【NBA】23-24季GSWの振り返りと今後〜各選手の通知表を添えて〜📝
こんにちは、ユエです🌓
シーズン、終わってしまいましたね😭
クリス・ポールを獲得して、プレイオフは堅いだろうみたいに考えていた時期が懐かしいですが、結果としてはご存知のようにプレーインでSAC相手に敗退、となりました。
今回はそんな残念な結果に終わってしまったGSWのシーズンを振り返る回にしようと思います。
ちなみに私ユエは今季も全試合を観戦しており、大体の試合で感想を投稿しています。
また、このnoteでも数回今季に関する記事を投稿していますので、それらも参考にしながら、ある程度の全体像を素描することが本記事の目的となります。
なので、私自身のこれまでのXでの投稿を貼り付けることも多いと思われますが、その辺りはご容赦くださいませ。
加えて、それぞれの選手にも簡単に言及しつつ、最後にはこれからの方針について現時点で言えることをほんのり添えるつもりです。
それでは行きましょう!
最初に断っておきますが、長いです(笑)
✅GSWの23‐24シーズン概観と評価
とりあえず、今季のスタッツから見てみましょう。
【23-24季GSW 主要スタッツ】
勝率 56.1%:46-36(16位)
得点 117.8(8位)
FG 47.7%(13位)
3pt 38.0%(7位)
REB 46.7(1位)
AST 29.3(4位)
TOV 14.3(23位)
OFRTG 116.9(9位)
DFRTG 114.5(15位)
NetRTG+2.4(13位)
続いて、勝敗数などに関する記録がこちら。
【23-24季GSW 勝敗数】
ホーム 21-20
ロード 25-16
オールスター前 27-26(リーグ18位)
オールスター後 19-10(リーグ5位)
10月 3-1
11月 6-9
12月 6-7
1月 5-7
2月 11-3
3月 9-7
4月 6-2
ちなみに西の強豪 DEN、MIN、LAC、DAL、OKC、PHXとはそれぞれ3、4回対戦していますが、僅か4-19となっています🐟🐟🐟
では、シーズンを概観していきます⏬
まず前半戦については以下の一連の記事でも詳しく見ていきましたが、
クレイ、ウィギンズの絶不調などスターター全体の苦戦
得点面でのステフの孤軍奮闘
クリスの貢献度の高さに反比例するようなシュート確率の悪さ
シーズン序盤からルーキー、若手が台頭
トランジションやドライブ、ペイントでの得点が乏しく、シュート確率悪すぎ問題
そして、ドレイモンドが11月に5試合、12月に無期限(12試合)の出場停止。
そして、1月にDEKIの愛称で親しまれたコーチデヤンの逝去。
と本当に様々なことがありました。
前半戦は平均的なチームであり、スターターの尻拭いをCP3率いるベンチがやるような試合が多かったと言えます。
シーズン後半に差し掛かる頃には、勝てないが故のアンドリュー・ウィギンズのトレード論争があったり、
実際に迎えたトレードデッドラインでは、クリス骨折離脱期間中のレスター・キニョネスの台頭に押される形でベテランのコーリー・ジョセフが放出。
※ちなみにこのトレードで得た2024年の指名権は53位になります
シーズン後半戦が始まると、2月にはチームのピークに到達し11-3を記録したりとチームの状態が俄に良くなります。
1月〜2月にクミンガがオールスター級の活躍(1月は平均20.6得点)をし始め、ウィギンズもようやく復調しだすと、この頃は
ステフ-クレイ-ウィギンズ-クミンガ-ドレイモンド
のラインナップが猛威を奮いましたよね。
以下の記事はこの強い時期に書いたもので、この頃はプレーオフストレートインも夢ではないと信じていました。
この頃のチームは前半戦の懸念や問題点を概ね改善できており、
DFの改善(BLKの増加等)
ペイント、トランジション得点の増加
REB、2ndチャンス得点の増加
インサイド型のチームへ変貌
と良い状態に仕上がっていたと思います。
しかし、2月末からウィギンズが個人的な理由で欠場する事態もあり、3月は9-7とやや失速。
BOSに5億点差をつけられた伝説の試合も3月でございました。
順位に関わる大一番を"きちんと"落としていた印象ですね。
この頃から一度スタメン落ちを経験したクレイとトレイスのコンビ"クレイス"が台頭。
トレイスは怪我のクミンガに代わって以降スタメンに定着、クレイも3月〜4月にかけて今季最高のバスケをプレイしていました(4月平均23.1得点)。
途中、HOUとの熾烈なプレーイン枠争いも制しつつ、結果としてGSWは2月以降は全ての月で勝ち越して10位でフィニッシュ。
そして冒頭で述べたようにプレーインでSACに敗北し、シーズン終了となりました。
非常に残念ではありますが、敗退自体は途中からはある程度予想できた結果でもあるのかなとも感じます。
2桁差リードを幾度も溶かして逆転負けを喫するなど"やらかし"が多かったですし、後述しますが、個々で見ても多くの選手たちが一貫性に乏しかったです。
それがSAC戦で全部出てしまいました。
怪我や出場停止もあり、なかなかフルメンバーで戦うこともできませんでしたし、繰り返すようにBRATE DEKIを喪うなど非常に辛い出来事も含め本当に色々なことがありました。
一言でいうと、
ジェットコースターのような激動と不安定さの中で、ホームでは弱く、アウェイでは強く、強豪に弱く、弱小には強く、前半戦は弱く、後半戦は強かったシーズン
だったと言えるでしょう。
どのシーズンもそうですが、まずはこのチームを誇りに思いますし、よく戦い抜いたと評価します。
王朝はすでに終焉を迎え、ステフと共に最後に花を咲かせるか否かという局面を迎えています。
シーズン当初の目標、莫大なタックス、未来の一部を切り捨ててリーグ屈指のリーダーを獲得したことを思えば、間違いなく失敗のシーズンではあります。
(結果論ですが、ここ数年のフランチャイズとしての決断に幾つかのミスがあった故の挫折、かも知れません。このシーズンを経て未来への希望が濃いかはまだ何とも言えません)
シーズン後半戦は良かっただけに、このチームのポテンシャルに到達するには、ローテの決定も含めて時間がかかり過ぎた印象です。
それも仕方ないというか、これまでの2シーズンで非常に堅実だった選手たちが軒並みパフォーマンスを落とし、若手に頼らざるを得なくなった状況で、カーもベテラン陣への信頼と勝利の狭間でだいぶ悩んだのではないかと推察します。
コーチカーは人間味のある方のようですからね。
トレイスだけはもっと使えたでしょうと言いたいですね(笑)
メンバーがきちんと揃い、チームの練度や士気が序盤から上がっていれば、今季非常に多かったクラッチゲームをこちら側に引き寄せてもう5勝くらいは上乗せしてプレーインは回避できたはずですし、そこは残念ですね。
チームについてはまた最後に触れます。
では、次章から個々の選手の評価に入っていきます。メインローテの選手以外は簡単に済ませますのでよろしくお願いいたします🙏
✅個々の選手の評価
この章では以下の記事でも採用した5段階評価で個々の選手を見ていきたいと思います。
A:非常に優秀、存在に感謝
B:気になる点があったものの概ね優秀
C:高評価と低評価が半々
D:大丈夫かと心配するレベル
E:厳しいって
※できるだけ簡潔に述べていきます
※シーズン全体の安定感を重視しています
※10位に終わったチームにおける評価です
※多分に個人の見解を含みますので、その点はご了承下さい
①ステフィン・カリー(B評価)
■23-24季スタッツ
74試合出場、平均32.7分、26.4得点
FG45.0%、3pt40.8%、FT92.3%
4.5REB、5.1AST、0.7STL、0.4BLK、2.8TOV
今季もフランチャイズの顔であり、エースであったステフは74試合に出場と、ここ数年で最も稼働しています。
上の投稿でも触れましたが、36歳にしてシュート力に関して言えば未だにリーグトップです。
もう15年、フランチャイズを支え続けており、その肩に掛かる重圧と負担は計り知れません。今季はドレイモンド問題などもあり、色々と大変だったと思います。
今季多かったクラッチタイムでも非常に頼りになりましたし、その意味では評価を飛び越えてS評価くらいにしても良いのですが、個人的には1つ気になる点がありました。
ターンオーバーです。
ステフィン・カリーという選手自体、元々ターンオーバーが指摘される選手ではあります。
今季平均2.8TOVは、キャリアベスト2位タイでしたが、5.1ASTはキャリアワーストでした。
加えてAST/TO比も1.80とワースト2位であり、PGとしての安定感という意味では決して良いとは言えなかったと思います。
(100ポゼッション当たりのAST率17.5もワースト2位です)
アシスト自体が減少しつつ、ミスの数もそれなりにあるという感じでしょうか。
実際の試合でも、重要な場面や試合でミスを連発することがありました(最後のNOP、SAC戦など)。
故にサポートハンドラーとしてクリスやブランディンを一緒に起用せざるを得なくなり、加えてシュート力を担保する(その偏りについては後述)為に3番にクレイを置くスリーガードがよく見られました。
これもラインナップによっては上手くいっていたりもするのですが、今季のGSWで最も長く起用され、かつ最も上手くいっていた2つのラインナップは1番にステフ、2番にクレイかブランディン、3番以降をウィギンズ、クミンガ、ドレイモンドが埋めるものでした。
やはり、ステフに安定感があれば無理にスリーガードにする必要はないと言えます。いまやサイズなしに勝てるとは思えないですね。
(2番クレイ、クミンガに代えてトレイスを5番起用、も非常に良かったです)
ステフのTOVについてはレスト日数がある程度増えるとTOV%が減少しているデータもあったので、ステフの疲労にはより一層気をつけたいですね。
他にもDFRTGが114.7と19-20季を除きキャリアワーストだったり、得点に占める速攻の割合が8.7%でキャリア初の10%以下になっていたりと、総合的に見て気になる点もちらほらあります。
(DFRTGについてはチーム全体的にキャリアローの傾向があります)
全体的な影響力の減少が感じられるシーズンではあったと思います。それを衰えという風に表現できるのかも知れませんが…
とはいえ、既に見てきたように耐久性やシュート力についてはまだまだ心配がいりませんし、システムの根本でもあるのでGSWにおいては重要度も価値も非常に高いままです。
総合評価はBとさせてください!
②ドレイモンド・グリーン(C評価)
■23-24季スタッツ
55試合出場、平均27.1分、8.6得点
FG49.7%、3pt39.5%、FT73.0%
7.2REB、6.0AST、1.0STL、0.7BLK、2.5TOV
ドレイモンドについては明らかに出場停止問題が尾を引いたシーズンでした。
途中チームから離れてカウンセリングを受けたりと、優勝を目指すシーズンだと分かっていたはずですが、なかなか行動が伴わなかった印象です。
ドレイモンドが出場した試合では33-22であり、逆に出場していない試合では13-14ですから、彼の離脱は今季の結果にかなり響いたと言えます。
やはり出場すればプラスの影響力が大きく、彼の復帰以降はチームの状態も明らかに良くなりました。
3ptの好調も今季のドレイモンドを形容する要素で、39.5%はなんとキャリアハイ。
試投数こそ及ばないものの、15-16季の38.8%以上の数値でした。
DFRTG110.7はメインローテの選手内では3位と流石の活躍でしたが、これでもキャリアワーストなのは少し驚きですかね。
チームに不可欠な存在なだけに、出場できるかどうかという基本的な部分が一層残念に思えました。
総合評価はCとさせてください!
③クレイ・トンプソン(B〜C評価)
■23-24季スタッツ
77試合出場、平均29.7分、17.9得点
FG43.2%、3pt38.2%、FT92.7%
3.3REB、2.3AST、0.6STL、0.5BLK、1.5TOV
今季のクレイは77試合と16-17季以降最多の出場試合数を誇り、FT92.7%はキャリアハイかつリーグリーダーの数字でした。
一方で1年を通して"自分に対する自信"と"アスリートとしての衰えという現実"の狭間で苦しみつつ葛藤した非常に難しいシーズンを過ごしたとも言えます。
シーズン終盤にルーキーシーズン以来のベンチ出場を経験、スターターの座を奪ったのもルーキーという、クレイにとっては屈辱的とも言える時期がありました。
特にシーズン前半戦(2月もそうですが)では、自分に対する重圧が彼に無理なシュートを強いて、決めようとすればするほどシュートが外れてしまう⇒もっと決めなきゃいけないというプレッシャーから更にタフなシュートを打つ、という悪循環に陥っていました。
(例:11月のFG39.2%、3pt35.1%)
延長契約交渉が上手くいかず、フラストレーションを露わにした時期もありました。
ただ、一度ベンチを経験し『マヌ・ジノビリのことを考えた』と語ったクレイはトレイスという相棒を得て、シーズン終盤には優れたシューター兼パサーとして自分の価値を再定義したように思います。
実際4月の7試合では
平均23.1得点
FG49.6%、3pt43.7%
3.3REB、2.7AST
平均+7.3
とシーズン最高の数字を記録。
PIでそれが発揮されなかったのは残念でしたが、クレイ・トンプソンという選手の新たなチャプターの始まりが見られたのは良かったと思います。
良い時期と悪い時期の落差が凄まじい為、総合評価はBよりのCですね。判断が良い試合と悪い試合の差を減らしていけるとより安定した選手になりそうです。
④アンドリュー・ウィギンズ(C評価)
■23-24季スタッツ
71試合出場、平均27.0分、13.2得点
FG45.3%、3pt35.8%、FT75.1%
4.5REB、1.7AST、0.6STL、0.6BLK、1.2TOV
ウィギンズもクレイ同様、難しいシーズンを過ごしました。大体の項目でキャリアローでしたね。
特にシーズン前半戦は同一の選手とは思えないほど極端に悪く、
シュートは入らない
ミスは多い
フィジカル負けする場面が多い
長所だったはずのDFも見る影もない
と散々な出来で、内部からコンディショニング不足を指摘する報道が出たこともありました。ブランディンにもスターターを奪われていましたよね。
そんな状態が大体1月くらいまでは続いていた為、先述したようにトレードトークでは放出筆頭候補でした。
危機感もあったのか、そこからは徐々にヴィンテージな姿を見せ始め、ドレイモンド、クミンガと共に鉄壁フロントコートを結成すると一気に欠かせない存在となりました。
2月にはピークに達し、11試合で3pt47.5%を記録するなど3&Dとして存分に活躍。4月にはクミンガの欠場もあってメインウィングアタッカーに昇格し、平均17.0得点を記録しました。
2月以降の姿がもう少し早い段階で見られていれば、今季の様相もまた変わっていたでしょう。
ロスター内で最も攻守のバランスが良い選手の1人であり、チームに欠かせない存在なだけに心残りなシーズンでした。
総合評価はCとさせてください!
⑤ケボン・ルーニー(D評価)
■23-24季スタッツ
74試合出場、平均16.1分、4.5得点
FG59.7%、3pt 0%、FT67.5%
5.7REB、1.8AST、0.4STL、0.4BLK、0.7TOV
正直に言ってしまうと、個人的に最も(オンコートでの)評価を落としたのがルーニーでした。
昨季までの2シーズンがヒジョーーーーに良かっただけに、特にDF、REBなどで継続的に存在感を示せていなかったのが歯痒かったです。
昨季は平均10REBに迫ろうという選手でしたし、ルーニーも今季の目標を平均10REB以上と掲げていたくらいでした。
シーズン途中から優れたリムプロテクターであるトレイスに完全にミニッツを奪われ、平均プレイタイムも若手時代や怪我に苦しんでいた19-20季を除くと最低に終わっています。
途中DNPも経験し、鉄人ルーニーの代名詞であり、これまた今季の目標であった連続出場記録も途絶えてしまいました。
1シーズン前は『こんなセンターが8M!?』
という反応が多かったと記憶していますが、今となっては何とも言えない感じになっています。不調の理由もなかなか謎でした。
一方で、トレイスのメンターとしての役割を受け入れたり、少ない出場時間の中で懸命にプレイするプロ意識は健在で、その点は流石ルーニーだと感じました。12月、4月のPOR戦など良いゲームも幾つかありましたしね。
やはり彼も2月以降に復調という感じですが、その頃には平均約11分とミニッツは激減しました。
客観的に見て厳しいシーズンだったと言えます。
言いたくないですが、総合評価はDとさせてください!
⑥クリス・ポール(A評価)
■23-24季スタッツ
58試合出場、平均26.4分、9.2得点
FG44.1%、3pt37.1%、FT82.7%
3.9REB、6.8AST、1.2STL、0.1BLK、1.3TOV
恐らく大部分のGSWファンはクリス大先生には頭が上がらないと思います。
まずはベンチ出場を受け入れてくれたことですよね⏬
そして、シーズン序盤からスターターが大苦戦する中、最も安定しており、1年を通して大体の時期で+だった選手の1人でした。
常にチームを鼓舞し、DFでも一際大きな声で指示を出していましたし、主にベンチの若手を率いて成長させてもくれました。
流石リーグ屈指の頭脳派、GSWのモーションOFにも早い段階でアジャストし、HOU時代のように3ptを意識して多く打ってくれていました。ステフとのピストルアクションも武器でしたね。
(FGA全体に占める3ptの割合がキャリアで3番目の多さ)
特筆すべきはステフの項目でも触れたAST/TO比でしょうか。
元々歴代でもこの項目でトップの数字を誇っていたクリスですが、今季に関しては5.17とキャリアハイ。3以上が優秀とされますから、とんでもない数字です。
PTの減少もあり、AST数はキャリアワースト2位でしたが、その分平均TOVもキャリアで最も少ないというのが素晴らしいです。
ポイントゴッドたる所以がよく分かったシーズンでした。
総合的に非常に恩恵が大きかった選手で、ブランディンもクミンガもトレイスも、彼がいなければここまで成長していなかったのではないかと感じます。
一方で、もう少しクリスが得点に絡むシーンが見たかったというのも本音で、年齢によるキレの衰えやチームへのアジャストへの大変さを加味しても、FGAは平均でもう2本くらい、平均2桁得点は欲しかったですね。
特にFTAが平均1本にも満たなかったのは驚きで、3PAが増えたのももちろん要因の1つでしょうが、FGA自体が結構減ってしまったのも理由だと思います。
来季については、タックスの関係上、彼の無保証契約の契約破棄が濃厚でしょうか。その場合はバード権を失うため、呼び戻すにはミニマム契約かミッドレベル例外を使うことになります。
しかし、安価でクリスを得られるとなると引く手あまたでしょうし、彼を維持するのは難しいはずです。
リングを手にすべき選手だと思いますし、できるだけ優勝の確率が高いチームに行ってほしいです。それがGSWなら一番ですが…
といったところで、総合評価はAですね。感謝しかないです。
⑦ダリオ・シャリッチ(C~D評価)
■23-24季スタッツ
64試合出場、平均17.2分、8.0得点
FG46.6%、3pt37.6%、FT84.9%
4.4REB、2.3AST、0.5STL、0.2BLK、1.2TOV
スーパーダリオことダリオ・シャリッチもなかなか難しいシーズンを過ごしました。
元々スキルフルで賢い選手というのもあり、開幕早々にチームにフィット、シーズン序盤〜中盤にかけてはストレッチビッグ兼ポストプレイメーカーとして大きく貢献してくれました。
特に11月は平均約12得点をほぼ50-40-90で残すなど、本当に素晴らしい活躍でした。
そんな時期もあった為、総合スタッツを見ると決して悪くはないのですが、やはり1月にクリスが骨折離脱して以降、急速にシュートタッチを失ったのが大きかったでしょうか。
ビッグマンとしては決して守備が良い訳ではなかった為(特にワンビッグ時)、2月のように3pt20.0%まで落ちてしまうとなかなか厳しくなってきます。
ちょうど2月といえば、GSWが身体能力、運動量、守備にフォーカスしていた時期でしたから、この後シーズン終了まで度々DNPを受けてしまうのも頷けます。
その後も短いプレイタイムは貰うのですが、浦島太郎状態になっていて、フロアにクリスが居たとしてもシーズン序盤のようなフィット感を見せることはなく、流れを無視したインサイドへのドライブからファンブルしたり、オープンを決められなかったりと終盤は存在感がありませんでした。
(オールスター以降は平均2.7得点、3pt11.1%)
ダリオ・シャリッチという選手は個人的に好きなので、もう少し後半に活躍してくれるとありがたかったですね。
終盤はルーニーの方が活躍出来ていましたが、プレイタイムが極端に減ったという点では似たようなシーズンを過ごしたとも言えます。
総合評価はCよりのDです。
閑話休題。
ここまで7人の選手を見てきましたが、シーズン前半に極端に悪いか、後半に極端に悪いか、みたいな選手がいかに多いかお分かりになると思います。
(これはステフも例外ではありません。主にDFとTOVによりシーズン前半の彼はチームでも下位のマイナスを記録していました)
ダリオの項目で言うのもなんですが、チームとしても個人としても一貫性がなさすぎたのが今季の最も苦しかった点だと言えます。
故に必然的にクリスやこの後紹介するルーキーズの評価は上がってくる訳ですね。
⑧ブランディン・ポジェムスキー(A評価)
■23-24季スタッツ
74試合出場、平均26.6分、9.2得点
FG45.4%、3pt38.5%、FT63.3%
5.8REB、3.7AST、0.8STL、0.2BLK、1.2TOV
個人的な評価がかなり高いのがブランディンですね。
彼を一言で表すとオールラウンダーです。
スクリナーやパサーなどの脇役からショットクリエイト、キャッチ&シュート、リバウンド、やろうと思えば大体何でもできますし、その万能さ故に1〜3番までを卒なくこなせます。
また非常に闘志溢れるディフェンダーでもあり、テイクチャージ数38回はリーグトップの数字。
シーズン通してチーム内で最も+値(平均+3.6、+264はダントツ)が高く、クリス同様シーズン中の波が極端に小さい選手でした。その貢献度の高さや貢献の仕方の豊富さからWinnning Playerとも言えるでしょう。
ルーキーの中でも非常に優秀なスタッツを残しており、
74試合出場は同率5位
平均9.2得点は10位
平均5.8REBは6位
平均3.7ASTは5位
+3.6は6位
AST/TO比3.10は50試合以上出場しているルーキー中2位
等々、確実にオールルーキーチームに選出されるような成績を残しています。今年のルーキーは101人いますので、いかに彼が際立っているか分かりますね。
+値がチームトップである点からも"ルーキーとして優秀"なのではなく、既にいちNBA選手として優秀です。
個人的に感じる課題としては、
フリースローの確率(60%台はセンターの数字)
オープンシュートへの積極性(自身が優秀なシューターなのに打たない)
速攻時のフィニッシュ(被ブロック、ミスが多い印象)
等あります。
とはいえ、オープンシュートへの消極性というのも、ただ打たない訳ではなく、より良いシュートを探してそう判断をする場面も多かったですし、既にその辺りの機微を弁えているのは末恐ろしくもあります。それが全くできないルーキーが殆どですからね。
ドライブでスペースを潰すシーンも沢山ありましたが。生意気なシーンも少々(笑)
総じてミニドレイモンドといった感じの立ち位置でユニークな選手だと感じました。
大学時代はチームトップのシュートクリエイターでしたから、カーのコメントにもあったように、今後はシュートを多く打つ本来のブランディンが見られるのかも知れません。
非常に楽しみな選手の1人です。
総合評価はAです。
彼がいなければ10位フィニッシュすら怪しかったでしょう。
⑨トレイス・ジャクソン-デイビス(A~B評価)
■23-24季スタッツ
68試合出場、平均16.6分、7.9得点
FG70.2%、3pt 0%、FT56.1%
5.0REB、1.2AST、0.4STL、1.2BLK、0.7TOV
ブランディン同様、欠かせないルーキーとなったのがTJDことトレイス・ジャクソン-デイビスです。
トレイスもまた安定感のあるシーズンを過ごしました。
クリス、ブランディン同様大体の時期で+になっています。
大きく頭角を現したのはシーズン後半からでしたが、ルーキーの中で
68試合出場は同率11位
FG70.2%は2位
1.1BLKは同率5位
5.0REBは10位
他の項目は大体トップ20位前後
とやはり優秀な位置につけています。
リムプロテクト、フィニッシュ力、リバウンドと彼の強みがきちんと数字に表れていますね。
またドレイモンドとの新フロントコートは鉄壁を誇り、
27試合、226分
OFRTG109.8
DFRTG99.2
NetRtg+10.6
と彼をスターター起用させた最も大きな要因となりました。
ただ、GSWはどうしてもビッグマンをあまり起用しないチームなので、シーズンの前半~中盤にかけてはプレイタイムに一貫性がなかったのが残念でした。
ルーニーの厳しさがシーズン初期から露呈していていた分、もう少し起用時間を増やせていれば良かったのですが、それは先述した通りですね。
ブランディンにせよトレイスにせよ、ルーキーながらここまで起用され、インパクトを残している時点で評価は高いですね。クレイとのコンビも良かったです。
評価はAよりのBです。
ブランディンよりはやや控えめな評価になります。
⑩ジョナサン・クミンガ(A評価)
■23-24季スタッツ
74試合出場、平均26.3分、16.1得点
FG52.9%、3pt 32.1%、FT74.6%
4.8REB、2.2AST、0.7STL、0.6BLK、1.6TOV
3年目にしてクミンガはこれまで期待されてきた飛躍を果たしました。
大体の項目でキャリアハイを更新。
特に平均得点は9.9⇒16.1と大きく伸びました。
MIPには残念ながら規定的(61試合で20分以上に出場、規定は最低65試合)に選考に入っていませんが、その候補となりうるだけの成長は果たしたと思います。
1月からクレイに代わるように台頭してきたのが印象的でした。
ドレイモンドも彼が『チームのOFを変えた』と称賛していましたが、例えばGSWが苦しんでいたペイントアタック、速攻からの得点などは正にクミンガが牽引した部分です。
ペイント平均得点10.0はチーム断トツトップですし、FBPTS2.7もチームトップ、チーム2位の平均ドライブ6.2回からFG53.7%を記録しているのは流石です。
一方で、その弱点も分かりやすく、ドライブからのPASS%が他の選手に比べ低かったり、TOV%が多かったりと、これはコーチカーが指摘していた部分ですが、ハンドラーとしてのパス精度や判断はまだまだ改善が必要な部分だと思います。
アウトサイドシュートは既に天井が見え始めている感じもしますが、ウィギンズがGSWで大きく確率を上げたように、メカニズムの改善等で更なる成長がみられる可能性もありますね。
対人DFもウィギンズほどの堅実さはないので、その辺りの成長も欲しいところです。
いずれにせよ、このシーズンでクミンガはそのポテンシャルの高さを示したと言えます。
こうなれば良いなとファンが思い描いている選手像に近づいてきていると言いましょうか。これからのNBAに必要な真のオールラウンドさを兼ね備えた選手になれるように感じます。
(その素質を既に備えており、それが開花するかどうかという段階にある)
常々、ウィギンズなどは『彼に限界はない』と称賛しますが、まさにそのような感じで、最終形態がいまだ読めない選手だと思います。
例えば、彼がメインハンドラー寄りの成長を遂げられれば、チームとして大きく機動力のあるラインナップで戦えそうですが、それは少し先の話になりますかね。
評価はAです。
安定感があったかと言えば微妙ですが、7位指名に相応しい姿になってきているのが頼もしいです。
⑪モーゼス・ムーディ(B〜C評価)
■23-24季スタッツ
66試合出場、平均17.5分、8.1得点
FG46.2%、3pt36.0%、FT78.5%
3.0REB、0.9AST、0.6STL、0.4BLK、0.7TOV
プレイタイムの確保にやや苦しんだモーゼスですが、彼も3年目にして大体の項目でキャリアハイを記録しており、一貫性に苦しんだベテラン陣に比べるとAlways Readyの名に相応しい安定感を示していたと思います。
とはいえ、個人的にはモーゼスは評価が難しい選手です。
何が難しいかというと、突出している部分がないということです。
シュート力、運動能力、DF力、どれもある程度のレベルにあるとは思いますが、それぞれがクレイ、クミンガやウィギンズ、GPⅡには劣っていると言えます。
何より3年間、一度も平均1.0を超えたことのないアシスト能力の低さは問題で、ここがGSWにおいては圧倒的に使いにくい点です。サイズが2番寄りなので余計にそう感じます。
シュートにせよドライブにせよOFではとにかくフィニッシュな選手なので、汎用性には乏しく、プレイタイムに一貫性がなかったのも決してコーチカーの采配だけが理由ではないと考えるわけです。
(モーゼスのセールスポイントにそれぞれ上位互換がいる)
あ、モーゼスファンの方、怒らないでくださいね。今から褒めます。
それでもモーゼスを魅力的にしているのは、まさにAlways Readyな部分で、いつ試合に出ても守備からトーンを整え(DFRTGがメインローテ中チーム2位)、REBやBLKでハッスルし、良い試合ではどんどんスリーを決めてきます。
これはクリス大先生も褒めていた部分でした。
モーゼスが可能性を見せたのは4月の8試合で、
3ptを平均3本の試投から45.8%で成功
1.3ASTを平均
平均19.4分の出場は月間ハイタイ
全体的な数値的にはベストの月ではありませんが、ランニングからの高精度な3pt、モーゼスらしからぬクロスコートパスが見られたりなど、シーズン終わりにかけてのモーゼスの印象は良いです。
これからのモーゼスは汎用性を高めていくことが必要だと思います。
3ptをある程度決められることも、DFが良いことも、いつでもハッスルしてくれることも承知しています。
しかし、サイズ的には2番、最適性があるのは3番、とハンドルやアシストがある程度求められるポジションを務めなければいけないのは事実なので、特にプレイメイク、スクリーンやハンドオフなどチームメイトを活かす方面の力も伸ばして欲しいです。
シュート力の更なる向上、セルフシュートクリエイションもそうですね。
総合評価はCよりのBです。
何だかんだ言っていますが、評価はしています。
4年目にかけてプレイタイムが増えることはダンリービーから示唆されています。スタッツ的にはスターター時の方が圧倒的に良いですが、起用についてはロスター構築がガラッと変わる可能性があるので読めませんね🤔
⑫ゲイリー・ペイトン2世(B〜C評価)
■23-24季スタッツ
44試合出場、平均15.5分、5.5得点
FG56.3%、3pt36.4%、FT60.9%
2.6REB、1.1AST、0.9STL、0.4BLK、0.6TOV
ゲイリーはここ数年のGSWにとって重要な存在でい続けています。
セールスポイントのDFだけでなく、フロントコートの選手としてハンドラーの意図を察してスクリーンやハンドオフなど正しい選択をする賢さと攻守でのハッスルを兼ね備えた選手です。
モーゼスのミニッツが伸びない理由の1つが彼の優秀さにあると思います。
優勝シーズンから評価としてはそこまで大きな変化はないのですが、気になるのはやはりAvailablityでしょうか。
PORで怪我に苦しんだシーズンを過ごして以降、怪我や病気などによる離脱が目立ちます。
今季は優勝シーズンに比べると総分数が約半分に減っており、断続的な怪我と加齢に伴って、何となく、ほんのりですが身体能力の低下も感じますね。
実際、あれだけ派手なダンクを連発していたゲイリーの姿は最近見られなくなってきており、データ的にもダンクのアテンプトや決定数が減っています。
彼もまた試合に出さえすれば優秀な選手なのは間違いないのですが、ドレイモンドとは違った意味で安定して試合に出られるかどうかという点が気になりました。
来季は約9Mのプレイヤーオプションを保持しており、行使するのか、より長い契約を結び直すのか(もしくはFA)は分かりませんが、9Mというとなかなかに大きい額なので動向は気になるところです。
(オプトアウトからの安価な長期契約を結ぶだろうという見方もあります)
というわけで、総合評価はBよりのCですね。
ロスターに1人はいてほしいDF職人なのはここ数年変わっていません。メインローテの中ではトップのDFRTG(108.9)でした✨
⑬レスター・キニョネス、ギー・サントス、コーリー・ジョセフ(評価なし)
上記の3人については簡単に触れるに留めたいと思います。
◆レスター・キニョネス
■23-24季スタッツ
37試合出場、平均10.7分、4.4得点
FG39.7%、3pt36.4%、FT60.9%
1.9REB、1.0AST、0.2STL、0.1BLK、0.5TOV
まずレスターですが、ユニークなのはメインにもサブにもなれる柔軟性です。
SCWではエースでしたが、GSWではそうではありません。
それをきちんと弁えて、GSWでは味方を活かすプレイやハッスルプレイ、DFを主にしていたのは良かった点です。
一方で自分の調子が良い時には巧みなボール捌きから自身のシュートを演出したりと、よく比較されるジョーダン・プールっぽさがあります。
(ただ、プールほどのクイックネスやファーストステップはなく、代わりにDF、REBの能力を上げたような感じ)
2月のATL戦(17得点)は特に良かったです。
GSWに明らかに足りていないタイプの選手ですし、これからの成長が楽しみですが、来季は制限付きのFAになります。
◆ギー・サントス
■23-24季スタッツ
23試合出場、平均8.4分、3.6得点
FG50.9%、3pt37.0%、FT60.9%
2.1REB、0.6AST、0.2STL、0.1BLK、0.3TOV
ギーは成長著しいウイングで豊富な運動量と泥臭さ、オフボールムーブ、ステップ、3pt等が持ち味です。
既に長期プロジェクトであることが明言されており、彼の契約はあと2年あります。
(ただし、来季は無保証、来来季はチームオプション)
何試合かで爪痕を残しましたし、未来のGSWの一部になれる可能性が充分にありますね。
SCWで熟成されているので、パス回しの判断の速さ、カッティングのタイミングなど既に優秀な点も多く、加えてドライブや3ptも選択肢としてあります。
超優秀なディフェンダーかと言われると首を傾げますが、常にハッスルしてやれることを何でもしようとする姿勢は評価が高いです。
オールラウンドに活躍できそうなので、来季の姿が楽しみです。
◆コーリー・ジョセフ
■23-24季スタッツ
26試合出場、平均11.4分、2.4得点
FG35.9%、3pt31.0%、FT57.1%
1.2REB、1.6AST、0.2STL、0.1BLK、0.5TOV
コーリーについてはオフコートのベテランとしての評価は高かったものの、いまいちコート上でパッとしませんでした。
コーリーがオンコートの時は堅実すぎてOFに動きが出なかった印象が強いです。
結果論にはなりますが、昨季のうちにタイ・ジェロームと2年契約を交わしておいて3rdガードとして使った方がシーズン中の戦力としては良かったのかなと率直に思います。
タイはスキルレベルが高く、シュートクリエイター的な役割もできる選手ですし、サイズもあります。
(CLEでは怪我でほぼ全休になってしまいましたが…)
とはいえ、2巡目指名権を手に入れることができたという意味でコーリーには感謝したいですね。
※パット・スペンサー、ウスマン・ガルバについては割愛します
✅今後のGSW
ここまで長々と1人1人を見てきましたが、いかがだったでしょうか。
恐らく色々と意見はあると思いますが、あくまで一意見として捉えてくださいね🙏
さて、この最後の章では、今後のGSWについて現時点で言えそうなことをほんのり添えるつもりです。
今後の動きの大まかな方針について
クレイとの再契約について
ロスター構築について
この3つを混ぜながら述べていきたいと思います。
①払うのか、払えないのか
まずこのオフ、GSWが採りそうな大まかな方針が3つあります。
このまま2ndエプロンを超えるように補強を続ける
2ndエプロンに達しないラインで補強する
タックスラインを下回るように補強する
特に1の場合はもちろん優勝を目指せることが大前提です。
今季のように10位でプレーオフにも行けないチームに176Mものタックス(計 約383M)を払う…なんてことは今後はないと思います。
現時点でもオールインに近い状態なのにも拘らず、いくら後半戦に盛り返したからといっても、プレーインでSACに大敗したという結果はそれなりに重く受け止める必要があります。
この動きを続ける以上はカーが示唆するように『そもそも優勝を争える動きがあるのか』というのが最大の疑問になるでしょう⏬
変化は大前提として、勝てる見込みがなければできない動きになります。逆に言えば、一発でファイナルに行ける動きがあるなら何でもすべきだとは思います🚀
ちなみにダンリービーは『(コストについての)制限はないが、慎重になるだろう』と話しています。
仮に莫大なペイロール(例:運よく4位以内の指名権が手に入る+クリス、ルーニーらの契約を保証し、ウィギンズとともにトレード等)の果てに優勝を期待できる動きができたにしても、ステフの契約が残る今後2年とも2ndエプロンを超えるような補強をすることは難しいと言えます。
というのも、2ndエプロンを超えたチームに科せられるペナルティのうち
24-25シーズンに2ndエプロンに留まったチームは7年先の指名権をトレードできない(凍結)
今後4シーズンのうち2シーズン、2ndエプロンに留まった場合、7年先の指名権が自動的に最下位に移される
というものがあるからです。
特に2番目は今後弱体化が見えているGSWにとって避けたいペナルティのはずです。どんな結果でも指名権が最下位になってしまうので。
タックスについては、オーナーのジョー・レイコブも2月の時点でプラン1Aとして
と今後4年のうち2年タックスラインを下回る必要性について話しています。
※プラン1Bは勝つための大きな変化であり、ドレイモンドも以下のように語っていますが、個人的には必ずしもポジティブな変化とは限らないと思います
よって、断定はできませんが、動きが難しいと判断したなら、まず今後2年のうちに1度タックスラインを下回るように動く可能性はありますし、それはクリスの契約が無保証な今オフだと現実的に可能になります。
(プールをトレードした一番の理由とも言えます)
またクミンガらの延長契約を踏まえても、どこかで支払いを減らす必要はあります。
◆参考:24-25季のキャップとタックスラインを下回るためのシミュレーション
サラリーキャップ 約141M
タックスライン 約171M
1stエプロン 約178M
2ndエプロン 約189M
来季GSWの現時点11人のサラリー 約174M
来季のGSWロスターのうち、クリス、ギーは無保証、ルーニーは部分保証になります。
ルーニーの契約が完全保証(8M)される条件はチームの23年か24年のタイトル獲得、もしくは24-25季モラトリアム(7月1日)の7日前までにウェイブされないこと、です。
ルーニーの今季のパフォーマンスを見て8Mを保証したいと思わない場合、一度ウェイブしてからミニマムで契約する、というのも充分に考えられます。
(あるいは保証の3Mだけを払い、そのまま契約せず5M浮かせる)
仮に
クリス、ルーニーをウェイブ
ギーの契約 約1.9Mを保証
ルーニーとミニマム契約(約3.3M+保証3M)
ゲイリー、PO破棄&再契約(例:2年10M、単年5M)
という動きをしつつ(10人、約138M)
その上で
クレイと約18Mで再契約(例:2年40M)
ノンタックスペイヤーのミッドレベル例外(約12.8M)を使って2人を補強(クリスカムバック?)
今年の2巡目のルーキー1人(52位、約1.3M)
という動きをすると、かなりアバウトな計算ですが、計14人、大体170.3Mとなりタックスラインを下回ります。
もちろん、トレード等で大きな変化が加わるはずなので、この通りにはならないと思います。
また、あくまでタックスを下回りつつ若手を成長させる想定なので優勝を狙うにも言うまでもなく不十分です。
(1stエプロン未満だとトレードの柔軟性も上がります)
その場合(敗北がかさむはずなので)25年の自前のドラフト1巡目指名権が上位になる可能性があり、それを指名するかトレードするかしつつ、25-26季に改めてタックスラインを超えた補強を行い、ステフの契約最終年に最後の勝負を仕掛けるシナリオが想定できます。
②クレイとの再契約について
クレイとの再契約はGSWのカルチャーにとって重要であり、恐らくなされるのではないかと考えます。
事実、ダンリービーもカーもクレイとの再契約が必要だとはっきり語っています。
問題はその額であり、上のようにタックスラインを下回るような計算をすると、単年が大体グレイソン・アレンくらいの契約(4年70M)になるのが望ましいです。
一体どの程度の契約がクレイの望みなのかは分かりませんが、一度2年48Mのオファーを断っているのを見るに、それ以上を望んでいてもおかしくはありません。
ただ、今季の結果を踏まえると、クレイに再び40M級、そうでなくても30M級の契約を渡して、それで優勝を争えると考えるのはどう贔屓目に見ても理に適いませんし、CBA的にもかなり辛くなります。
とはいえ、データ的に見た時にチームの3PAの大半を担っているクレイがいなくなってしまうのはOF的な意味でかなり苦しくなることが予想されます。
特に今季はステフとクレイが2人で平均20本以上を試投し、他の選手が平均3本程度というアンバランスな現象が起きていました。
故に、3ptについてはこの2人の確率に大きく左右されてしまう試合が多かったと言えます。
(昨季は特に3ptチームだったので、ステフ、クレイが10本以上、プール、ウィギンズ、ディビンチェンゾがそれぞれ5〜7本以上打っていました)
来季はブランディンやモーゼスなどがもっと打つ必要があるのは明白ですが、クレイほどのシューターをFAなどで簡単に揃えられるとも思いません。
なので、タックスラインを超えるとしても、他の補強のために可能な限り安価で残ってもらうのが望ましいと言えます。
…とそんな風に思っていたら、マジックとクレイが相互に関心があるとの報道がありました。動き的に理に適っているからこそ、いよいよクレイがいなくなるような予感もしますね。
③大まかな補強ポイント
この節では具体的な補強案というよりは、大まかにどういった部分の補強が必要なのかについてほんのり述べていきたいと思います。
今はPO中でもあり、具体的な選手名などは出しませんのでご了承ください。
ダンリービー曰く、このオフの補強ポイントはDF、サイズ、シューティングとのことで、これは昨季オフと似たような感じになります。
まずダンリービーの語っている3つの領域はもちろん必要で、この3つそれぞれというよりは3つを兼ね備えている選手の獲得が理想だと思います。今季だとダリオがサイズとシューティングを兼ね備えていましたが、DFの欠陥により使われなくなってしまいました。
運動能力、スピードなどの要素も必要でしょうし、何より昨季通してずっと気になっていたのが、ステフ以外の3レベルスコアラーの不在です。OFが詰まった時にドライブ、1on1、プルアップジャンパー等、スキルで点を取ってくれる選手があまりいませんでした。
そもそも論にはなりますが、GSWのロスターにはシステム的に部品的な選手が多く在籍しすぎていて、OFにおいて単体で違いを生み出せる選手が極端に少ない印象です。
先述した3ptの偏りに見られるように、今季はいわゆるステフ、クレイという屈指のシューター達に打たせまくる+クミンガがインサイドに切り込むスタイルが中心でした。
故に基本的にステフ、クレイはアウトサイドにアテンプトが集中しており、クミンガはインサイドにアテンプトが集中しています。
優勝シーズンはクミンガがルーキーだったものの、中と外どちらもバランスよく得点していた覚醒プールと覚醒ウィギンズがいたので、OFのバランスが良かったと言えます。
今やその頃のウィギンズもプールもいないので、誰かがOFで台頭、ステップアップするか、安定した2nd、3rdスコアラーを獲得しないことには、これ以上のレベルで戦っても土壇場で『クレイが0点で負けました』、『ステフがFG35%で負けました』みたいな試合が増えていく未来が見えます。
"今のスタイルで勝てなかった"
システム自体のマンネリ化を感じたのも今季の大きな収穫だったかなと。
強いチームには必ず個で点が取れる選手が複数人いますしね。
カーがいる以上はシステムを継続すべきだと思いますが、シンプルにプレイ(目の前の相手から点を取る、ミスマッチから得点する等)する部分も増やしていかないことには、システム遂行のために賢い200㎝以下の選手をコート上に5人並べます(既に4人は並べている)、みたいな現象が起きてしまいますし、それではもう上位には勝てません。
その為にもサイズ+万能さ+スキルのバランスがとれた選手をロスターに増やしていくのが、最後に一矢報いるためにも、ポストBIG3時代に向けても必要でしょう。新しい時代の才能が必要になってきているのかなと感じます。
BOSやORLはその辺りの構築が上手な印象です。ガードだけでなく、サイズのある選手もハンドラー、プレイメイクをこなせます。サイズとスキルのバランスが良いと言いますか。無論、DENも理想です。
これらのロスター再構築を今オフだけで達成できるとは思いません。
故に1シーズンタックスを回避しつつ、原石を発掘しつつ、25年ドラフトの上位に賭けてみるというのも悪くない選択肢かなと感じるわけです。
獲得できるとは思いませんが、クーパー・フラッグなんかもいますしね。
また、来季に向けて一部のコーチ陣を入れ替えたり新たに採用する必要もあるとも感じます。特にDF、育成に長けたコーチがいれば引き入れたいところです。重要な人物を喪ってしまいましたからね…
この章をまとめると、
資金的にどう動くのかは、恐らくフロントも悩んでいる段階
個人的には2ndエプロンを超え続けるのは現実的ではないため、超えて1stエプロンまでという予想
レイコブの発言からタックスラインを下回る動きもあり得る(近いうちに下回る必要はある)
一言でいうと、ファイナルに返り咲ける一発逆転の動きがあるなら何でもすべき。そうでないなら若手の延長契約もあるし1回タックスライン下回っとこ?という感じ(推奨)
勝つのが目的なのは変わらないが、がむしゃらにお金を使える時代ではなくなった(どちらかと言えば費用対効果を高めたい)
クレイとは安価で再契約が理想(BIG3を残すことの重要性、しかし妙な玉砕は避けたい)
将来的にバランスのとれた選手を増やしていきたい
となりますかね。
漠然としていると思いますが、今具体的に言えることは少ないです。
一発逆転の為にはリーグ屈指の選手が必要だと思いますが、獲得できるのかは非常に怪しいところです。中途半端な選手を獲得するくらいなら、クミンガの成長に賭けた方が手頃だとは思います。
逆に獲得できるならクミンガすらも選択肢には入ってくるでしょう。
この辺りはモンテ・プール氏の投稿の通りです。大方の見方としてクミンガはUntouchableのようですね。
✅終わりに
といったところで、今回はここまでになります。
恐らく過去最長の記事だと思います(絶望)。
ここまで読んでくださった方は本当にありがとうございます🌟
本記事では、
23-24シーズンの簡単な振り返り
各選手の個人的な評価
GSWのこれから
について大まかに述べてきました。
今季に収穫がなかったわけではもちろんありませんが、ダンリービーの残念だったという一言に尽きるのかなとは思います。
クリス・ポールを味方として見ることができた貴重なシーズンではあったので、この思い出は大事にしたいですけどね。
色々考えると、プレーオフどころかプレーインも勝ち抜けなかったのは間違いなく喜べない結果です。
フランチャイズとして試練の時期に突入していく予感があり、それこそ、この状況を打開して優勝に肉薄するには魔法のような一手が必要なように感じます。
新CBAのエプロン超過によるペナルティは大変大きいですが、ある程度の資金力の中、チームでドラフトした選手を中心に戦うように推奨(強制)している制度ではあるので、SRPEとして例外事項となった2巡目指名権やマックスでなくても5年契約が可能になったルーキー延長契約などは、今後非常に大事になってきます。
若手の重要度がますます上がるので、安易にはトレードできないですし、ドラフトやスカウトも一層大切になります。
まずは次の2巡目指名権で誰を補強するのか。
奇跡のような確率ですが、2024年のトップ4プロテクト指名権はGSWの手に渡るのか。
この辺りが直近では気になるところです。
第2のトレイスは現れますかね🧐
面白い選手が下位にもちらほらいますが。
2巡目指名候補についてはまた記事にできたらと考えているので、よろしければ読んでやってください。予想が当たる気はしませんが…
よろしければ、本記事で紹介した他記事も読んでいただけると嬉しいです。スキやフォロー、Xでのコメントも大歓迎です!
それでは次回の記事でお会いしましょう!