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喜多郎
喜多郎は高校時代を父親の仕事の都合でアメリカで過ごしていました。卒業が日本と半年ずれていたので、シオン先輩とは1学年下の、私と同じ学年で入学してきました。
喜多郎とシオン先輩は家も凄く近所の幼馴染でした。それぞれの良いとこ悪いとこを、小さい頃からよく知っている感じで、仲が良いのか悪いのか、見ていて面白い関係でした。
喜多郎は、かつてかなりヤンチャでした。
「中学の頃ほとんどのやつをぶん殴っていたけど、あいつ(シオン先輩)だけは殴れなかった」
とのこと。ほとんどのやつを、というのは話を盛っていたと思われますが。
喜多郎の昔話を聞いていると、バレーボールをやっていた時1番怖かった、いわゆる"不良"していた女の先輩を思い出しました。
1番不良なんだけど、帰りに私が1人で帰ろうとすると、「ゆえかんちゃん、一緒に帰ろ〜!!」と言って先輩達の中に私を入れて帰ってくれるという、とても優しいところがありました。
喜多郎は高校の時、親の都合で無理矢理アメリカに行かされました。学校も普通のアメリカの学校に入れられて、いきなり全ての授業を英語で受けなければいけなくなったそう。ひえ〜💦この時期はむちゃくちゃ勉強したそうです。
喜多郎はシオン先輩と違い、何だか私と似てるなあ、というズッコケぶりのある人でした。私と同じようにズッコケてるのに、私と違いそれをまーーーったく気にしていない「オレ様」でした。
何だこの宇宙人は、、、。
人に怒られるのを恐れていた私。でも彼は、完全に「人の常識」なんて関係ない宇宙人でした。
服装もヘンテコ。髪は金髪で、妹のお下がりの真っ赤なダッフルコートを着てきたりする。
待ち合わせで私が遅刻して、「うわ!これでもう喜多郎に嫌われる」と怯えていると、私以上に喜多郎の方が遅刻してくる、という感じ。
喜多郎に対してだけは、私の方が喜多郎に、「おい!🫱」とツッコミを入れたくなる状態でした。喜多郎といると、何だか対等で、安心していられる気がしました。
シオン先輩にいつも、「お前ら似てるなあ😄」と言われていました。
喜多郎に対しては、映画「フォーエバーフレンズ」のような感じがしていました。男なんだけど、「親友」という感じでした。
宇宙人から、だんだん「自分と同じ宇宙の人」と感じるようになりました。