【華茶だよりvol.21】酷暑の杭州、龍井茶を守る取り組み
みなさんこんにちは、ゆえじ ちゃんこです。中国茶&台湾茶マガジン【華茶だより】2022年7月25日号をお届けします。
今回は、酷暑の杭州で龍井茶を守る取り組みについてご紹介します。
7月は中国各地で猛暑日が続く
7月中旬、中国は各地で気温が上昇し、40度を超えるエリアも多数出ているみたいです。
上海でも7月13日の午後には40.9度を記録。これは1873年に始まった観測記録の中で最高気温だということです。
河北省や雲南省の観測ポイントでは44度を超えたところも確認されています。
高温が続くと茶葉の変色など悪影響が
龍井茶をはじめとした緑茶の産地である浙江省杭州市もその例外ではありません。7月に入ってから連日38〜40℃の猛暑日が続いているようです。
一部の茶樹の葉には変色、焦げなどの現象が発生しています。
「茶樹の生育に最適な温度は10~25℃。高温や乾燥、強い日差しが8~10日間ほど継続すると、茶樹の葉に日焼けがみられ、茶樹の生育や成長が弱くなります。それは翌年の茶葉の収量や品質に影響するので夏の時期の茶樹の管理もとても重要なのです。」
茶樹を守るための対策
そこで杭州の各茶畑では強い日差しから茶樹を守るために黒い日除けネットを覆う作業が行われています。
茶樹に直接ネットをかけるのではなく、50〜60cmほど間隔をあけて覆うことで適温を保つ効果が高まるようです。
日除けネット以外にも茶樹の灌漑や水まきなどやるべきことはたくさん。
茶樹も守るのに効果的な対策とはいえ、猛暑の中の作業は茶農家にとっても熱中症の危険性もあり、過酷を極めます。
「日中は暑すぎて、夕方8時まで待って、涼しくなってから水やりに行くこともあります。最初の2日間は、早朝までかかっています。」
こうした努力の甲斐もあり、暑さによる茶樹の被害は今のところ一部に抑えることができており、茶樹の生育に大きな影響ははない見込みとのことです。
ゆえじの雑感
日本の暑さも年々厳しくなっている感覚がありますが、それは中国も例外ではなさそうです。
私たち消費者にとっては緑茶といえば年日一度の春の新茶を楽しみに、そして飲み終わったらまた次のシーズンを待つだけですが、茶農家さんにとっては春茶のために一年を通じて茶樹を大切に守る仕事を続けてくれているんですよね。
日除けネットにしろ水まきにしろ、この暑い時期の外での作業の大変さは容易に想像できます。
こうした努力を経て大切に育てられた茶葉、背景を知ることでそのありがたみをよりいっそう深く感じることができますよね。
次回は2022年8月8日(月)配信予定です。
今後ともよろしくお願いいたします。
ゆえじ ちゃんこ
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発信者プロフィール
ゆえじ ちゃんこ | 中国茶ナビゲーター
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