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離婚協議の始まりと終わり
私は次女を説得し、数ヶ月後、次女の小学校卒業を機に実家のそばに引っ越しました。この時期は次女も大変だったと思います。中学に入学しても周りは知らない子ばかり。入学して数ヶ月後、通学途中で次女が動けなくなり、実家にいる姉が迎えに行ってくれた事もありました。東京に住んでいた時とは逆に、今度は次女の方をかまってやる事が出来なくなりました。
引っ越すまでにその姉が、実家のそばで私達が暮らす物件を既に探してくれていました。次女の勉強や、学校での人間関係の事など、その姉や母が力を貸してくれました。なので私は長女の治療と、自分の就職活動、夫との離婚協議に専念できました。
私は初め、夫と財産分与について話し合うという事を考えていませんでした。
死にかけている長女を早く助けたい、その為には夫婦仲良くいる事が必須に思えました。しかも長女は"夫の感覚"に苦しんでいる。夫は「引っ越し代位は出してやる」と言います。つまり、それ以外出す気はないという事。私が少しでも夫に責任を求めたらこの人は壊れる、、。ずっとそんな緊張感の中で暮らしてきました。離婚協議なんて夫が耐えられるはずがありませんでした。
途中、やはり離婚だけは子供らの為にしたくない、やり直せないか、と、夫を説得したりもしましたが、夫はどうしても離婚だとききませんでした。
"夫を追い詰めたら苦しむのは長女だ。夫が望むまま、喧嘩をせずに仲良く別れよう"
そんなシナリオしか頭にありませんでした。
実家の母から、「それではこれから子供を守っていけない。しっかり今後の養育費などもらうべきだ」と言われ、初めて、「あ、、、そうか、、」と思いました。
夫のお兄さんにも、電話で「闘うのはゆえかんちゃんだよ」と喝を入れられました。それは私にとって、有難い言葉でした。子供達の為に、自分の弟と闘えと、お兄さんは言って下さっている。もしかしたら勘違いだったかもしれませんが、私はそう受け止めました。
長女は実家に移った事で少しだけ状態が良くなっていました。私は夫と財産分与や養育費について、しっかり決める決意をしました。
離婚協議、、そんな面倒な事を、夫がまともにしてくれる気がしない、、。何からどうして良いかさっぱり分かりませんでした。
とりあえず弁護士さんに相談、、?信用できる弁護士さんがいいけど知り合いもいません。夫の母からは「うちには優秀な弁護士が知り合いにいますから💢」と宣戦布告されていました。巨大な敵と闘うことになりそうでしたが、こちらにはお金もありません。
母から、公認会計士になったシオン先輩に、弁護士の知り合いがいないか聞いてみるよう言われました。夫の幼馴染のシオン先輩に、「夫と離婚協議するのですが、知り合いに弁護士さんはいませんか?」なんて聞けるわけがない!!私はそれは出来ないと言いましたが、「そんな事を言っている場合か!!」と母に叱られ恥を忍んでシオン先輩と結婚した私の友達に連絡を入れました。その友達からは、「弁護士の知り合いはいないけど、長女ちゃんをみてくれるお医者さんなら紹介できるって」という返事をもらいました。ありがたかった〜。でもこれ以上大好きな2人まで巻き込みたくないので、それ以上は何もお願いしませんでした。ほんとに夫と破綻したタイミングでシオン先輩を頼るなんて、、、。とても恥ずかしく情けなかったです。
そうこうしているうちに、実家の姉が女性センターに連絡し、無料で数回相談にのってくれる弁護士さんを見つけてくれました。とても良く相談にのって下さり、沢山の事を丁寧に教えていただき、とても助かりました。
こうして始まった離婚協議。2つ前の記事に書いたように、マンションの買い手さんを待たせていながら何も返事をしてこない夫にしばらくヤキモキしていましたが、ようやく夫の方の弁護士さんが私と会って下さる事になりました。それからはその弁護士さんが私の話もよく聞いて下さり、私の方の要求を夫が7〜8割はのんでくれる事になり、その返事で私はOKを出しました。子供らとは正直、2度と会ってほしくはありませんでしたが、子供らは夫の事を気にかけていました。なので会って良いとしました。(離婚後は夫から子供らに会おうとはしませんでしたが、子供らの方から夫に連絡し、1年に1度位は会っています)
その後、公正証書を作りに行きました。離婚協議の全てが終わり、私は協力してくれた姉に電話で泣きながらお礼を言いました。気がつくと体重が8キロ減っていました。離婚がエネルギーを使うって本当だとびっくりしました。
マンションの売却手続きも私が行いました。売却手続きの時、業者さん、買い手さんに直接会うことになり、深々と頭を下げ、お詫びしました。この買い手さんがとても優しい方で、ニコニコと笑顔で許して下さいました。帰りも一緒に電車で楽しく話しながら帰りました。買い手の方が良い方で、本当に救われました。この方は数年後、さらに私の心を救って下さる事になります。