オンラインイベントの”次の”可能性を検証してみる - SIXのオンライン開催について
新型肺炎の影響で、国内、そして国外でも著名イベントや大型カンファレンスがどんどんキャンセルやバーチャル化を遂げています。
先日アップされたPitchBookの記事、YC’s demo day and SXSW make plans to go online, testing the value of a handshake by James Thorne (original article: https://pitchbook.com/news/articles/coronavirus-spurs-yc-demo-day-to-go-online-testing-value-of-a-handshake )ではY Combinator Demo dayのバーチャル化とSXSWの中止アナウンスによってテック業界がざわついていると同時に、どうハンドシェイク、いわゆる実際にオフラインで会って得られるバリュー、をオンラインで提供していけるのか、ということが課題になっていると語っています。
日本国内でも様々なイベントがオンラインでの開催、配信に変わってきています。海外ではよく見られるWebinarなどもメインストリームとしてこれから国内でもより行われるのではないかと期待されています。更に新たなニーズに見合って開発されたサービスやプロダクトもスタートアップ界隈でもちらほら見られるようになり、スタートアップ界隈ならではの臨機応変な対応も方々でみられ、ワクワクする面も確かにあります。
一方、「Ultimate Innovation Platform」としてアクセラレーションプログラムのコンテンツやコミュニティイベントなどを通して様々な人の繋がりを生み出し、協業やコラボレーションへ進めるということを一つの強みとして日々どんなバリューを提供しようか考えているPlug and Play Japanにとっては、繋がりを作るオフラインのイベントが実施できないという大変難しい時期でもあります。
Plug and Play Japanで毎月開催しているマンスリーのピッチイベント、SIX powered by Plug and Play Japanの2月イベントや、Plug and Play JapanアクセラレータープログラムDemo dayであるEXPOも、昨今の状況を鑑み中止または延期をせざるをえない結果になってしまいました。
SIXは今年1月に新たに始めたばかりのイベント(1月のイベントレポート)でもあり、3月はどうやって”開催”できるかを考えていました。そんな時、EXPOでの利用について話を進めていたEventHubのリリースを見て、3月のSIXはEventHubとのコラボレーションで、完全オンライン配信/バーチャルネットワーキングという形式で、新たなピッチイベントの形をどう作れるのか、挑戦することにしました。
Y CombinatorのDemo dayもファウンダーのピッチを事前レコーディング、オンラインにて投資家への提供、バーチャルでのマッチングからオフラインミーティングのアポ取りという形式で、普段のオフラインイベントで得られるようなバリューをそのままオンラインでも届けられるように作られているようです。
3月SIXを開催するにあたって、Plug and Playも、どういつものオフラインイベントで提供できているバリューをそのままオンラインで届けられるか、またオンラインだからこそ提供できるバリューは何か考えました。
オフラインイベントのバリュー
・横に座っていた人と何気ない会話をして、名刺交換に繋がるとき:つまりJames氏の記事で語られているセレンディピティ
・オンラインアプローチでは得られない登壇者との直接の出会い
・その場にいなくては得られないオフレココンテンツ
・オンラインのみではタッチポイントがない層との出会い
・その場でしか感じられないようなイベントならではの緊張感や、コミュニティの雰囲気などイベントエクスペリアンス
オンラインイベントのバリュー
・オフラインイベントに行くための移動時間などが無い
・来場者の属性を知ってアプローチすることが可能なので効率が良い
・関心のある部分だけ参加・視聴可能
・対面のコミュニケーションが苦手な人も気軽にジョイン可能
・遠方にいる人にも登壇・参加してもらえる可能性が高まる
オフラインイベントのバリューは確かに大きく、対面だからこそ築ける人間関係やコミュニティの構成などは必要不可欠だったりします。オフラインバリュー全てをバーチャルでも提供することは難しいのですが、類似または新たなバリューを提供しながら、オンライン配信・バーチャルマッチングだからこそ届けられる点もあるかと感じています。
テクノロジーの発達と共に、たくさんのプロセスがバーチャル化、効率化されていく時代に、このように状況の悪化に応じてオンライン化を強要されている時こそプラスの面に注目するのも良いかと感じました。
SIXはこのオンラインが提供できるプラスの面に注目して、開催の準備を進めています。
今回、採用しているサービスは、普段、大型カンファレンスや採用イベントなどオフラインイベントでのオンラインのマッチングサービスを提供しているEventHubさんが、今回のコロナウィルスの影響を鑑みて提供を始めたサービスです。
・EventHub上でのオンライン配信
・EventHub上でのオンラインネットワーキング
EventHubとのコラボレーションによりSIXでは、来場者が登壇スタートアップ6社のピッチや、Executive Observer (VCやエンジェル投資家)の皆様の質疑をリアルタイムで観ながら、来場者のプロファイルなどを把握してチャットすることが可能となります。
イベントページ・イメージ図 (Photo credit: EventHub)
実際に登壇するスタートアップの方々もオンライン上で来場者と繋がることができることから、もともとこのイベントの目的としていた、スタートアップがもっと前に出て、登壇機会・ネットワーキングの機会に繋げること、も達成できると思っています。
500 Startups Demo dayのオンライン化やSaaStr (カリフォルニアで毎年行われるSaaSのカンファレンス)も9月までの延期されるというようなこともありテック業界は打撃をうけているのは事実で、たくさん暗いニュースは出ています。しかし、だからこそこの状況ならではのプラス面に注目して、できることをできるやり方でやっていく、挑戦していくのが私たちが今取るべき選択だと思っています。
毎年楽しみにしていたSXSWなどの大型カンファレンス中止にショックを受けている方もいらっしゃるかと思いますが、この状況のブライトサイドに注目したPlug and PlayのピッチイベントSIXもぜひ出会いの場、学びの場としてご活用ください。
Every cloud has a silver lining.
つまり、悪いことの反面には良いことがある。どんな状況でもプラス面を見極めて、挑戦し続けたいです。
そして今月27日は、オンラインでお会いしましょう!
イベント詳細:
SIX powered by Plug and Play Japan MARCH Edition.
Date: 3/27 (Fri)
Time: 9:00 am ~ 10:30 am
Location: 完全オンライン via EventHub
March Topic: PASSIONTECH パッションテック
#fuelyourdreams #followyourpassion #夢応援 #頑張る人応援 #yourpassion
登壇スタートアップ: 6社6分ずつのピッチ
・Crono クロノ https://crono.network/
・株式会社TRiCERA(トライセラ) https://tricera.co.jp/
・株式会社リブルー https://nobodysurf.com/
・株式会社フィナンシェ https://financie.jp/
・Dreamstock, Inc. https://dreamstock.co.jp/en/
・A10Lab みんチャレ https://a10lab.com/
質疑応答を担当するExecutive Observerのみなさま:
エンジェル投資家 ReBoost/代表取締役社長 河合 聡一郎氏
東証1部の印刷機械メーカー、リクルートグループを経て、株式会社ビズリーチの立ち上げに携わる。 その後、Salesforce.com等での勤務を経て、ラクスル株式会社に創業メンバーとして参画。 人事マネージャーとして、採用/人事組織領域において幅広く担当。同時に数社のスタートアップの創業、出資を含めた社外人事も兼務。 2017年、株式会社ReBoostを創業し代表取締役に就任。 スタートアップや上場企業を始め、人事組織や採用の支援、会社/個人での、出資を通じたハンズオン支援も行う。
https://angl.jp/SouichirouKawai
Globis Capital Partners ディレクター 渡邊 佑規氏 三井住友銀行にて上場企業を含む中堅企業への融資および金融商品販売業務に従事した後、大和SMBCキャピタル(現・大和企業投資)およびSMBCベンチャーキャピタルに出向し、一貫してベンチャー投資に携わる。その後、SMBC日興証券の投資銀行部を経て、2015年7月にグロービス・キャピタル・パートナーズ入社、現在に至る。
一橋大学大学院国際企業戦略研究科修了(MBA)。