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【ソロジャーナルRPG】サンプルシナリオ(世界滅亡選定)【リプレイ】

こちらのサンプルシナリオを遊ばせて頂きました。
ソロジャーナルRPGについては、下記もとても詳しいです。
私もこの記事で知りました。

導入

では、確認です。
世界滅亡の記録を書くことについて、貴方はどう思っていますか。
トランプを一枚捲って、そのカードのスートを確認してください。

>スペード

これは彼らにとってスリリングなことであり、
人々の命に関わることに大きな価値を見出しています。
その緊迫感や重要性に魅了されています。

今回、貴方が派遣される世界の選定です。
希望があれば、その世界について記載してください。
なければ、6面サイコロを2個振り、その合計を覚えておいてください。

2D6 (2D6) > 6[2,4] > 6

>6

無慈悲な魔王が支配する王国と
奴隷化された人々のいる世界

では、世界の様子や、滅亡についての記録を書いてください。
記録者の好奇心にそって、自由に書いてくれて構いません。
浮かばない人は、サイコロに頼っても良いです。
6面サイコロを2つ

訪れた世界が滅亡することに対してどう思ったか。

2D6 (2D6) > 9[3,6] > 9

>9

冷静に状況を受け入れました。

では、最後の記録です。
貴方には権利があります。
この滅亡に対して、滅亡選定書で意見を伝える権利です。

このまま、この世界を滅亡させますか。
率直な意見を世界滅亡選定書に記載してください。

浮かばない人は、サイコロに頼っても良いです。
サイコロの答えに納得がいかない場合、
それは貴方の本当の答えではないので、
変更することや自分で記載することも可能です。

6面サイコロを2つ。

――世界滅亡、阻止しますか?

2D6 (2D6) > 9[4,5] > 9
>9

はい。

厄介な人間を犠牲にして滅亡を阻止します。
滅亡を回避するためには困難な決断が必要であり、
厄介な人間を犠牲にします。

・ ・ ・

記録

わたし : 気づけば見知らぬ場所にいた。
    前後左右、上を向いても下を向いても暗闇で、
    ”わたし”は椅子に座り、机に向かっている。

わたし : 机の上には紙とペン。
    頭の中に言葉が浮かぶ。

【世界滅亡の記録を書くことについて、
 貴方はどう思っていますか】

わたし : ”わたし”の鼓動が、高鳴った。

わたし : それは人の命に関わる事で、
    それも一人二人ではきっとないのだろう。
    想像もできないような事であるにも関わらず、
    世界単位の命が自分の掌の上だという事に惹きつけられた。

わたし : 昨今、こんな緊迫感の前に立たされたことはあっただろうか。

わたし : ”わたし”はごくりと唾を飲む。

【今回、貴方が派遣される世界は、
 無慈悲な魔王が支配する王国と、
 奴隷化された人々のいる世界です】

わたし : 頭の中に声と――情景が浮かぶ。光景が浮かぶ。
    滅びゆく世界が浮かぶ。

わたし : 存外、”わたし”は冷静だったと思う。
    そうでなければこんなにも淡々と記録を
    残せやしなかったかもしれない。

わたし : 或いは、その情景が真に迫るものであったにも関わらず、
    遠い世界の、自らが生きる世界とは
    かけ離れている場所だったせいか。

わたし : 魔王が支配する王国は、それは酷いものだった。
    魔王、魔族が国を動かし、そして人たる生命は
    彼らの奴隷となっていたのだから、当たり前かもしれない。

わたし : まるで何処かの物語のような世界。
    魔王の圧政、魔族から虐げられる人々。
    働かされ、様々なはけ口となり、
    人々同士で争わせる遊びに使われ。
    限界を超えて尚動かされる人々の目は殆どが虚ろで、
    まるで人形のように操られているかにも見える。

わたし : だが、その中でも尚目に光を失わない人がいた。

わたし : 生かさず殺さず、
    生命維持はできるような絶妙な力加減の中、故にか。
    かつてはきっと魔族と戦ったのだろう人間の生命力、
    精神力、絶望や苦しみの中で見出す希望か。

わたし : 反旗を翻し、再び世界をかけての戦が始まる。
    圧政を敷かれて尚、奴隷として生きていて尚、
    人類には力があった。

わたし : だが戦は土地を、星を、より疲弊させる。
    あらゆる命が疲弊する。

わたし : それは人も魔族も同じこと。
    植物も、動物も、あらゆるが。

わたし : そうして緩やかに星は死んでいく。
    終わりの見えない戦いの中、
    人は魔族に屈さず生きられる未来を胸に、
    魔族はそれらをただただ蹂躙し。

わたし : これは生存戦争だ。

わたし : 種と種の、生存を賭けた戦い。

わたし : あらゆる生き物が通ってきた道。
    その規模が――世界中で起こり、
    どちらの生命も強いものだから、長く、長すぎて。

わたし : だから世界は争いの末に滅んでしまう。
    そうなってしまえば、
    もはや生存戦争などとも言っていられないだろう。

【――世界滅亡、阻止しますか?】

わたし : ”わたし”は少し、悩んだ。
    知恵ある、力ある生命故の滅亡。
    それはきっと、何処の世界でも起こり得る事なのではないか。

わたし : ならばなるようになってしまえ、とも思うが。

わたし : ”わたし”は再び滅びゆく世界への情景を頭に浮かべる。

わたし : さて、この世界は、争いだけだっただろうか。

わたし : 戦にばかり目が行ってしまったが、種が違えようとも、
    或いは支配者と奴隷であって尚、
    手を取り合おうとする生命はいなかっただろうか。

わたし : ”わたし”は、少し、笑ったと思う。

わたし : この世界の行く末は、”わたし”の掌の上だ。
    もしくは他に誰かいるかもしれないが、
    少なくとも”わたし”の意見が少なからず影響は残す筈だ。

わたし : ならば。世界を滅ぼしかねない存在以外を残せば。

わたし : ちょっとした賭けのようなものだ。
    やはり遠い世界、異なる場所の滅亡については、
    些か”わたし”は軽薄かもしれない。

わたし : 人間、そういうものを目の当たりにして
    自らに降りかかる火の粉を浴びねば、多くはきっとそんなものだ。

わたし : ――滅亡を阻止しよう。
    厄介な人間を――魔族を含めた生命を犠牲にして。

わたし : 世界を滅ぼさんとする、自ら臨んで争いを行う生命を。
    世界にとっては厄介極まりない存在で、
    星にとっては病原体に過ぎない。

わたし : そうして和平を望む者だけを残せば良い。
    それはきっと非常に少ない人数になるだろうが、
    少なくとも世界が滅ぶ事はきっとないのではと思う。

わたし : その先の未来は、きっと苦しいものだろうけれど。
    慎まやかに、魔族も人間も手に手を取って
    生きていける未来も、きっとあるはずだ。

わたし : ――――”わたし”は、ペンを置いた。

終わりに

書けましたか?
こちら、選定書の良し悪しは気になさらずに。

貴方の仕事は、ただ記録すること、それだけですから。
はい、書いて下されば構いません。

・ ・ ・

こちら、最終確認です。
……完成、ということですね。

貴方の世界滅亡選定書、確かにお預かりします。

選定局の方で審議の後、
この世界についての対処は追って連絡致しましょう。

お疲れ様でした。

・ ・ ・

世界滅亡選定書

◆記録者の名前
 春日井 梨桜(カスガイ-リオ)
 ━━━━━━━━━━━━━━━━━
 世界滅亡記録者

◆世界が滅亡することについてどう思っているか
 >表示されたスート:スペード
これは彼らにとってスリリングなことであり、
人々の命に関わることに大きな価値を見出しています。
その緊迫感や重要性に魅了されています。

◆今回派遣された世界について
 >世界を端的に:
無慈悲な魔王が支配する王国と
奴隷化された人々のいる世界

◆この世界は残すべきか否かの報告
 >残すべき
厄介な人間を犠牲にして滅亡を阻止します。
滅亡を回避するためには困難な決断が必要であり、
厄介な人間を犠牲にします。


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