from their phone eliminates the distractions caused by notifications, significantly reducing interruptions while studying.

このようにトピックセンテンスとサポートセンテンスは「なぜ」「どのように」「つまりどういうことか」という論理関係で強く結ばれた状態にすると良いでしょう。

2-2. 語彙レベルでトピックセンテンスとサポートセンテンスをつなぐ

この2つのセンテンスは、語彙レベルでも共通点を持たせることができると、2文の繋がりが滑らかになります。これは、採点項目の1つであるCoherence and Cohesionのスコアをアップする上で重要です。

トピックセンテンス:①Restricting phone use in classroom is a positive development because it helps students ②stay focused on their studies.

サポートセンテンス:①Being separated from their phone eliminates the distractions caused by notifications, significantly ②reducing interruptions while studying.

たとえば、トピックセンテンスでrestricting phone use in classroom(教室での携帯電話の制限)というフレーズを使ったので、それに呼応させて、サポートセンテンスでも、Being separated from their phone (携帯電話から隔離されること)とフレーズを組み込んでいます。同様に、トピックセンテンスのstay focused on their studiesというフレーズは、サポートセンテンスのreducing interruptions while studyingというフレーズに対応しています。

3. 具体例

トピックセンテンスとサポートセンテンスを書いた後は、具体例を用いて、主張を補強していきます。具体例を入れず、トピックセンテンスやサポートセンテンスのみから構成される抽象的なエッセイを書かれる方がたまにいっらっしゃいますが、これはNGです。IELTS Writing Task2の指示文には必ず、”include any relevant examples from your own knowledge or experience(自分自身の知識や経験から関連する具体例を含めよ)”とあるからです。指示文に反して、具体例を盛り込まないと、大きく減点されてしまう恐れがあります。

具体例を書くときのポイントは「トピックセンテンスとサポートセンテンスの要素を反映させる」ということです。

3-1. トピックセンテンスとサポートセンテンスの要素を反映させる

トピックセンテンスとサポートセンテンスで用いたフレーズを箇条書きにした上で、それらを具体化していくイメージを持ちましょう。

携帯電話の例では、トピックセンテンスやサポートセンテンスで用いた要素としては、

  • 携帯電話の使用を禁止する

  • 通知に意識を持っていかれることがなくなる

  • (結果として)学習に集中できる

の3点でした。これらをそれぞれ具体化していくのです。

・携帯電話の使用を禁止する
「高校生の時、朝のホームルームで携帯電話を回収されるようになった」

・通知に意識を持っていかれることがなくなる
「クラス全員が授業中に携帯を見なくなった」

・(結果として)学習に集中できる
「授業内の発言が増えたり、授業内課題を終わらせるのが早くなったりした。」

これを英語にすると以下のようになります。

For example, when I was in high school, our phones were collected during the morning homeroom. As a result, no one in the class was distracted by their phones during lessons, leading to increased participation and quicker completion of in-class assignments.

3-2. 【注意点1】 For exampleを取って付けただけの具体例にしない

具体例を書き慣れていない方にありがちなミスとしては、文頭にFor exampleを付けただけの「なんちゃって具体例」というものがあります。つまり、具体例のつもりで書いた部分の抽象度が高いままで、For exampleをとってしまえば、トピックセンテンスとサポートセンテンスとして機能してしまうということです。

実際の例を見てみましょう。

Restricting phone use in classroom is a positive development because it helps students stay focused on their studies. Being separated from their phone eliminates the distractions caused by notifications, significantly reducing interruptions while studying. For example, when I was a high school student, bringing phones to school was prohibited. As a result, I was able to focus better on my studies.

具体例の部分に注目してみてください。For exampleを消し、かつIやmyを一般論のstudentsなどに変えると、トピックセンテンスやサポートセンテンスとほぼ変わらない内容、ほぼ変わらない抽象度になってしまっていることがわかります。これが「なんちゃって具体例」です。先ほども書きましたが、トピックセンテンスとサポートセンテンスの要素を書き出した上で、さらにそれを具体化するという作業が必要です。

3-2. 余分な要素を入れない

具体例を執筆するときに気をつけたいもう一つのポイントは、具体例に必要以上の要素を入れないということです。先ほど、トピックセンテンスとサポートセンテンスの要素を具体化して盛り込んでくださいとお伝えしましたが、極力これ以外を入れないようにしましょう。

携帯電話の例で言うと、余分な要素を入れてしまった具体例は次のような形です。

例えば、私が高校生の時、朝のホームルームで携帯電話を回収されるようになった。文句を言う人もいたのだが、それにより、クラス全員が授業中に携帯を見なくなった。結果として、授業内の発言が増えたり、授業内課題を終わらせるのが早くなったりした。先生は満足げだった。

太線の箇所が余分な要素

太線の箇所が余分な箇所で、それ以外の部分はトピックセンテンスやサポートセンテンスの要素を具体化した箇所です。余分な要素を入れてしまうと、文章の流れが悪くなったり、具体例で補強したい主張が何なのかが分かりにくくなったりします。

特に自分の経験を具体例として用いる際は、このミスを犯しがちです。自分の経験で語れることが多くあるからこそ、ムダなものまで入れてしまうんですよね。

4. 再主張

段落の最終文では、トピックセンテンス(主張)の内容を再度記述します。トピックセンテンスと同じ内容を書くからこそ、表現が同じになってしまわないように、パラフレーズをかけていくことが重要です。

例えば、携帯電話の例では次のように再主張を行うことができます。

Restricting phone use in the classroom is a positive development because it helps students stay focused on their studies. Being separated from their phones eliminates distractions caused by notifications, significantly reducing interruptions while studying. For example, when I was a high school student, bringing phones to school was prohibited. As a result, I was able to focus better on my studies. Overall, limiting phone usage in educational settings enhances concentration and fosters a more productive learning environment.

トピックセンテンスと再主張を比較していただいたらわかると思いますが、表現の重複がありません。”Restricting phone use in the classroom”は、”limiting phone usage in educational settings”に言い換えられ、”helps students stay focused on their studies”は”enhances concentration and fosters a more productive learning environment”に言い換えられています。

※ 再主張は必ず書かなければならないわけではありません。トピックセンテンス/サポートセンテンス/具体例が長くなってしまった場合は、省略しても大丈夫です。

最後に

公式LINEにて、IELTSの無料学習相談を受け付けております。
スコアアップに悩んでいらっしゃる方、学習の方向性が定まらない方におすすめです。
以下のリンクから追加をお願いいたします👇

いいなと思ったら応援しよう!