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初めてバンドライブに行ってきた 〜ズーカラデル『朝が来たら私たち』〜

初めて、音楽バンドのライブに行ってきた。
この歳になって、生まれて初めて。

ズーカラデル全国ツアー『朝が来たら私たち』
東京公演。




きっかけ

お笑いライブやクラシックコンサート、演劇は行った事があるが、音楽ライブはまだ行った事がなかった。行ってみたいなーとは思いつつ、特定のこの人というアーティストもおらず、どのライブに行くか、いざ行こうというきっかけもなく、何となく今まで過ごしていた。

アイドルやバンドのライブの様子を見ていると、「すごく好き」ではないと観に行く資格がないかのような気がして、どこかその熱狂を遠くから見ているだけだった。


今回行ったライブのアーティスト、「ズーカラデル」。
いつ、どの曲から聴き始めた、というのが実を言うと曖昧だ。

好きな芸人さんの単独ライブでかかっていた曲を、Apple musicのいつものプレイリストに入れて聴いていた。邦ロック と呼ばれるジャンルが多かった。

いつも聴く曲が固まってくるので、Apple musicの「ディスカバリー」という、よく聴く曲の傾向からおすすめの曲をランダムで再生してくれる機能を使って、新しい曲を探したりする。作業しながらわーっと流しておいて、気になる曲があったら、そのアルバムやアーティストを見てみる。


多分、その時に、流れてきたのがズーカラデルだった。最初の曲は、確か「漂流劇団」。

いくつか聴いて、何だか良いな好きだなと思った。

同じアーティストの曲をシャッフル再生して、たくさん何度も聴いて、好きだなーが高まってきた時、ふと検索したら東京でライブがある。
しかも、行ける日程。チケット抽選は終わっていたが、一般発売がこれからある。


これは、行ってみようかな。と思った。

お笑いライブだって、演劇だって、最初の一歩はすごく行きたいという情熱というより「行ってみようかな」という小さな思いから始まった。

何でもかんでも病気だった時のせいにするのはあれだけれど、人生 自分も家族も仕事も、いつ何が起こるか分からないから、やっぱり行きたいと思った時に行くのが1番だと思うようになった。
フッ軽な私は、嫌いじゃない。


チケット&グッズ


さて、チケットを買おう、となった時にすでに抽選販売は終わっていた。一般発売(先着)が数週間後、という頃。

選べる座席は1階のスタンディング席(整理番号順)か、2階の座席(指定席)の2種類。

スタンディング席は何だか雰囲気分からなくてガチな人ばかりだと怖いな……というのと、月の日付的に自分の体調が少し不安なのもあって2階の指定座席にした。

チケット発売はお馴染み土曜日10時。

バンドの人気がどのくらいなのかさっぱり分からないのでチケ発ぴったり頑張ったが、やはり土曜10時。ぴあ は大混雑で一切入れず諦めてイープラスに変えて試すと、あっさりとチケットが買えた。

一つのサイトで粘るか、他所のサイトに移るか、いつも一般発売で舞台のチケット取る時にハラハラしている。チケットの一般は手に汗握って緊張するので、できれば抽選で当たっておきたいところ。


チケット買えたー楽しみーとほくほくしているうちに、グッズ発売のお知らせ。


よく音楽ライブに行く家族から、通販で買っておいた方が楽だよーと言われて、Tシャツとタオル、ステッカー、ラバーバンドを購入……しようとしたが、クレカ決済がなかなか通らず、パスワード入れても入れても弾かれる。
しまいにはカード会社からメールで「あなたの使用ですか?不正検知で一時的に止めますねー」的なメールが届いてしまい、私の買い物じゃー!!!と承認ボタンを押すと、あっさり決済してくれた。セキュリティしっかりしてるのはありがたいんだけどね。

ツアー日程が背中に書いてある、踊る猫ちゃんの絵柄のTシャツ。バンド名のラバーバンドにタオル。
音楽ライブ楽しむ人、とりあえず形から。


当日

さて、今回の会場は EX THEATER ROPPONGI。
六本木駅より徒歩で10分程度。
初めて行く会場。

開場が18時、開演が19時だったので、余裕を持って晩ご飯も食べたいし仕事を半休で休むつもりだった。が、どうしても外せない案件が入ってしまい、半休取れず。定時ぴったりに退勤して電車の遅延がなければ開演には間に合う。でも晩ご飯食べてる時間ない……職場でinゼリーを一気飲みした。



会場に着いたのが20分前。間に合ってよかった。
ドリンク代を支払って、中に入る。

プラカップでドリンク貰えたが、今飲むとトイレ行きたくなりそう…と思い、ドリンク券はペットボトルのお茶と交換。

会場限定のメモリアルチケットを買うために物販の列に並ぶ。ここですでに開演15分前。階段2階分も地下に伸びる列最後尾に、間に合うか??と不安が。
でも意外と進みが早くて、無事開演前に買えた。
メンバー3人が彫って作ったという消しゴムはんこのスタンプが手ずから押されている。
コンビニ発券だったり電子チケットだったりって、ちょっと味気ないから、こういう紙チケット嬉しい。

お客さんの雰囲気が、またいつも行くお笑いライブや演劇とは違う。でもイメージしていた「バンドのファン」みたいなガッツリした人が少なくて、怖くなくて良かった。結構1人で来ている人も多いし、男女も半々、年齢層も広め。仕事帰りなのかスーツのまま来ている男性もいる。


今回の私の席は2階。後ろから2列目。
見え方が心配だったが、かなりの急角度と格子状の椅子配置で前の人と被らないし、全然よく見える。
私の視力だと細かい表情は見えないけど、でもちゃんと見える。

高所恐怖症の私は、2階最前とかだと座るために前に行くのでさえ怖いので、これくらいなら怖くない。前に観劇で安いからと3階席を取ったら最前だった時、何かあったら落ちるんじゃないかと観ながらも気が気でなかった。

2階席になった事がある銀座ブロッサムホール、板橋区立文化会館、帝国劇場より、はるかに近く感じた。


ライブが始まる。

バンドメンバーの3人と、サポートメンバーが入ってくる。1曲目が始まる。


なぜか、涙がでてきた。

特別思い入れのある曲というわけでも、今日の仕事が辛すぎたわけでも、何でもないはずなのに。
急にこみ上げるものがあって、涙で滲んだ。

良い曲だなーって。生演奏ですよ、生歌ですよ。


1階のスタンディングフロアの前の方も見えて、手を上げて音楽にノっている。

音楽ライブ初めてなので、ノリ方がよく分からない。
演劇もお笑いも、背もたれに背をつけて、動かないし話さない。お笑いは笑うけど。
手を上げすぎると後ろの人見えないかなとか、手拍子ってどんな感じ?とか。


MCの時にベースの鷲見さんが言っていた。
ズーカラデル初めての人も、ライブハウス初めての人もいるだろうけど、楽しみ方は自由だからと。
手拍子しても、手を上げても、リズムに乗って踊っても、自分の楽しみ方でいいんだと。
(細かい言い回しうろ覚えなので、ニュアンスです)


そうかーとちょっと緊張がほぐれる。周りを見ても、めちゃくちゃ手を上げてガンガン振っている人もいれば、そっと手拍子しながら観ている人もいる。

私は周りに合わせて手を叩いても次第にズレていくリズム感が壊滅的な人間でなので、手拍子が苦手。

何度も何度も自分の楽しみ方でいいからねと言ってくれる鷲見さんの言葉が、すごく嬉しかった。


演奏される曲、全部、すごく良かった。
こんなにたくさん聴いていいんですか?!ってなるくらい、たくさん歌われてた。

ギターを変えたり、中休みでゆるゆるトークしたり。

あと照明がすごく綺麗で。
演劇とはまた違う、青、赤、黄色、緑とカラフルで、曲ごとに違った演出で。2階席なので全体がよく見えてよかった。



アンコールも、スキップできない(笑)広告の後に2曲。適度な相槌の吉田さんと山岸さんに、MC役の鷲見さんのやりとりがホワホワ。
曲中であんなにザ・バンド みたく飛んで跳ねて頭振ってた人とは思えない、ふわふわしたトークが面白かった。

2時間たっぷり。途中でセトリ覚えられなくなって分からなくなってしまったけど、アルバムのツアーではないから昔の曲から最新の曲まで色々な曲が15曲以上ゆうにあったし、あの曲も?!この曲も?!って曲始まるたびにわーってなった。特に好きな曲がアンコールの1番最後に出てきて、とっても嬉しかった。




楽しかったー良かったーってライブから帰る電車の中。
いつも電車ではイヤホンで音楽を聴くけれど、聴かなかった。ノイズキャンセルのみ。


せっかく生で、自分の耳で聴いた音楽の余韻を、少しでも長く残しておきたかった。ズーカラデルの曲でも、他のアーティストの曲でも、今イヤホンで聴いてしまうと上書きされてしまうような気がして。



来年10周年とのこと。
また是非ライブ行きたい。

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