【NBA】【前編】GSWの今オフの動きのまとめと評価📝
こんにちは、ユエです🌝
前回のドラフト記事、想像以上に読んでいただけたようで嬉しい限りです。
いつも本当にありがとうございます✨
さて、サマーリーグも終わり、FAも粗方決まってしまったので、いよいよ本格的なオフシーズンへと突入した今日この頃。
そろそろGSWの動きを一旦まとめてみようと思います。
この記事ではオフの動きとその評価のみを扱いますので、昨季ロスターとの全体的な比較やRSの順位・優勝予想についてはまた別の記事で取り上げたいと思います。
というのも、まだリーグ全体で完全には動きが終わっていないのと、ここまでのオフの評価でも結構な文量になってしまっているからです。
今回は整理回ということでご理解いただければ幸いです。
是非最後まで読んでいただき、noteでスキ、Twitterではいいねを押してくださると今後のモチベーションに繋がります❗
よろしくお願いします😳
今回の柱は、
今オフの動き概観とその評価
のみです。
では、いきましょう。
🚨今はシーズンの境目で今季、昨季等の言葉の意味が変わりがちですが、既にサラリー計算は23-24季のものになっているので、この記事では 昨季=22-23 今季=23-24 来季=24-25 として話を進めます。
✅今オフのGSWの動きまとめ
今オフはGSWにとって激動のオフになっています。
ひとまず、どういった動きがあったのかだけを軽く見ていきたいと思います。
まず、前回の記事で触れたように、前GMのボブ・マイヤーズが退任したため、その後任がマイク・ダンリービーJr.(以下MDJ)に決定しました。
後々触れますが、既に大規模トレード、元プロスカウトの手腕を活かしてのドラフト、FA契約等、就任したてとは思えないほど大胆で理に適った動きを成功させています。
続いて、公式の発表は規定上、最初の報道よりだいぶ後にはなりましたが、クリス・ポール(以下CP3)とジョーダン・プール(以下JP)を中心とした大規模なトレードがドラフト当日に起こりました。
そして、ドラフト当日は19位でブランディン・ポジェムスキー(以下Podz)、57位でトレイス・ジャクソン‐デイビス(以下TJD)を指名。
🚨ちなみにTJDの指名権はキャッシュ(2M)との交換で手にしています。
前回の記事に彼らの特徴などがまとめてありますので、まだ読んでいないという方は参考にしてください⏬
ドラフト当日はコーチカーとPodzの特徴的な握手が話題になりましたよね。
横に振る握手は新鮮でした😳
そして、ドラフトから約一週間後の日本時間7月1日、前々から報道されていたようにドレイモンド・グリーン(以下DG)が4年100Mで再契約。
DGが前まで結んでいた契約とほぼ同じ内容で再契約となりましたね。
そして、7月3日には3rdPGとしての役割を期待されるコーリー・ジョセフ(以下CJ)とミニマム契約。
7月8日にはGSWから切望されていたダリオ・サリッチ(以下Dario、発音的にはシャリッチ。サリックと言う人もいます)をミニマム契約で獲得。
Darioとの契約はデイミアン・リラードのトレード要求の影響を受けて難航したようで、MDJが初日に電話をかけて合意の可能性が高いと報じられてから約一週間後の契約となりました。
他の動きとしては、ツーウェイ契約(TW)でJPと重ねる声もあるLester Quinonesと再契約。
キャンプ契約の選手として
Kendrick Davis(PG)
Javan Johnson(SF)
Jerome Robinson(SG)
Jayce Jonhson(C)
の4人を招待しています。
特にDavisはおすすめの選手ですね🤔
それでは、ここからは以上の動きの評価をしていきたいと思います(A〜Eの5段階評価)。
A:非常に良い動き
B:良い動きだが、懸念も
C:可もなく不可もなく
D:大丈夫かと心配するレベル
E:これは失敗
評価基準は言うまでもないことですが、
”現在を最大化して優勝を狙う”ということです。
我らがスーパースター、ステフが年齢を重ね、未来の礎も大半が居なくなった今、今後優勝を狙える状況はそう多くは訪れないでしょう。
ここまでの紹介でも既にお分かりだとは思いますが、ステフが素晴らしい活躍をしている間に優勝を狙える動きをする必要があります。
それは実力的にも、チームの雰囲気的にもです。
また昨季は現在/未来の重点が非常に曖昧だったので、いちファンとしても動きが読みづらいことが多々ありました。
正直、昨シーズンの大半は『何をしたいのか分からない』みたいな感覚でしたね。
実際、このオフ、MDJはMyersが昨季行った動きの多くを文字通り否定しています。
それでは1つ1つ見ていきましょう💪
✅ドラフトの評価
まずはドラフトの評価ですが、元々獲得を推していた選手を2人獲得してくれたので、単純に嬉しいです(笑)
特に1巡目下位〜2巡目上位で予想されていたTJDが2巡目下位まで落ちたのはかなりの驚きで、そこをすかさず金銭で指名権を獲得→指名と動いたのは流石でした。
当日は彼の指名とほぼ同時にPBJがトレードされたので、57位指名権とPBJをトレードしたのかと絶望しましたが、上で紹介したようにPBJはCP3のトレードに含まれた形になります。
結果としては似たようなものですが。
最近まで開催されていたサマーリーグを観ると、PodzもTJDもボールムーブを重視するGSWにフィットしそうな視野、パスセンスを備えており、カーの重視するリバウンドにも果敢に飛び込みます。
妙なエゴもなく、チームプレーを優先出来るタイプの選手達なので、単純なフィット感で言えば、ワイズマンやクミンガ(以下JK)よりも上かも知れません。
Podzは
シュート確率
イージーTO
リム付近のDF
TJDは
シュートが打てないこと
カバーリングの遅さ
Cにしてはサイズがない
等の課題、懸念はありますが、全体的な印象は良いです。
PodzはGSWに足りていないシュートクリエイター、ファシリテーターとしての素質がありますし、何よりリバウンドへの嗅覚が素晴らしく、負けん気もあります。
TJDはスカウティングレポート通り、コートの反対側に正確にパスを通す技術、ロールのタイミングやスペーシングへの気遣い、スクリーンの細かな角度など、上級生らしい堅実な活躍を既に見せています。
ベテランが多いロスターでプレータイムが貰えない可能性は大ですが、特にTJDは今後の補強次第では2ndユニットでの短いプレータイムを貰えるかも知れない、と予想しています。
TJDは身体能力があり、ロブスレットとしての評価も高いので、CP3のP&Rパートナー候補として浮上する可能性もあるでしょう。
勿論、Podzにもチャンスはあるはず。
即戦力型をドラフトしたという点で評価はBとさせて下さい。
✅FAの評価
FAでの補強はまだ完全には完了していませんが、CJとDarioという素晴らしい補強が出来たので、現時点でも評価は高いです。
🔷CJについて
まずステフとCP3という年齢を重ねた偉大なガード達の負担軽減を担う3番目のGとして、CJはこれ以上ない経験と安定感をもたらします。
初めはTyを推していたのですが、めでたくも2年契約を勝ち取ったので、その願いは叶わず。
Tyとプレイスタイルはやや異なりますが、CJの方が特に経験的に優っているので、上位互換と言えるかも知れません。
とにかくTOが少なく、シュート、DF、オフボール、ドライブとそつなくこなすので、3rdPGと言わず、普通にCP3の横に置く2ndハンドラーとしても起用されそうです。
トロント出身であり、故郷を同じくするWigginsとのつながりもあるので、チームにもスムーズに溶け込めるでしょう☺
🔷Darioについて
スーパーダリオのニックネームを持つDarioですが、彼は何よりも昨季のGSWが切望していたフロントコートからのシュート力を提供します。
私もLALシリーズ敗戦直後に投稿しましたし、最近GSWのフロント陣も明かしていましたが補強点としてストレッチビッグは間違いなくありました。
昨季の陣容だと、一定のシュート力を担保するために最低でも3ガード、4ガードを採用することが多々あり、シーズン通してサイズとシュート力のバランスを保てない状態でした。
そこにシュート力とサイズのあるDarioが加入するだけでラインナップの柔軟性がかなり増す、と思われます。
IQも高く、パスセンス、意外とハンドル技術もあり、インサイドDFも評価されているので、頼りになることでしょう☺
彼の獲得により、オンボールDFの評価が高いながら持て余していたJKをきちんと起用出来るはずです。
14番目を埋めるのはリラードやハーデンのトレードが落ち着いてからになるでしょう。
トレード後にFAになる選手を狙う、ツーウェイでビッグを補強する、とアシスタントGMのラリー・ハリスが明言している辺り、あと1枠ではシュート力やDF力に優れた3番〜4番を積極的に狙っていきそうです。
という訳で、既に素晴らしい補強をし、まだグレードアップする余地もあるという点で評価はAよりのBです✨
✅DGとの再契約
このオフ、
と述べたように、まず、このオフで優勝を目指す上で必須の動きがDGとの再契約でした。
GSWはFAが始まる前にCP3を獲得しており、ここにDGが戻らなければ補強の意味がないという状況でしたから、彼が戻ってきたのは優勝を目指すという視点では間違いなく喜ばしいことです。
カーやCP3も喜んでましたしね☺
そんなDGと4年100Mと比較的安価に再契約出来たのはタックス面から見ても良い動きだったと思います。
彼のディフェンダー、プレイメーカーとしての実力は今更語るまでもないですし、ステフとのP&Rは未だに伝家の宝刀であり続けています。
ただ、どうも煮えきらないのがJPとの一件で、DGの7月20日前後の一連の発言には正直辟易しましたし、どうしても黙っていられないのだなと正直感じました。
JPの発言が度を越したという話もありますし、それは事実なのでしょうが、
"Don’t worry about it, you’ll be in Sacramento next year"
といった発言は正確ではないとDG自身が否定していますから、どういった会話があったのか真偽の程は分かりません。
(とはいえ、この件に限らず殴るという行為が正当化されるべきではありませんが)
話は基本的にバスケットボールに留めておきたいのでこれ以上は深入りしませんし、興味もありません。
沈黙を貫くJPよろしく、この件については口を噤みましょう。
最も大きな懸念は、DGが今後の4年間でどれだけチーム、若手にポジティブな影響を与えてくれるのかが不透明であり、既に彼のリーダーシップには大きな疑問符がついている、という点です。
モンテ・プール氏によるDGのリーダーシップに関する投稿が以下です。
というように、JKとの関係性が構築出来ていないこと、改めて事件がGSWのカルチャーへ打撃を与えたことが報じられています。
オンコートだけを見れば基本的には文句のつけようがない素晴らしい選手ですし、ステフとの相性は抜群のため、再契約すべきだったのは間違いありません。
ですが、また誰かと衝突してチーム内に不和が広がるなら、それは昨季の繰り返しになります。
本当に優勝を目指すのなら、DGの負の影響力は過小評価できないのではないでしょうか。
そういった懸念を抱かざるを得ないという点で、評価はAともD以下ともなりうる、とさせて下さい。
✅CP3/JPトレードの評価
🔷若手の放出について
まず、トレードで失ったPBJとRyan、指名権はどれほどの影響があるのか、という点で話を進めます。
ほとんどプレータイムがなかった若手が優勝を目指すチームのロスタースポットの為に放出されてしまうというのはよくある話で、放出自体は仕方のないことかと思います。
MDJの言うようにロスタースポットの問題であり、望みがなくなったからトレードされた訳ではないでしょう。
ただ、Ryanについては昨季だけも2回のジョーンズ骨折を経験しているのと、既に似たタイプのLesterが内部で注目されていたのが理由としては挙げられそうです。
PBJは試合に出れば黙々とシュートを決めるタイプで、識者の中にもファンが多かった選手ではありますが、まだ選手としては未熟で、来季のPTは保証されてはいませんでした。
2人とも過去に個別に記事を作成しており、GSWでの活躍を願っていたのですが…😭
特にPBJのサイズ&シュートは現ロスターの需要を満たす要素でもあるので残念ですね。
ただ、残念ながら2人の放出は直近のGSWにとっては大きな影響があるとは言えないと思います。
むしろ、FAでチームを去ったDonteとTyの影響力の方が大きいですが、この2人については新たな契約を手にしたというところで仕方ない部分が大きいです。
特にDonteがチームに残っていれば良いチームになっていたと思われるだけに非常に惜しい気はしますが、そこは同ポジションのPodzに期待を寄せることにしましょう。
🔷指名権について
放出された指名権は2030年の1巡目指名権(トップ20位プロテクト)と2027年の2巡目指名権ということで、これも影響が大きいかと言われれば首を捻ってしまうところです。
流石に7年後のロスターがどうなってるのかは分かりませんが、弱体化しているのは間違いなさそうです。
その場合、WASに渡った1巡目指名権は返ってくる蓋然性が高い(代わりに2030年の2巡目がWASに渡る)ので、多少痛くはありますが、絶望するようなものではありません。
結果的に上記がJPに付けられてのトレードとなりましたが、JPが昨季評価を大きく下げてしまったのを見ると、実績のデパートのような選手であるCP3の対価としては決して高くはないと思います。
※JP放出のデメリットについては後述
🔷CP3の獲得の評価、メリット
では、CP3の評価をフロント陣の意見も参照しながら見ていきましょう。
CP3獲得トレードを評価する基準は大きく3つあると考えていて、
単純に選手としてのフィット
サラリー面の柔軟性
リーダーシップ、勝利への欲求
以上が彼の獲得を評価する上で必要かと思います。
まずはフロントの評価を並べておきましょう。
というように、ポジティブな発言が多いです。
(ポジティブな要素がなければそもそも獲得しませんが)
後にステフの発言は紹介しますが、目を通した限りだとクレイ、DG、Moses、JK達もリスペクトを持って彼を歓迎しているような雰囲気ですね。
①CP3のプレイスタイルとフィット感
言うまでもないもないことですが、CP3のプレイスタイルはP&Rを中心としたもので、モーションオフェンスを得意とするGSWとは全く異なります。これはJKが言ってくれている通りです。
どれ位違うかというと、昨季CP3はRSでリーグトップのP&RハンドラーFREQ%(55.9)を記録しています。
GSWでいうと、
Steph:30.4%
JP:27.7%
Ty:24.5%
と、ボールを沢山持っていたイメージのあるJP、Tyですら、CP3の半分ほどの頻度でしかP&Rをしていません。
このP&Rハンドラー FREQ%はチームとしてもリーグで下から3番目の頻度であり(RS)、GSWよりも下位にいるのはDENとSACだけです。
またGSWはリーグでもトップのカットの頻度を誇りますが(FREQ10.2%)、CP3の在籍していたPHXはリーグ16位(FREQ6.6%)の頻度です。
同じくPaceでもGSWはリーグトップで(102.54)、主力は大体102を超えてきますが、PHXはリーグ22位(98.83)、CP3は98.11とここにも違いがあります。
と挙げていけばキリがないほど、両者のプレイスタイルは異なります。
一言でいうと、
🔴遅いペースでP&Rを使いながらハーフコートで攻略していくCP3
🔵人もボールも動き、堅守速攻を理想とするGSW
という感じですね。
つまり、対極にあるような選手とチームが同じ方向を向いて戦うことになったわけです。
単純なフィットという面では良くはないですね。
CP3は38歳ですから、速いペースで走るバスケというのは体力的にも苦しいかもしれません。
ただ、戦術的に異なるからと言って相性が良くないとは限りません。
CP3は言います。
”結局はバスケットボールなんだ。脳の手術じゃないんだ”、と。
多くのチームを渡り歩いてきた、リーグでも屈指のIQを誇るCP3ですから、いずれチームにフィットしていくことは疑いないように思います。
またこれはGSW、カーの問題でもありますが、従来のモーションオフェンスの割合を減らし、ペースを落としてP&Rを増やすというのは十分に考えられると思います。
昨季のGSWはスモール+速いペースで戦い続けて、最後は体力的にgas outしてしまった印象があります。
年齢を重ねて、速いペースでプレイし辛くなってきているのはGSWのBIG3も同じでしょう。
体力的に苦しいと信じられないようなミスが出ます。
昨季のGSWはチーム全体として、あってはならない場面で致命的なミスを、特に終盤でよくしていたと思います。
これは個人的な考えなのですが、カーは恐らくずっとゲームを落ち着かせるミスの少ないハンドラーを1人は欲しがってきたと感じます。
王朝全盛期のShaun Livingstonがそうですし、格としては落ちますが、約1年前の優勝シーズンにはボールコントロールに定評があったChris ChiozzaがTWながら32試合に、昨季は同じくTWで忍耐強いハンドルが持ち味のTy Jeromeが45試合に出場しました。
そして今回、CP3とCJというミスの少ないハンドラーを獲得したのは偶然ではないと感じます。
【参考:昨季AST/TO比 上位8名】
カーは言います。
カーは決してTOを良しとしているわけではないので、例えば昨季、かなりミスが少なくシュート確率も良かったTyが重用されたのは理解できる話です。
(ちなみにAST総数の関係で上のツイートには載っていませんが、昨季のTyのAST/TO比は4.50とCP3の水準に近いものです)
また、試合終盤の重要な場面で試合を任せられる百戦錬磨のハンドラーの獲得という意味でもCP3の加入は大きいです。
上記のようなスタイルの不一致はあるにしても、ペースを落とすという選択肢が増えたとポジティブに捉えることができるでしょう。
攻守で最適な判断ができるCP3とDGがいれば、なかなか面白いことになるのでは、とワクワクしているのは私だけでしょうか。
以下のステフの発言はそのヒントになり得ます。
また、最近はDF能力の低下がやや目立ってきているにしても、CP3はWinning Playerです。
DGが言うように、勝つためには手段を択ばない面があるのもそうですが、スタッツ的に見ても、彼がコートにいる時間は単純にチームが勝てています。
それを端的に示すのが、彼のNetRtgです。
過去18シーズン(最初の2年を除く)、RS全体において彼がコート上にいるときのNetRtgは全て+になっています。
昨季の+89はキャリアの中でも低い方で、最高は+700超えのシーズンもあります。
(ステフの最高は2015-16季の+1022)
POも過去10シーズンのうち9シーズンは+になっているので、ポストシーズンでもその力は証明されています。
JPが優勝シーズンに+324、昨季−11だったのを見ても、分かりやすい指標だと言えますね。
また、過去に幾つものDF系の個人賞を受賞しているので、DFが穴とされていたJPと比べると、全盛期に比べ力は落ちているとはいえ、DF面でも頼りになると言えます。
🚨ただ、上背はないため、DFG%などを見てもアウトサイドシュートを自信を持って打たれてしまう傾向にはあると思います。
②サラリー面、リーダーシップ、優勝への想い
1つ目がやや長くなったので、残りの2つの項目はまとめて見ていこうと思います。
🟩サラリー面の柔軟性の獲得
まずサラリー面ですが、とりあえずCP3の契約を見ておきましょう。
23-24 30.8M(全額保証)
24-25 30.0M(無保証)
25 制限なしFA
※元々今季のサラリーは15.8Mのみの保証でしたが6月28日に全額保証されています。
そして、今季から始まるJPの延長契約が以下になります。
23-24 27.4M(+1.25M+3M)
24-25 29.7M(+1.25M+3M)
25-26 31.8M(+1.25M+3M)
26-27 34M(+1.25M+3M)
※右の括弧内はインセンティブ
RyanとPBJのサラリーがそれぞれ1.7M、2.3Mなので放出サラリーの合計は約31.5M。
CBAGSWによれば、現時点でGSWは贅沢税のラインを約41.9M超えています。
詳しい計算は省きますが、CP3のサラリーとの差額約0.71Mに対して、約4.75Mの贅沢税が掛かります。
つまり、このトレードで大体5.4Mの節約になっています。
また同じくCBAGSWによれば、Ty⇒CJに代わったことで1.1Mの節約になっています。
と言っても、新たに加入した選手もいるので、このトレードによって今季の支払いが激減したわけではありません。
(既に現時点でのトータルの支払いは約395Mとなっています)
問題はCP3のサラリーが来季は無保証だということです。
これによって来季の柔軟性が増し、
そのままカットして支払いを減らす
保証してトレードする or 維持する
一旦契約を破棄して安価な契約を結び直す
等々、JPの4年契約を抱えるよりは明らかに動きやすくなりました。
2ndエプロンの厳しい制限が23‐24季の後に始まることはBobby Marks氏によって明言されています。
実際どのような制限があるかというと、
チームはトレードに現金を含めることができない
七年後の指名権が凍結(トレードできない)
複数の選手のサラリーを合算することで生じるトレードエクセプションを使うことができない
その前の年に獲得したトレードエクセプションを使用することができない
今後4年のうち2年(計5年のうち3年)、2ndエプロンに留まったチームは1巡目指名権が最下位に移される
他にもBobby Marks氏によれば、
タックスペイヤー・ミッドレベル・エクセプション(TPMLE)を使用できない
元々のサラリーが12.2M以上のバイアウトされた選手とは契約できない
(1巡目指名権が最下位になる例として)例えばGSWが24-25、25-26,26-27と2ndエプロンチームである場合、彼らの2032年の1巡目指名権が最下位に移される(例:14位⇒30位)
等々、これで全てではありませんが、制限がいろいろとあります。
Real GMによれば、2024-25季のサラリーキャップは142M、ラグシュアリータックスラインは172Mになります。
1stエプロンはタックスラインの+7M、2ndエプロンは+17.5Mですから、GSWとしては2ndエプロンの189.5Mのラインを回避するかどうかというのが24-25季のポイントになります。
正直、今季が始まってもいないのにその先の話をするのは気が進みません。
大体、予想しない動きがあるからです(笑)
とりあえず、24-25季でTOを含め契約が確定しているのは8人で、Looneyの8.0Mは部分保証となっています。
Looneyの契約をそのまま含めると9人で約142M。
仮にCP3の契約を破棄して、NTMLEを使わずにミニマム契約(2M)を4人、クレイと約22Mで再契約すると、ギリギリタックスラインは回避できます。
(24年の指名権は今のところ1つもありません)
が、まずこれはないでしょう。
何のためにタックスを回避するのか、しないのか、という視点が抜けているからです。
GSWはステフと優勝しにいく覚悟を決めていて、少なくともあと23-24、24-25の2シーズンはそのつもりで戦うはずです。
しかし、上で見たように2ndエプロンの制限はかなり厳しく、特にトレード関係で不自由になります。
恐らくですが、GSWは優勝のウィンドウを可能な限り広げるため、1stエプロン~2ndエプロンの間で補強をするはずです。
1stエプロンだけなら、というと語弊がありますが、トレードのサラリーマッチが125%⇒110%になるというのが主な制限で、苦しくはありますが、まだマシです。
これはあくまで仮に、ですが、
クレイと延長契約:約22M
CP3の契約破棄&再契約:約15M
TPMLE:5.2M
ミニマム契約2人:4M
というような補強を行う場合、サラリーの合計が約188Mとなり、ギリギリ2ndエプロンは超えません。
GSWが来季の補強をするとしたら、もしかするとこういった形になるのかもしれません。
ただし、CP3の活躍やフィット次第では今季の内のトレード(契約が切れる選手との)も可能性としては考えられますから、サラリーの詳細についてはこれ以上踏み込む必要はあまりないでしょう。
これらは(どうせ)来たる今季の結果次第で充分に変動するので、あとは実際に見てみなければ分からない、といったところでしょうか。
兎にも角にも、主に来季以降の柔軟性が増したというのがこのトレードのサラリー面でのメリットと言えます。
🟩リーダーシップ、優勝への想い
CP3がリーダーシップに優れた選手であることは、リーグ全体で長い間知られていることです。
約2年前の投稿になりますが、元チームメイトのJavon Carterは以下のように語りました。
GSWにとっては心強い証言だと思います。
CP3が最近、自分とDGがvocalだと話していましたが、やはり彼はよく喋る選手のようですね(笑)
選手会長を務めた経験もありますし、上に立って皆を率いることにも慣れているようです。
そんなCP3ですから、DGの失われたリーダーシップを補完してくれるでしょうし、JK、Mosesらのやや伸び悩んでいる若手、新加入のルーキー達に対しても間違いなく良い影響を与えてくれるでしょう。
それはOKC、PHXでの素晴らしいシーズンが証明してくれているように思います。
また事実としてCP3は優勝の経験がありません。
最近CP3は、娘さんが同級生の男の子にある一言を言われたことがタフだったとインタビューで答えていました。
また、PHX在籍時には以下のように話しています。
彼の優勝への想いは強いでしょうし、そんな彼と一緒に優勝を目指して戦えるというのは非常に心強いです。
思えば、カーがこのオフに強調していたのは"変化"でした。
そして、優勝するために何が必要なのかという答えには、間接的にチャンピオンシップメンタリティだと答えていました。
(JK、JP批判という意見もありますが、個人的にはMIAへのリスペクトを含めた、優勝チームの条件としての一般論だと捉えています。そう見ると、至極真っ当な意見です)
JPファンとしては言い辛いことではありますが、JP放出とCP3獲得で最も大きな意味があったのは、優勝に必要なメンタリティ、新たなリーダーシップを持ち込むことができた点だと思います。
彼の獲得を以てして、優勝を目指せる基礎が出来上がったと評価しています。
③JPの放出について
最後にJPについても見ておきたいと思います。
個人的にはあの事件が起き、結果的に敗退した時点でJPの放出は運命的だと予感していました。
チームを1つにするには極論、DGかJPの放出がマストでしたが、どう考えてもDGの放出があり得なかったから、です。
とはいえ、JPをスケープゴートのように扱うのは敬意を欠く行為ですし、彼に対しては改めてステフのように感謝を伝えたいです。
また評価すべき点は評価すべきです。
シーズン前にあれだけの事件があり、シーズン中チームメイトから疎まれるような雰囲気があった中でも、彼は昨季の82試合全てに出場し、平均20得点以上を記録しました。
(POを含めると95試合)
コンディショニング等のプロ意識とメンタルの強さが為せる業ですし、それには素直に敬意を表したいです。
彼が居なければPOにも行けなかったでしょうからね。
実際、彼がいなくなったことにより、毎試合確実に計算できる選手が減ってしまったことは大きいです。
CP3は怪我の歴史を持つ選手ではありますからね。
パフォーマンスの不安定さに引っ張られて見逃しがちですが、StephとWigginsが合計71試合も欠場したシーズンにおいて、全試合に出場したJP、そしてLooneyの鉄人ぷりは特にありがたいものでした。
また、彼にはデータ的に見ても否定できないOFでの影響力があり、鋭いドライブ、虚をつくようなアシスト、オフボールからのスコアリングなど、GSWで4年を過ごした新進気鋭の若手が居なくなることはOF面で少なからず痛手になるでしょう。
※下のツイートのツリーでは、JPのどのプレイが実際に評価できるのかが紹介されているので参考になります。
※例えば、以下のリストにTerence Davisを入れているのはJPの穴を埋めるスコアラー気質の選手が欲しいからです。
とはいえ、そもそも『トレードの選択は非常に簡単だった』と語るMDJにとってはJPの維持はあり得ませんでしたし、感情的には大きく異なるとはいえ私の結論も同じでした。
ここまでを総合的に見ても、CP3の獲得は理に適ったものだと言えますし、優勝を切望している百戦錬磨の選手の獲得はチームを改めて優勝に向けてメンタル的に1つにする為に必須だったと見ています。
(CP3の意見ならBIG3も聴くでしょうし)
優勝を目指すためには犠牲も必要なのだと改めて思い知らされたオフになりましたね。
という訳で、CP3獲得トレードについての結論です⏬
【結論:評価B】
CP3はフィット面で理想的とは言えないものの、1人の選手として優秀なのは間違いなく、逆に言えばGSWにプレイの幅や選択肢、落ち着き、TO減少、リーダーシップ、勝利への意志などをもたらしてくれる
終盤の重要な場面で試合を任せられるハンドラーを獲得できたことは大きく、終盤以外でもステフのいない時間にCP3が出てくるのは相手にとって厄介のはず
CP3の力を活かすためにも正当なビッグマンが欲しいが…
リーダーシップ、若手のメンターという面で非常に頼りになる
来季はサラリー的に動きやすくなったが、動きとしてはまだまだ読めない部分が多い
JPの放出は、耐久性があり、OF的な影響力のある選手を失ったという点で少なからず影響はある。が、残す選択肢はなかった
その他放出した選手、指名権については、ここ1、2年のGSWには大きな影響はない
✅終わりに:MDJの評価とJKの未来
ひとまず、ここまででオフの評価は終えます。
ハイライトはやはりCP3の獲得でしたね。
38歳とはいえ、将来殿堂入り確実、経験豊富で勝利に貪欲なPGを獲得できたのは、彼に敬意を示すという意味でもありがたいことだと思います。
では最後に、ここまでの動きを主導したMDJの評価をしておきたいと思います。
彼の評価については時々投稿していたので、とりあえずそれを改めて見ておきます。
動きとしては全体的に統一感があって的確ですし、いまいちMyersが踏み切れなかった部分(主に若手の放出)に容赦なくメスを入れている印象です。
延長契約を結んだJP(ドラフトにはMDJが関与)、MyersがドラフトしたPBJ、Ryanの放出はまさにそれですよね。
一方で、JP放出についての発言からも冷徹過ぎる印象があり、優勝という目的のために手段を選ばない、そんな雰囲気を感じます。
(もちろん、良いことでもあるのかも知れませんが)
個人的に恐れているのはJKの放出です。
実際に5、6月の間にはリーグ全体からの関心があったようですし、適切なオファーがあれば放出してしまいそうな気がします。
これからオフの間にリーグでどのような大きな動きがあるのかにも依りますが、売手と買手がより明確になったときに、MDJの心を揺さぶるオファーがある可能性はあります。
JKがハードワークをしているのはステフも認めているところではありますし、是非ポストBIG3のGSWの中心選手としてこのまま成長して欲しいところです。
ただ今季、彼のポジションには競争相手が多いのも事実。
2ndの3、4番だとGPⅡ、Moses、Dario、実力は落ちますがTDJといった選手達がいます。もう1人ベテランウイングが増えれば、彼とも競争になります。
カーが現段階のJKに明らかに求めているのはチームプレイヤーとして活躍できることです。
JKは今季プレイタイムがなければ、他のチームでプレイすることも考えるという報道がありましたが、カーはJKの課題も出場がなかった理由もきちんと語っていますし、直接話もしているようです。
JKには厳しい言い方にはなりますが、不満を溜めるのは充分に理解できるにしても、ベテランが多い、優勝を目指すチームでプレイタイムを勝ち取るのは彼の仕事です。
DGとのポッドキャストでもあったように、仮にプレイタイムがない時であっても、優勝シーズンのJTAやリーのようにチームの士気を高めるような姿勢をカーは望んでいます。
(ステフも勝利するチームでは”全員が重要、全員に価値がある”と語っています)
それはチームとしては正しい考え方だと思います。カーの強調するチームとしての変化であり、今季のGSWのテーマです。
もちろん、それには選手だけでなくフロントやコーチ達の努力も必要です。
また一段とフィットしてプレイタイムを沢山貰えるJKの姿はもちろん見たいですが、もしプレイタイム関係で不満が先行するようなら、今オフとは言わないまでもトレードデッドラインなどでMDJは放出するかも知れません。
(それがチームとして正しいかは別としても)
そうならないためにも、JKには考え方などの面でも成長して欲しいです。今はやるべきことをやっているのでさほど心配はしていませんが。
(カーによればMosesは既にその辺りは成熟しているようです)
JKのサイズ、対人DF、身体能力、垣間見せるパスセンス等は非常に魅力的ですし、いずれチームを背負える選手になれると思います。
だからこそ今は耐えて欲しい。
そう思います。
(DGに不満もあるだろうけど)
CP3という偉大なPGも来たことですし、彼がJKの才能を開放してくれると信じています。
これが案外と獲得の大きなメリットかも知れませんね☺
といったところで、今回は以上になります。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました❗
トレード市場が完全に落ち着き、FA、TWの補強が済んでから、今回の内容も踏まえつつ、次回の記事でロスター全体の評価や今季の展望を書いてみたいと思います📝
【次回へ続く】
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